至 仏 山

2,228m  群馬県
2004年7月の登山は ココ

2011年7月12日(火)  晴れのち一時雨
【メンバー】 Yamahitsujiさん & 私

鳩待峠(5:45)→(6:42)山ノ鼻(6:56)→(7:05)登山口 →(8:28)中間点 →(8:58)ベンチ(9:15)→(10:13)高天ケ原 →(10:41)至仏山山頂(11:45)→(12:25)小至仏山(12:30)→(13:02)オヤマ沢田代 →(14:18)鳩待峠

【行動時間 8時間33分】

横田代からの至仏山です


2004年7月に嵐の中を強行して登ったことがある至仏山を、今回は快晴の酷暑の中、会社の山仲間と登ってきました。厳しい行程でしたが、印象深い充実した山行となりました。
夜行バスで尾瀬戸倉に着いたのは4時20分頃、シャトルバスに乗り換えて鳩待峠には5時過ぎに着きました。
今日は快晴で雲一つ見えません。これだけ晴れていれば、山頂からの眺望も期待できそうです。

鳩待峠


鳩待峠のベンチに腰掛けてツアーで頼んでおいた「まいたけおむすび弁当」の朝食です。ふんわり握られたおむすびで、ややボリューム不足の感じです。そう思ったのは私だけでしょうか?

山ノ鼻への入口


今日、同行するyamahitsujiさんなら、当初予定の鳩待峠からのピストンではなく、山ノ鼻から登る周回コースでも歩けると思いコース変更します。これがyamahitsujiさんに苦難を強いることになりました。

鳩待峠から山ノ鼻へ向け5時45分に出発です。 山ノ鼻までは清々しい林の中の木道を約1時間下ります。 道端にはモミジカラマツの白い花が咲いています。



モミジカラマツ

オニシモツケ

トリアシショウマ

ハクサンシャクナゲ

時間はタップリあるので、ノンビリ写真を撮りながら歩きます。 過去に二度この道を反対側から歩きましたが、これほど鳩待峠と山ノ鼻の高低差があったとは思いませんでした。


この分当然、登りが増えることになります。 同行のyamahitsujiさんも同じ経験があるみたいで、最後のこの登りがキツかったと話してくれました。木陰の中の遊歩道は心地よく快適です。

ズダヤクシュ

ヒオウギアヤメ

ヘビイチゴ

山ノ鼻には1時間ほどで着きました。
少し休んでから、見本園を経由して登山口に向かいます。今日は日差しが強く、森林限界を超えてからの登りは厳しそうです。

見本園ではニッコウキスゲが咲き始めたところでした。例年より少し遅いみたいです。
最盛期は10日後くらいになりそうです。



ニッコウキスゲ

尾瀬研究見本園からの至仏山です

ワタスゲ

ワタスゲ(アップ)

チングルマの綿毛

登山者カウントセンサーを通過し、登山開始です。
登り始めからいきなりの丸太階段です。ゆっくりペースを心がけます。また、この山は蛇紋岩というとても滑りやすい岩で形成されているため、スリップには十分注意が必要です。

道端にはダイモンジソウ、ハナニガナなど良く見かける花がお出迎えです。
今日は日射が強く疲労を抑えるため、30分毎に休憩を入れて水分補給を怠らないようにします。

ダイモンジソウ

ハナニガナ

ジョウシュウオニアザミ?

レンゲツツジ

ヒオウギアヤメ

ウラジロヨウラク

登山口から50分ほどで森林限界を超え、後方に燧ケ岳と尾瀬ヶ原が望めるようになります。時折吹く風は気休め程度で、日陰が無い登りは暑さとの戦いとなりました。

足元に雪解け水の流れがあると、タオルに浸して首に巻きつけます。ヒンヤリして気持ちが良いです。少しの水溜りがあると、すくって顔を洗います。

そんなことをしながら黄土色の岩場を登っていきます。

森林限界から30分ほど登ると「登山口と山頂の中間地点」の標識を見て愕然とします。かなり歩いたつもりでしたが、まだ半分だなんて(^^;)
一方通行規制の登山道なので戻るという選択肢は無く、登り続けるしかありません。

夜行の寝不足に暑さが加わり、疲労感がピークに達しつつあると感じ、日陰はありませんが風が通るベンチに腰掛けて大休止をすることにします。いつも元気なyamahitsujiさんも、いつもとは勝手が違うみたいです。



チョコなどを口に含みエネルギー補給をします。yamahitsujiさんのご実家から贈られたという「とらやの抹茶羊羹」をいただきましたが、とても美味しく元気も沸いてきました。

この休憩で体内から活力が蘇ってきました。
エネルギー不足だったみたいです。
登るにつれて少しずつ雲が増えてきました。今まで登山をしていて、これほど雲が有難く、曇ってくれることを嬉しく思ったことはありません。

木道や木製階段が増えてきます。山頂に近づくにつれて木製階段が多かったという前回登山した時の記憶があり少し嬉しくなります。
登山道脇の花も増えたようで、撮影する余裕も出てきました。ハクサンコザクラ、ヒメシャクナゲ、貴重なオゼソウなどにも出会うことができました。

オゼソウ

ハクサンコザクラ

ミヤマキンバイ

ハクサンイチゲ

ヒメシャクナゲ

イワイチョウ(ピンボケ)

タカネシオガマのお花畑を過ぎ、木製階段を黙々と登っていきます。燧ケ岳が同じくらいの高さに見えます。残雪がある平ケ岳も見えます。

タカネシオガマ

ウスユキソウのお花畑の向こうに残雪が見えます。その場所へ行って顔を埋めたいなどと無茶な話をします。

ムラサキタカネアオヤギソウ

ホソバヒナウスユキソウ

ハクサンシャクナゲ

登りの傾斜が緩やかになると、登山道の前方に残雪を見つけました。当然、駆け寄り雪を掻いてタオルで包み首に巻きつけます。


冷たくて気持ちイイ~(^^♪とっても幸せな気持ちです。 yamahitsujiさんも嬉しそうです。頑張った人にだけくれる山の神様からのプレゼントです。

ジョウシュウアズマギク

イワシモツケ

アメリカフウロ

この辺りからキバナノコマノツメが目立ち始め、山頂が近づいたことを教えてくれます。


ツマトリソウ


イワカガミ

チングルマ

キバナノコマノツメ

登山者の話し声が聞こえてくると、いよいよ山頂に登りつきました。3時間35分の厳しい登りでした。yamahitsujiさんもよく頑張りました。本当に根性のある方です。


山頂には20人くらいの登山者が登頂の感慨にふけっています。大多数の方は、私たちとは違う鳩待峠から往復するコースを登ってきた方たちです。

オヤマザワ田代コースを登ってきた女性登山者から高天ケ原のお花畑の様子を聞かれました。
これは苦労して登った人にしか見られない特権なんですね。

雲が少し増えましたが、山頂からは360度が見渡せ、武尊山、皇海山、日光白根山、燧ケ岳、平ケ岳、巻機山や谷川岳などの名山が望めます。

また山頂にはトンボの大群が飛び回っています。 記念撮影を済ませ、お腹も空いたことなので早速昼食の準備をします。ザックの中から異臭が漂ってきます。ザック内に溢したオーデコロンとラーメン用に用意した長ネギの臭いが混ざって、得も言われぬ悪臭となっていました。ほかの用具にも臭いが移って取れず、大失態でした。

yamahitsujiさんは手馴れた様子でカップ麺を作っています。
食後にはyamahitsujiさんのコーヒーのご相伴にあずかりました。とても美味しいコーヒーでした。
山頂に1時間ほど滞在し、鳩待峠へ向けて下山することにします。

蛇紋岩の下りなので、スリップに注意です。雲がかなり増えてきました。西方の笠ケ岳方面には黒い雲も現れました。

ホソバツメクサ


この道には登りの時と違った植物が咲いています。ホソバツメクサ、タカネバラなど初めてお目にかかる花とも出会えます。

タカネバラ

ミヤマシオガマ

コケモモ

小至仏山との鞍部から登り返しがあります。 小至仏山に着くころにポツポツと雨が落ち始めました。 雨に濡らしてはいけない機材などはザックに入れてザックカバーをします。

私は、レインウエアを鳩待峠にデポしてしまったので、傘を差して歩くことにします。
yamahitsujiさんはしばらくはレインウエアを着ていましたが、大した雨ではないし暑いとのことで脱いでしまいました。


シナノキンバイ

雨に濡れて滑りが増した蛇紋岩の岩場を下り続けます。
小至仏山から30分ほどで、オヤマ沢田代に着きます。振り返ると小至仏山のピークが見下ろしています。

オヤマ沢田代は未だワタスゲが見られます。夏の花コバイケイソウも咲いています。この辺りから木道が増え、下りのスリップに注意です。

コバイケイソウ

ゴゼンタチバナ

ミツバオウレン

至仏山とお別れです

ゴゼンタチバナ、ミツバオウレン、マイヅルソウなどお約束の花々も迎えてくれます。至仏山が望める最後の場所で振り返り名残を惜しみます。

マイヅルソウ

しばらく進むと西方が開け、ピラミダルな笠ケ岳が望めます。
ここからは樹林帯に入り、ひたすら下ると鳩待峠に着きます。14時30分発のシャトルバスに乗れそうなので、忙しなく準備をして乗り込み尾瀬戸倉に向かいました。


今回の至仏山登山は、いろいろな意味で印象に残る山行となりました。
yamahitsujiさん!本当にお疲れ様でした(^^)v
同行ありがとうございました。

エンレイソウ


イワカガミ