高千穂峰
1,574m 宮崎県
高千穂河原駐車場(11:10)→(11:20)旧霧島神宮跡地→(12:07)御鉢(12:15)→(12:30)鞍部→(12:55)高千穂峰山頂(13:25)→(13:33)鞍部→(13:43)御鉢(13:52)→(14:20)高千穂河原駐車場
【行動時間:3時間10分】
韓国岳から遠望する高千穂峰です
昨年登った韓国岳から見えた高千穂峰が印象深く、友人達と再来した鹿児島旅行の間隙を縫って高千穂峰に登りました。鹿児島空港から登山口の高千穂河原までは、友人運転のレンタカーで運んでもらいます。
妻も同行していましたが、霧が掛かって今にも空が泣き出しそうな天候と、日頃の疲れと重なり気乗りがしないようで友人らと霧島周辺観光に行くことにし、いつものように私だけの単独登山となりました。
往復3時間程度の山なので、ウエストポーチに昼のおむすび1個とペットボトル1本の軽装で登ることにします。
登山口まで送ってくれた友人たちと妻です
友人達に下山予定時刻を告げ、高千穂河原有料駐車場をあとに、噴火のため遷座された霧島神宮の跡地方面へ向かいます。霧島神宮跡地の右側から雑木林の中に造られた石畳の遊歩道を進んでいきます。狭い機内と狭い車内に長時間座っていたせいか足取りが重いです。
いや、これは体重が増えたことと運動不足が原因のようです。
霧島神宮跡地です
高千穂峰へ登山開始です
石畳が終わると、赤褐色の火山礫のガレ場が続きます。火山礫のために道筋が踏み固まらないようで踏み跡が薄く、足を下ろす場所がなかなか定まりません。
これから向かう御鉢の南東側は有毒ガスが発生する危険地域で、立ち入りが禁止されているようなので、そこに迷い込まないように注意深く方向を確認しますが、進むにつれて霧が濃くなってきて10m先くらいしか見えません。
石畳を歩きます
尾根道は展望が良い反面、風当りも強く、霧が雨のように顔に当たり眼鏡が曇って一層見難くなります。
至仏山の暴風雨での体験が頭を過ぎります。
その時に比べればそれほどのことではないのですが、下界はあんなに晴れていたのにどうしてここだけ濃霧なのか天気の神を恨みます。
赤茶けた火山礫の道です
御鉢の縁に登りつく直前で下山してくる男性二人連れと会釈だけしてすれ違いました。
今日、初めて会った登山者です。一人で霧の中を登っていく私を見て何故と言わんばかりの怪訝そうな顔をしていました。私だって濃霧の中を好んで歩いているわけではないのです。九州には度々来られないので、日程の都合で仕方ないと自分を慰めます。
御鉢の縁に登り付いて小休止し、馬ノ背越を北方向へ進みます。風は相変わらず強く、霧がどんどん沸いてきます。
赤い実はコケモモでしょうか??
当然、御鉢の底も見えません。周囲は霧まみれです。道標を見落とさないように注意深く進みます。高千穂峰には少し下り、鞍部の平坦地にはケルンが積まれていました。
最後の火山礫の急斜面を登ります。土留めの丸太も地盤が不安定なため、そのほとんどが崩壊しています。ここの登山道整備の困難さが想像できます。
不安定な足場でステップが利かず、一歩ずつの疲労が大きいです。景色も無くひたすら歩を進めます。
鞍部にケルンと道標がありました
傾斜が緩くなって山頂に人影が見えました。5人組のパーティが食事をしています。
「こんにちは」と挨拶しましたが何の返答もありませんでした。
霧に囲まれた山頂を一回りしてみます。
※後に知りましたが、ご神体の坂鉾を撮影してはいけなかったようです。ガスでぼやけているので許してくださったみたいです。
山頂の逆鉾です
立派な方位版です
立派な方位板がありましたが山座同定もできません。
おむすびを食べながら、下山口まで迎えにきてもらうため総理に下山予定時刻の連絡をします。
登山中は電波が入りませんでしたが山頂はバリ3です。
お昼寝でしょうか? 少々お疲れのようで・・・
食事中に、5人組は霧島東神社方面へ下山していきました。山頂は私一人が占有することになり、好きなように記念撮影をします。
待っても霧が晴れそうにないので下山することにします。
下山では光線の具合か登山道の踏み跡が見えやすいです。ダブルストックでスキーのように滑りながら下ります。
今までにこれほどストックの有難さを感じたことはありません。快調に下ります。馬ノ背越の岩場で白っぽいヘビを見つけました。草も少ないこんなところで良く生きていけると感心します。
御鉢の縁から下り始めると、急に霧が晴れてきました。御鉢南側の危険地帯の登山道が見え隠れします。急いで縁まで駆け上がります。カメラを向けシャッターを切ります。すり鉢の斜面の噴気孔から蒸気が上がっているのが見えます。御鉢の底も見えますが、エメラルド色の水は溜まっていませんでした。
高千穂峰山頂や韓国岳方面は相変わらず霧に包まれていて見えません。
御鉢が見えましたが、水溜りはありません
10分ほど霧が晴れるのを待ちますが再び霧が増えてきました。天気の神様のチョッピリサービスだったようです。 ここで余分な時間を取ったので下山口で待つ友人たちの許へ急ぎます。火山礫の上を滑るように下ります。 来年に登る計画をしている富士山の登山道も似たようなものかと想像すると嫌な感じがします。登りの時には見えなかった海が一瞬見えました。晴れた時の眺望の良さが想像できます。
樹林を抜け霧島神社跡地に着くと友人らが迎えに来てくれていました。
皆と合流してビジターセンターで記念バッジを購入後、霧島温泉に案内してもらいます。ありがたい友人達です。
今回は山を楽しめないで、義務感で登った消化試合のような山行でした。
下界は晴れているみたいです