大 山
1,729m 鳥取県
土産物店(10:00)→(10:11)夏山登山口 →(11:21)五合目(11:35)→(11:48)六合目(12:00)→(13:16)弥山山頂(13:46)→(14:47)行者コース分岐 →(15:06)元谷(15:14)→(15:36)大神山神社奥宮(15:40)→(15:57)大山寺 →(16:07)土産物店
【歩行時間 4時間59分】
地蔵埼から美保湾を挟んで大山
鳥取県の大山(だいせん)へ妻と登ってきました。大山は中国地方の最高峰で、古代より霊山として信仰を集め山麓に大山寺、大神山神社などの立派な社寺仏閣が建ち、隆盛を極めていたことが伺われます。
大山情報館
大山寺入口の駐車場に近い土産物屋さんで、お店の方によると大きめだという「おむすび2個入のお弁当(600円)」を2セットと水3ℓを買い求めました。この時、少し高めなお弁当だと思いました。
閑散とした参道
参道を歩き始めますが金曜日のためか、また世間の信仰心が薄らいできたためか参道を歩く人も少なく寂れたような感じがします。直ぐに参道を右折すると左に開店したばかりの「モンベル」の店がありました。余計なお世話ですがこの場所で商売になるのでしょうか?
登山口近くの駐車場
車道に出て佐陀川に架かる橋を渡りきると左側に駐車場があり、登山届けのポストが設置されています。その前を通り過ぎて行くと少しで左に道標があり大山への登り口の階段が現れます。
夏山登山道
暫くは大山寺境内の参道の石の階段を歩きます。右に阿弥陀堂への道を分け、次第に山道らしくなってきますが、角材で土止めされた階段はとても歩きやすく作られています。
境内の中の登山道
標柱が1合目ごとに立っていて目安になります。今日の天気は晴れでほとんど風が無く、平地では気温34度になる予報です。
境内の中の登山道
この道は木陰を歩くので夏山登山道と名付けられているのでしょうが、風が無いのでとても暑く先が思いやられます。
三合目あたりから次第に段差が厳しくなってきます。1合目ごとに立ち休みして水をがぶ飲みします。時折吹く風が体をシャキッとさせてくれますが、その一瞬だけで長続きしません。
一合目の標識
五合目に着き、時刻も11時を回り小腹も空いてきたので、休憩を取ってお弁当を食べることにします。
お弁当の蓋を開けて驚きます。コンビニおむすびの4倍くらいはありそうなしっかり握られた「大おむすび」が2個と、漬物が添えられたボリューム満点のお弁当です。
大きなおむすびのお弁当
お饅頭や入浴半額券も入っています。これで600円は決して高くはありません。一人でおむすび1個は多すぎるので妻と半分ずつ食べることにします。少し塩味が強めの美味しいおむすびです。
父子連れが到着
腹ごしらえを済ませたころ、3合目付近で追い抜いた父子の二人連れが到着します。
聞くと小学校2年生とのことで、カブスカウト年代が大好きな妻はすっかり母親の顔になっています。
六合目避難小屋
再び歩き始めます。ブナ林の中は視界も利かずこの季節に咲く花も少なく楽しくありません。元谷への分岐を過ぎ、前方から話し声が聞こえてくると避難小屋のある六合目に着きます。
崩壊が進む斜面
ここからは大山剣ケ峰から三鈷峰への稜線が望めます。北斜面は崩壊が進み痛々しい限りです。
派手なピンク色のシモツケソウがそちらこちらで咲いています。ここで小休止をしてこれからの急登に備えます。
シモツケソウ
ガレ場の急坂を一歩ずつ進みます。林の中とは違い、時折涼風が吹き出る汗を冷やしてくれます。ガクアジサイやクガイソウの青紫の花が目立つようになります。
クガイソウの群落
四合目辺りですれ違った男性から「良い時期に来たね。シコクフウロが満開だよ」と教えられていたので楽しみにしています。
最初に出会ったシコクフウロ
シコクフウロを一輪見つけました。思わずカメラを向けていると下山してくる登山者に「山頂は満開よ」と教えられ先を急ぐことにします。
木道を歩く
急坂でも花を見ながら登っていると意識が花に行くので不思議と苦しさを忘れてしまいます。ガレ場を登りきると風が心地よい木道に変わります。いつしか国の特別天然記念物であるダイセンキャラボクの純林の中を歩くようになります。
シコクフウロの群落
木々の間からシコクフウロ、クガイソウ、ガクアジサイなどの草花が咲き競い正にお花畑です。
夢中でシャッターを切ります。
前方に頂上避難小屋が見え山頂はもう間近になりました。山バッジを買おうと小屋に入りましたが、おむすびを買ったお土産店で同じものが安く売っていたのを思い出し止めておきます。オリジナルを置けば買うのにな~。
山頂には中学生くらいの団体が休憩しています。どうやら学習塾の先生と生徒さんのようです。そういえば四合目辺りで追い抜いた女学生さんはこの団体の一員かもしれません。無事に登頂できるといいのですが。
この山頂は「弥山(みせん)」といって最高地点ではありません。最高峰の剣が峰(1729m)へは崩壊が激しく危険なため立入り禁止となっていて、弥山(1710m)を大山の山頂としています。剣が峰までのラクダの背といわれる吊尾根を分水嶺にして両方の斜面の崩壊が続いているようです。
剣ケ峰までの稜線(ラクダの背)
記念撮影を済ませて昼食にします。大きなおむすびを頬張ります。二人で2個を食べるのがやっとで、結局1個はお持ち帰りとなりました。食休みを済ませてから下山することにします。
木道を快調に下ります。ガレ場になるまでは、時々しゃがみこんで一眼レフで花の撮影をします。
コンデジよりもフォーカスが優れているので撮影が楽です。
普段から妻の下りは超特急なのですが、ガレ場は苦手なので慎重に下っています。私も慎重に足を降ろすのですが、それでもスリップしそうになるので気が抜けません。無事にガレ場を抜け六合目避難小屋に着きます。
水を一口飲んで、休まずにこのまま下ることにします。少しで行者コースの分岐です。先に行ってもらったご夫妻が分岐のところでどちらのコースへ行くか思案しています。私たちが行者コースに決めていることを告げると、決心がついたらしく同じコースを行くようです。
私たちよりも健脚のようなので先に行ってもらいます。丸太の急階段を下り始めると空気が変わったことを感じます。稜線の暑さとは違い少し涼しく感じます。この道は修験者が修行のために歩くコースらしく良く整備されていますが、登りで使うとかなりハードだと思います。
林間の急斜面の階段や木道をひたすら下ります。右に元谷避難小屋への案内板を過ぎると水が流れていない元谷に出ます。先行していたご夫妻が休憩しています。
元谷は佐陀川の上流、大山北壁の下に位置します。ここまでくれば時間が読めるので、突堤付近の大石に腰掛けて大山北壁を眺めながら休憩します。大山北壁は霧に包まれて見通すことはできませんでしたが、なんとなく勇姿は想像できました。
暫くぼんやりしてから、大山寺に向けて歩き始めます。突堤を渡ると林道に出ましたが通行止めなので登山道を左に下っていきます。
鬱蒼とした林の中を進むと左側から川の流れの音が聞こえてきます。
更に進むと大木が林立する中を歩き、それを過ぎると大神山神社奥宮の境内に出ます。
重要文化財に指定されているとても立派な味わいのある建物です。洗面所で顔を洗わせていただき、奥宮を後にします。
日本一長い自然石の石畳
奥宮からは、苔で滑りやすくなった「日本一長い自然石の道」を下っていきます。こんなに素晴らしい奥宮があるのに、参拝者が誰一人として居ないのは、この長い参道を歩かなければならないからでしょう。
無明の橋
長い石畳が終わるころに「無明の橋」を渡ります。1mほどの小さな橋ですが、この橋の裏には金剛経が刻んであり、この橋を渡ると一切の罪障が消滅するといわれています。
大山寺の三門
その直ぐ先の左手に大山寺へ上る階段が付いています。見学するか迷いましたが、早く汗を洗い流してビールを飲みたいので、立ち寄らずに参道を駐車場に向かいます。
閑散とした大山寺の参道
駐車場に着くまで数人の方と出会いましたが、観光客らしい方は見かけませんでした。今朝、立ち寄った土産物屋さんで山バッジを買って宿泊先の松江に向かいました。
汗をたっぷり掻いた一日でした。