大雪山 (旭 岳)
3,776m 神奈川県
2019年9月17日の大雪山旭岳遊歩道は
ココ
姿見駅(9:17)→ 大雪の鐘 → 旭岳 →(往路を戻る)→(13:48)姿見駅
【行動時間 4時間31分】
2019年9月17日訪問時の旭岳です
大雪山は、その名の山はありません。北海道の中央に位置する大雪山国立公園は、神奈川県ほどの広大な面積を有していますが、一般的に「大雪山」というと北海道最高峰で大雪山系の主峰、旭岳や黒岳などが存する一帯を指して呼ばれているようです。北海道の山は、緯度の関係から、標高2000m弱の山でも本州の3000m級の山と同じくらいの環境の厳しさがあると言われています。北海道の強風は半端な強さではなく、ひとたび荒れると夏場でも生命の危険に晒されることがあります。2009年7月16日のトムラウシにおける遭難事故は未だ記憶に鮮明に残っています。
今日は、朝から天候は不順で登山口の旭岳ロープウェー山麓駅に着くころには霧が立ち込めていました。
ロープウェーで山麓駅から姿見駅まで登ると霧も濃くなり、更には風も強くなっています。
地元ガイドのichimoriさんから「この様子では9合2勺付近では突風が吹いているので、場合によっては登頂を断念する」と告げられました。
少しずつ天候は回復傾向にあるようですが、仕方がないことです。でも、地元のガイドさんでなければ既にこの時点で登山中止にしていたことでしょう。この地を熟知した地元ガイドさんならではの決断です。
霧の中を気を重くしながら歩き始めます。周辺は平原のようですが霧でよく見えません。10分ほどで大雪の鐘が設置された展望所に着きます。幸せになりたい人は、この鐘を突くと願いが叶うみたいです。近くには旭岳石室(避難小屋)が建っています。
ここからは少しザレた稜線上を歩くことになります。雨で湿っているため予想以上にステップが利きます。
左側には火口がある筈ですが、強風に乗って吹き付ける霧で全くそれらしい姿は見えません。硫黄臭がするので、噴火口の近くであることはやはり分かります。
吹き付ける風は容赦がありません。2009年夏のトムラウシの遭難事故を思い出します。北海道では夏とはいえ、天候が荒れると半端でない強風が吹き荒れます。
下山してきた数組の登山者は、九合目からは余りの強風で先に進めず、引き返してきたと言います。多少、天候が回復傾向にあるとはいえ、やはり断念もあると覚悟を決めます。
何度か休憩をしますが、立ち止まっていると体が急激に冷えてきて寒さを感じます。
この暴風雨に長時間さらされていたら、かなり体力を消耗するでしょう。
九合目の標識を過ぎ、山頂へ向います。
地元ガイドのichimoriさんによると九合目二勺付近の稜線が風の通り道で、一番風が強い難所だと教えられます。そこを通過できるかで山頂に立てるか決まるようです。
いよいよ強風の稜線を登ります。歩幅を狭く、左からの突風に耐えながら、ストックを支えにし態勢を低くして一歩ずつ着実に進みます。もの凄い風です。80kg近くある私の体が吹き飛ばされそうになります。皆も足を踏ん張り懸命に進んでいます。これまでに体験したことがない強風です。
その数十メートルの稜線を過ぎるとそれまでの突風は収まり、少しで山頂の一角に到着します。
山頂は、かなり広く思っていたよりも風は強くありません。
みんな順番に記念撮影をします。
霧の中なので、周囲は全くみえません。
長居しても体が冷えるだけなので、全員が記念撮影を済ますとさっさと下山することになりました。
でも、あの突風の中、山頂に立てたことが嬉しく、また同じ場所を通過することを気にかけて歩き始めます。
下りでは、突風も経験済みであったため、登りほどの驚きはありませんでした。
メンバーの中には、突風にザックカバーや頭に巻いていた特製タオルを飛ばされた人がいましたが、けが人も無く無事に通過することができました。
良かった (^^)
霧の中の往路を戻り、旭岳石室(避難小屋)で休憩をとりました。ここまで下ればもう安心です。メンバーのみんなにも安堵の顔に戻りました。
再び幸せの鐘に立ち寄り、鐘を突いて幸せを祈るとともに、無事の下山を喜びます。
姿見駅が近づいてくると少し霧も晴れてきて、周囲の草原の様子を見ることができました。
チングルマの綿毛が一面を埋め尽くしており、花の最盛期には素晴らしいお花畑になると思います。
姿見駅で昼食を摂る間、山頂が見えないか粘りましたが、最後まで顔を見せることはありませんでした。
下りのロープウェーからは、この山の周辺だけに雲が掛かっている様子がはっきりと確認できました。クヤシイデス。
また来いということでしょうか?