八 幡 平

1,613m 岩手県・秋田県
2011年7月2日は ココ

2008年9月5日(金)  曇り
【メンバー】 妻 + 私

見返峠駐車場(11:28)→(12:05)八幡平山頂(12:09)→(12:13)ガマ沼(12:18)→(12:25)陵雲荘(12:42)→(13:05)源太森(13:25)→(13:49)見返峠 →(13:58)見返峠駐車場

【歩行時間 1時間44分】

八幡平は2年前にバスツアーで訪れたことがあったのですが、一面の霧に包まれて景色は全く見えず、まして自由時間も少なくて周囲を散策することもできずに、記念バッジを買って帰った思い出が残っているだけでした。
吉永小百合さんのコマーシャルで有名な東日本の「大人の休日倶楽部の会員パス」を利用して妻とともに再来しました。このパスはとってもお得なのでこの期間に東北方面を旅する50歳以上の方にはお勧めです。(注.私はJRとは何らの関係もありません。)

盛岡駅でレンタカーを借り、東北自動車道の松尾八幡平から八幡平アスピーテラインで八幡平山頂至近の見返峠へ向かいます。天気予報では曇り時々雨という悪いコンディションで、岩手山の勇姿は、霧に包まれて全く見ることができません。覚悟してはいたものの、晴れ男、晴れ女としては、雲が切れることを念じます。

アスピーテラインを走るころから、少しずつ雲が切れ始め薄日が差し始めました。眺望もすこしずつ回復してきました。見返峠の駐車場に着くころには、数キロ先までは見えるようになりましたが、やはり岩手山は望めません。

観光地なので重装備は必要ないとは思いましたが、一応登山靴を履き雨具、軽食と飲み物は持っていくことにします。岩手県と秋田県の県境である見返峠から石畳の緩やかな散策路を歩きます。

夏が終わった直後なので花も無く、かといって紅葉には早過ぎるので、歩きながらの楽しみは少ないですが、高原の新鮮な空気を吸いながら歩く心地よさは、都会では味わえない満足感があります。

直ぐに分岐となるので、時計回りに行こうということになり左の道をとります。鏡沼やめがね沼などを見ながら松毬を付けたオオシラビソ(アオモリトドマツ)の樹林の中をブラブラ歩きます。

散策路の脇には鏡沼やめがね沼などの沼があります。これらの沼は噴火口の跡に水が溜まってできたのだそうです。

オオシラビソの松笠が幾つも付いていました。

ナナカマドの実が真っ赤になっていたりアキアカネが大量に飛んでいたり、秋が近づいていることを感じます。

草木を探しながら歩いているうちに八幡平山頂に着きます。山頂には展望台が設けられていたので上ってみましたが、眺望はあまりよくありません。雲で遠方が見えないからでしょうか?

取りあえず記念撮影だけしてガマ沼の方へ向かいます。春にはお花畑になるだろうと思われるアザミの道を進むと正面にガマ沼が見えてきます。

ガマ沼は周囲500mほどの沼で、硫黄コロイドという物質が溶け込んでいるため、水は碧がかった青色をしています。少し進むと沼畔に建てられた木製のデッキが現れ、その先には八幡沼が見えてきます。デッキからは八幡平のほぼ全容が見渡せるので、何人かのハイカーが休憩をしています。

八幡沼の沼畔には避難小屋の陵雲荘が建っていて、雰囲気のあるロケーションです。 その向こうには八幡平で眺望が良いとされる源太森が見えます。

少しお腹も空いてきたので、避難小屋の近くのベンチで軽食を摂ることにします。私が食べたくて「大辛焼きそば入りパン」を持ってきたのですが、当然のこと辛くて大量の飲み物が欲しくなり、ハイクには適さない食べ物であることを悟ります。美味しいのですけど…。

一服してから避難小屋「陵雲荘」を見に行きます。 建てられて間が無いようでとても綺麗な小屋で、冬場には大活躍するのだと思います。

小屋の左側を回りこむように2本の木道を進みます。左側の湿原は草紅葉が始まっています。この辺りも季節にはお花畑になる場所ではないでしょうか?

所々に小さな池や流れがあって、泥炭層の地層がハッキリと露出している箇所も点在しています。駐車場への分岐を右に分けて木道が1本になると源太森への登りとなります。

登りと言っても極々僅かで、女教師に引率された中学生とすれ違いの挨拶をしているうちに直ぐに狭い山頂に着きます。
山頂には別のクラスの中学生達がそれぞれ楽しんでいます。

源太森山頂からはオオシラビソの樹海の向こうに八幡沼が見え、その先に八幡平山頂を望むことができます。
反対側には茶臼岳(1578m)を見ることができます。生憎とそれより先は雲に隠れて岩手山などの山々の姿は望むことはできませんでした。

中学生たちが去り二人で山頂を占領していると、女性の単独行のハイカーが登ってきました。聞くと鎌倉市から「大人の休日倶楽部パス」を利用してきたそうで同郷の親近感を覚えます。余り長居もしていられないので、明日の岩手山での再会を約して源太森を後にします。
下りきったところで後方のご夫婦と思われる男女から駐車場への道を尋ねられたのでお教えし、合わせて源太森山頂へ行くことをお勧めしたら、お二人して登って行かれました。八幡平へ来て源太森山頂からの眺望を見ない手はないので良かったと思います。

分岐まで戻り駐車場の方向へ左折します。 この先も八幡沼を回り込むようにして木道が続きます。八幡沼の対岸を数人の団体が歩いているのが見えます。
ほんの僅かに登ると左側が開け、アスピーテライン上の肩を歩くようになります。残念ながら未だ岩手山は見えませんが、ここからの眺望も悪くありません。

少し進むと立派なトイレ小屋に着き、ここが古来からの見返峠のようです。この峠にはここから望める峰峯の名前が書かれた看板が設けられています。実写の代わりにこの看板の絵を撮影します。
踏み段の長い階段を下るときに数人の方とすれ違いました。皆さんとっても軽装です。結局、足場の悪いところがどこにも無く、街の公園の散策路を歩いたという感じで見返峠駐車場に戻ってきました。

ビジターセンターでお土産を物色して駐車場に戻ると、岩手山が雲間からその姿を見せていました。最後にその勇姿の大半を見ることができたことはとても幸運でした。晴れ男、晴れ女のパワーが証明されました。
ここからアスピーテラインを秋田県側に下り日本の名湯「玉川温泉」で汗を流してから、今日の宿である網張温泉へ向かいました。