谷 川 岳
1,977m 群馬県・新潟県
2018年7月の登頂は
ココ
土合口 **** 天神平 → 熊穴沢避難小屋 → 天狗の留り場 → 肩の小屋 → トマの耳(1963m)→ オキの耳(1977m)→ 往路を下る
家族四人で群馬県の谷川岳へ行きました。
妻の亡母の実家が新潟県小出町にあり、関越自動車道は、何度も往復している道路です。家族で小出へ行くときには必ず立ち寄る越後湯沢の健康ランド(旧錦鯉ランド)でお約束のように泊まり、翌早朝に水上まで戻り谷川岳登山口の土合口、谷川岳ロープウェイ乗り場へ向かいました。
初めての本格的な登山でもあり、ロープウェイ乗り場の入口では登山指導センターの方が登山届けの提出を呼びかけているなど、今までに無い経験に少し緊張します。
さすがに妻は堂々としたもので、登山届けをサッサと片付けて乗り場へ向かいます。
ロープウェイでは福島県から単独で来たというご夫人と一緒になりました。この夫人は以前にも谷川岳登山に来たそうですが、生憎の天候で断念されたそうでリベンジとのことです。
ロープウェイは快調に進みますが外は濃霧で時々紅葉が見え隠れします。晴れていれば素晴らしい景色が望めたのに残念です。夫人と話をしている間に天神平駅に到着です。天神平は霧に包まれていて、数メートル先しか視界が利きません。準備を整えて霧の中を出発します。
登山道は良く整備されていてとても歩きやすい道です。少し霧が晴れてきたかと思うと谷川岳の勇姿が右前方にパッと浮かび上がってきました。周りの登山者が一斉に歓声をあげます。
正直なところ、あの山に登るのかと思うと自信がなくなりました。それ程に気高く大きく見えました。右横にも大きな山が見えましたが、山名はわかりません。登山者の誰かが武尊山(ほたかやま)と言っていましたが違うような気がします。(距離からして白毛門だと思うのですが?)熊穴沢避難小屋で小休止しました。ここまでの道のりもかなりの渋滞で、大幅に予定時間をオーバーしています。この先もかなりの渋滞が予想されるので、休憩もそこそこに出発しました。
小屋を出発して10分くらい経った頃、アリの行列のようにノロノロと歩いていると、行列の後方から伝言がやってきました。「熊穴沢小屋に黒いウエストポーチの忘れ物がありますよ~」と。そそっかしい人がいるもんだと思って、何気に自分のウエストを見ると何と私のウエストポーチが無いではありませんか?そんなバカな。やはりありません。まずいと思い一目散に小屋へ引き返します。ウエストポーチには、私の全財産が入った財布や車のキーなどが入れてあるのです。
着くまで無くならないでと焦りましたが、小屋で休憩した場所に無事置かれていました。第一通報してくださった方は、近くにはいらっしゃらなかったのですが、本当に助かりました。感謝、感謝です。家族の元へ戻る時、伝言してくださった行列の皆さんにお礼を言いながら追い越していきました。皆さん口々に「よかったね」と声をかけてくださり、感激に体がジンとしました。
徐々に道も急になり、岩場を登る箇所もあります。大きな段差の岩登りが渋滞の先頭のようです。一歩一歩の高低差がある山登りは初めてなので太腿が悲鳴をあげています。天狗の留り場という大きな岩の右側を抜け、ガレの急登を過ぎると肩の小屋に着きました。大勢の人がトイレの順番待ちをしています。トマの耳と思われるピークが見えます。少し立ち休みして直ぐに山頂を目指します。
トマの耳には「谷川岳山頂(トマの耳)1963m」という標柱が立っていました。オキの耳(谷川岳の最高点)へは、吊尾根を一旦少し下り登り返すと到着しました。この尾根を更に進んで「ノゾキ」というところまで行くと、世界中で有名な「一の倉沢」の断崖が一望できるとのことですが、疲れてしまったので今回は断念してまたの機会に譲ることにしました。快晴の山頂からは越後の山々が見渡せましたが、当時それらの山々には興味も無かったので、記念撮影だけ済ませて往路を下山しました。
天神平に着く手前で分岐する田尻尾根を下っていく人を見かけましたが、今朝登る前の「熊が出没しています」の注意看板があったことや、足にも相当ダメージがきていましたので、ロープウェイで帰ることにしましたが、それがまた大変でした。登るときと同じようにロープウェイの乗車待ちに長蛇の列です。並ぶことが嫌いな我が家族は、暫く様子をみようと雪が積まれた山で遊んだり、売店でお土産を見たりして時間を潰しましたが、一向に列は短くなりません。
外がすっかり暗くなってようやく少なくなった列の最後尾に並びました。約4時間の待ち時間でした。これなら少し頑張って田尻尾根を下っていれば、今頃は温泉に入ってビールでも飲んでいられたのにと思いました。判断ミスが無駄に時間を浪費した山行となってしまいました。反省。これも忘れられない思い出となりました。