金 峰 山

2,599m 長野県・山梨県
2008年10月の登頂は ココ 2012年10月の登頂は ココ

2002年10月12日(火)  晴れ
【メンバー】 単独

大弛峠(8:08)→(8:36)朝日峠 → (9:09)朝日岳(9:16) → 鞍部 → 鉄山 → (10:10)金峰山(11:15) →(12:15)朝日岳(12:20) → (13:04)大弛峠

【歩行時間 4時間56分】

夏は過ぎたとはいえ山登りをするにはまだまだ暑いので、標高が高くて短時間で登れる百名山を探していましたが、日本一高い峠の大弛峠(標高2360m)から2時間の登りで山頂に立てる奥秩父の金峰山が見つかりました。
金峰山は、奥秩父の西端に位置するこの山域の盟主で、昔は修験道の場とされていたようですが現在はその名残は見られないそうです。「奥秩父」という地域の定義は明確には無いらしく、都心から見て埼玉県秩父郡の更に奥に位置するため、山岳関係者が便宜的にこの地域を奥秩父と呼ぶようになりそれが定着したのだそうです。(山と高原地図(昭文社)より)

整備が済んだ林道

ネットで道のりを調べると大弛峠は山梨県牧丘町と長野県川上村を結ぶ峰越林道川上牧丘線にある峠で、林道は未だ全線の整備が終わっていないため場所によりダートもあるようですが、自家用車でも十分とのことなので行くことに決めました。 塩山から武田信玄のお墓がある「恵林寺」を過ぎ、川上牧丘林道への入り口を間違えながらも、焼山峠までほぼ順調に進みました。

焼山峠の先に工事中の箇所があって迂回させられたり、崖崩れで岩が散乱している箇所や激しい凹凸の路面を走らされたりしながら大弛峠に着きました。この山は人気が高いらしく大弛峠の駐車場は既に満杯で、峠を先頭にして路上駐車の列が長く続いています。
山梨県側から見て大弛峠の右側には大弛小屋があり、その脇から国師ヶ岳や北奥千丈岳への登山道が続いています。金峰山への道は林道を挟んで小屋の反対側にあります。

シラビソの林の中の穏やかな登りを行くと、樹間から富士山や南アルプスがぼんやりと見えます。
大弛峠から約30分ほどで朝日峠に着き、ここからやや急な斜面を更に30分登ると周りが少し開けてきて朝日岳に着きます。ここからは金峰山とこれから向かう稜線が確認できます。

富士山と手前の小楢山です

南アルプスの山々です

朝日岳の山頂で今朝、瑞牆山荘を出発してきたという男性と出会いました。この男性は今日中に甲武信ケ岳まで行って甲武信小屋に泊まる予定だと言って大弛峠の方に下っていきました。
休憩時間を入れないで12時間半は要する行程です。この登山の世界には私の想像をはるかに超える超人が多く存在することを思い知らされます。 朝日岳から急な岩場を鉄山との鞍部まで下ります。

帰りにこの急な岩場を登るのかと思うと少し気が滅入ります。山だから仕方が無いですが、いつもながら折角登ったのに下らなければ先に行けないというのはなんだか損した気分になります。 下り切ってからは、平坦な道となり鉄山のピークを巻いて金峰山への登り返しになります。 ハイマツ帯を抜け、明るく開けたザレの尾根道を登りきると、ここはもう東西に長い山頂の一角のようです。

右前方には立派な図体の小川山とその左側には思っていたより低くて小さな奇峰の瑞牆山が見えます。正面にはシンボルの五丈石も見えます。 大きな岩がごろごろした山頂付近は、ガイドブックに写真が掲載されていた櫛団子のような山名標柱がなければどこが山頂か判別しにくいです。
金峰山頂からは、南側に富士山、右に南アルプスの山々、八ヶ岳連峰や瑞牆山など著名な山々が一望できます。北東側にも秩父の山々が見えるのですが、どれが何山だかさっぱりわかりません。

五丈石に近づいてみると四角い大きな岩が、どこかの力持ちの手によるかのように規則正しく積み上げられています。五丈石の天辺に登ろうとチャレンジしている方が居ます。
下から見上げると登れそうな気もしますが、どうしてなかなか直壁をよじ登るのは簡単ではなさそうです。 五丈石の基部は平らになっていて何人もの方が休んでいます。私もおむすびの食事を済ませ、あとは帰るだけなので少しゆっくりすることにします。

千代の吹き上げ方面へ下る稜線


瑞牆山荘方面への尾根道が見えますが、私が登ってきた道とは違い岩場が多いようです。
山頂に戻り記念写真を撮っていただき、名残を惜しみながら山頂を後にすることにします。

復路もガイドブックにある時刻通りに大弛峠に到着しました。大弛小屋で記念バッジを買い求めてから、金峰山が望めるスポットで写真を撮るなどしながら林道を走ります。 柳平辺りで今朝通った道路は工事中となっていて通行止めのため遠回りの経路で塩山へ戻ることになりました。

車で最短コースをピストンするのは少し味気ないものがあります。今の私は単なるピークハンターでまだまだ本当の山の楽しみ方が分かっていないのかもしれません。