祖 母 山
1,756m 大分県・宮崎県
北谷登山口(9:30)→(10:35)千間平(10:38)→(11:28)国観峠→(12:05)Q合目小屋(12:35)→(12:50)祖母山山頂(12:58)→(13:16)9合目小屋分岐 →(14:04)千間平(14:10)→(14:51)北谷登山口
【歩行時間 4時間34分】
祖母山は、大分県と宮崎県にまたがる山岳地帯の最高峰で、この一帯は祖母傾国定公園に指定されています。近くには景勝地として有名な高千穂峡や藤河内渓谷(ふじがわちけいこく)などがあります。祖母山は火山活動によって形成されたため、鉱物資源が豊富で江戸時代から昭和の中期まで採掘が行われていたようです。
今日は、祖母山のいくつかある登山ルートのうち一番安直な北谷登山口からの「千間平コース」を妻と二人で登ります。
県道を左折し、登山口へ続く林道入口の目印となる五ヶ所小学校の前を通過し約7kmを走ります。林道は一部舗装のところもありますが凸凹のダートもあり、先行するタクシーも慎重に走ります。
終点の北谷登山口の駐車場は既に満車で、仕方が無いので来た林道を戻ったところのスペースに車を止めて登山口まで歩きます。
北谷登山口の駐車場には東屋とトイレが設置されています。先着していた登山ツアーのご一行が「風穴コース」へ向かうのを確認して、私たちは「千間平コース」を登り始めます。
このコースは林の中の緩やかな傾斜の登山道をひたすら登ります。
時折、流れる冷風がとても心地よく感じられます。都会の空気とは全く違う味わいです。
1合目毎に立派な標柱が建ち目安になります。(この標柱は、登山口からカウントされ水平距離0.53㎞ごとに建てられています)
2合目を過ぎるとパイプから水を勢い良く吹き出している水場に着きます。少し口に含むと冷たくて美味しい水でした。
3合目を過ぎ、潅木と笹の道に変わると間もなく小広い「千間平」に着きます。地名から受ける印象では開けたところのように思っていましたが、樹木に囲まれていて眺望はききません。
少し左に戻るように高台へ行くと三角点があり、眺望がききそうなところでしたが、霧のため残念ながら何も見えませんでした。千間平に戻って水分補給だけして先に進みます。
ここからは少し下り気味のぬかるんだ道を歩くことになります。一昨日が大雨だったと聞いていましたので覚悟はしていましたが妻は膨れっ面です。妻はドロンコ道が大嫌いなのです。
間もなく「三県境」という大分県、熊本県、宮崎県の三県が接する点に着きます。数秒の間に三つの県を行ったり来たりして遊んだ後に再び歩き始めます。
7合目を過ぎて10分ほど歩くと視界が開け広場になっている国観峠に出ます。ここで始めて祖母山の姿を見ることができました。国観峠は神原登山口の分岐点となっています。登山者が一人休息をとっていましたが私たちはそのまま歩き続けます。
今日の登山道はアップダウンも少なくあまり疲れも感じません。8合目を過ぎる辺りから、少し傾斜が急になりますが、息があがるようなことはありません。
9合目標柱の手前の分岐で、山バッジを買いに「Q合目小屋」へ寄ってから山頂を目指すことにし、標識に従って右側の道を選択します。
結果としては、先で更に分岐となり標識に従い左へ進むと先ほどの左側の道と合流することになります。
何か解せない気持ちを抑えて「Q合目小屋」へ向かいます。
山腹をトラバースするような道を僅かで小屋に着きます。
目的の一つである山バッジを買いに小屋の中に入ると何と「不在」の表示!ガッカリ。バッジを販売していることをネットで確認して登ってきたのに「不在」とは何たることでしょう。
昼になるので食事でもして少し待ってみることにします。小屋には二人の登山者が食事をしていました。近くで食事を始めると、この山口県在住のお二人から声を掛けられ登山話に花が咲きます。どうやら日本百名山完登を目指しているようで、お住まいの山口県からは日本アルプスが遠くて中々登頂数を増やせないと嘆いておられました。お二人が出発してから直ぐにご家族連れが小屋に到着しました。休むスペースも少ないので席を譲ることにして、山頂を目指すことにします。結局、小屋番は現れませんでした。甲武信岳小屋では小屋番が不在でもバッジを買えることができたことを思い出します。
山腹を巻くように付けられた道を行くと多数の木が立ち枯れているところに出ます。
この一帯だけ何かがあったように木々が白骨化しています。どうしたのでしょうか?
男女ペアの下山者とすれ違い、ぬかるんだ道を登ると本来の千間平コースと合流します。岩の表面を水が流れる少し急な道を登り、風穴コースと合流するとまもなく山頂に飛び出します。
山頂は小広く、祠と方位板が置かれています。雲のため視界はまったくありません。先に北谷登山口を出発した「風穴コース」を登ってきたツアーの皆さんも着いたばかりのようで、記念撮影をしています。
ツアーの皆さんの撮影が終わって、私たちも証拠写真をツアーのメンバーの方に撮っていただきました。
別のツアーも到着し山頂も混雑してきたので、喧騒が嫌いな私たちは下山することにします。
帰りは、九合目小屋へは寄らないで、直接国観峠への道を下ることにします。
この道はぬかるんでいたり、荒れていてとても歩にくい道でした。それでも時間的には早く九合目標柱の分岐まで下ることができました。
その後は、往路を下りましたが、登りの時よりも道が乾いていて歩きやすくなっています。千間平で水分補給の立ち休みを取っただけで、一気に下りました。
登っているときには気がつかなかったのですが、祖母山の山頂がわずかに頭を見せ「さよなら」を言っているように感じました。
北谷登山口には3時前に着くことができました。
これから、山バッジを売っているところを探しながら、日本百名城の「岡城跡」へ向けて車を走らせます。
日本一の水路橋「明正井路」
【追記】
岡城跡への途中、日本一の水路橋である「明正井路」や竹田湧水群の「河宇田湧水」などを偶然、見学することができました。岡城跡に着いたのが閉館間際の4時50分で見学することはかないませんでしたが、売店の方から緒方に行けば山バッジがあるかもしれないという情報をいただき、道の駅「原尻の滝」へ車を向けます。お陰で道の駅「原尻の滝」で山バッジを買うことができ、ご機嫌で次の宿泊地「別府」へ向かいました。
竹田湧水群「泉水湧水」
竹田湧水群「河宇田湧水」