大 峰 山
1,914.6m(八経ケ岳) 奈良県
行者環トンネル登山口(7:05)→(8:01)大峯奥駈道出会 →(8:22)弁天の森 →(8:48)聖宝の宿跡(9:00)→(9:54)弥山小屋(10:08)→(10:36)八経ケ岳(10:52)→(11:13)弥山小屋→(11:18)弥山(11:35)→(11:38)弥山小屋・国見八方睨(11:50)→(13:42)行者環トンネル登山口
【歩行時間 5時間26分】
大峰山はその名の付いた山は無く、奈良県の南部を南北に走る大峰山脈の総称です。その代表は山上ケ岳と言われていますが、「女人結界」として女性の入山が禁止されています。そのせいか多くのガイドブックでは大峰山脈最高峰の「八経ケ岳(八剣山)」が案内されています。宗教を深く知らない私には「女人結界」の真意は分からないので、その山はパスすることにして、一般的な「弥山(みせん)・八経ケ岳」を大峰山と見做して登ることにします。
宿泊した天理市からレンタカーで国道24号~169号~309号線と走り、登山口の「行者還トンネル西口」まで約2時間で着きます。三連休の中日のためか既に駐車場は満車状態で、わずかなスペースを見つけて駐車します。(軽で良かった)
この周辺は紅葉が見頃を迎えています。今年初めて見る紅葉に何だか心が躍ります。
うろこ雲が強い風に流されています。
入念にストレッチをして登山届けポストのある登山口から沢沿いに登り始めます。
直ぐに沢に架かる木製の橋を渡ると、ブナやコナラなどが黄葉する潅木帯の中をいきなりの急登が始まります。
昨晩の寝不足で足取りが重いので、ゆっくり歩くことにします。多くの登山者に追い抜かれます。
登山口から50分ほどで何かの山頂が見えてくると大峯奥駈道出会の尾根道に出ます。
数人の登山者が休んでいましたが、私はもう少し先まで歩くことにします。
確かここから弥山までは緩やかなアップダウンが続くとガイドブックにあったと思います。
後方には特徴のある山容の大普賢岳が見るようになります。
そこから10分ほどで「石休ノ宿跡」という大きな岩の塊の脇を通過します。
さらに10分ほど進んでいくと「弁天の森」があり、その少し先で雲間から八経ケ岳のピークが顔を出します。
弥山は雲に隠れて見ることが出来ません。
岩木山登山の時のように、山頂だけ雲に隠れてしまうのでしょうか?
再び歩き始めると僅かで「聖宝の宿跡」に着きます。
ここには修験者像が置かれていて登山者が休んでいます。
私もここで休憩することにします。
「弥山小屋までゆっくりあるいて1時間」と看板に書かれています。予定よりも少し早く弥山に着きそうです。15分ほど休憩して再び弥山山頂を目指して歩き始めます。
ここからは少し岩が混ざる道を電光型に登っていきます。大普賢岳などの山々がぐんぐん見えてきます。
木製の階段を登り尾根筋に出たところは開けていて数人の登山者がその眺望を楽しんでいます。私も息を整えるために景色をカメラに収め、再び登り始めます。
鉄製の梯子を登り少しして前方に建物が見えてくると弥山小屋に着きます。小屋の前には「弥山」の大きな看板が建てられています。
すっかり山頂だと思い込んでいたのですが、実はここが山頂ではなく鳥居を潜って神社が建つところまで登らなければならなかったようです。(後でわかります)
小屋前には多くの登山者が寛いでいます。私は小腹が空いていたので小屋の前のテーブルでとりあえずお結びとクリームパンを食べ、水をがぶ飲みします。
山バッジを買おうと小屋の中を覗いてみましたが人の気配がしません。呼び鈴を押すまでもないと思い、八経ケ岳からの帰りにまた寄ることにして八経ケ岳へ向かいます。
八経ケ岳まではガレ気味の道を鞍部まで下り登り返さなければなりません。
下り始めて直ぐに目前に八経ケ岳が正面に見えます。あまり高低差はなさそうなので一安心です。
山頂直下は急坂で、これを登りきると八経ケ岳に着きます。狭い山頂には10数人の登山者が思い思いに時を過ごしています。
地面に刺された金剛杖や石碑が修験道の山であることを感じさせます。
樹林に遮られた北西側の眺望を除けば眺望は優れています。
弥山方面を見たときに弥山小屋の建つところより左手の場所の方が標高が高く見えます。先ほど寄ったのは弥山山頂ではなかったと疑問が湧いてきます。
地図も持たずに登ってきたので、記憶を呼び起こしてみますがハッキリしません。もう一度弥山に戻るので確認することにします。
展望を十分に楽しんでから八経ケ岳を後にします。
弥山小屋の前を左に進むと「弥山山頂→」の看板があり、鳥居を潜って僅かに登ると弥山神社があります。神社が建っているところが山頂だったようです。
念のために神社の裏へ回ってみましたが、標柱などは見当たりませんでした。
時間的に余裕が出来たので神社の境内に置かれたベンチで少し休みます。
神社にお参りにくる登山者たちをぼんやりと眺めながら日向ぼっこをして過ごします。
今日は下山後に大台ケ原の大台荘まで車を走らせなければならないので、自分に活を入れて動き始めます。
弥山小屋で山バッジを買い、国見八方睨で最後の眺望を楽しんで往路を下山しました。
登山口近くの紅葉は朝とは違い、午後の陽を浴びて綺麗な色合いを披露してくれました。
人だかりのするところへ近づいてみると、始めてみる紫色の実が生っていました。
これは「紫式部」という木だと教えていただきました。
世間には色々な分野の先生が居るもので、何時も感心させられます。
紅葉に送られて、行者還トンネルを後にしました。