荒 島 岳

1,523m  福井県

2011年5月14日(土)  曇り時々晴れ
【メンバー】 クラブアルプスメンバー

中出コース登山口手前転回広場(5:05)→(5:27)中出コース登山口(5:32)→(5:47)休憩(5:52)→(6:15)休憩(6:23)→(7:29)小荒島岳(7:40)→(8:03)シャクナゲ平(8:10)→(8:50)休憩(8:55)→(9:19)荒島岳山頂(9:55)→(10:40)シャクナゲ平(10:50)→(11:19)休憩(11:26)→(12:03)荒島岳登山口/勝原スキー場リフト最高所(12:11)→(12:41)勝原スキー場駐車場

【行動時間:7時間36分 歩行時間:5時間54分】



山から雪が消え始め、夏山シーズンがいよいよ始まりました。日本百名山の登頂も足踏み状態が続いていましたが、今年は手始めにクラブアルプスのメンバーとともに福井県の荒島岳を登ってきました。
荒島岳は、福井県大野市にある山で、別名大野富士と呼ばれています。白山と同じ泰澄が開山したと伝えられていて山頂には荒島神社が祀られています。
日本百名山の著者深田久弥氏が歩いたという小荒島岳を経由する「中出コース」のミニ縦走は、自家用車でのピストン登山では叶わないツアーならではのコースでしたので、夜行日帰りの強行スケジュールではありましたが楽しみにしていました。

ストレッチを済ませ、5時5分に転回広場を出発します。小型車なら走れるような石がゴロゴロする林道を歩きます。

リーダーのOさんから花が沢山見られると聞いていましたので、とても楽しみにしています。道端にはカキドオシやタチツボスミレが咲いています。

20分ほどで中出コース登山口に着きます。ここから山道に入ります。

登山道はいきなりの急坂で、夜行の睡眠不足には応えます。雪の重みに耐えられず、倒れた木が道を塞ぎます。

潅木帯の中のところどころ傾斜がきつい道です。でも滑るようなことは無く歩きやすいです。

一寸一休みです。ブナの新緑がとても綺麗です。初夏だな~って感じです。

ブナの林の中を穏やかに登り、「おおこば展望台」というプレートの脇を通過します。どうして展望台なのかは不明です。

荒島岳まで3.3kmの標識を過ぎると、イワウチワが咲く群落に出会いました。ピンクの花の濃淡が違うのは、太陽の当たり方によるのでしょうか?

ブナ林を更に進むと荒島岳と小荒島岳のピークが右側の樹間から望めました。

「ひえ畑」というところで休憩します。小荒島岳が近くに見えます。

「ひえ畑」を出て小荒島岳の登りに掛かります。現在、7時過ぎです。朝の日も高くなってきました。

登山道に雪の残ったところもありますが、この時期の雪は腐っているので、踏み抜きに注意が必要です。

傾斜がやや厳しい箇所もあります。呼吸を整えます。

小荒島岳へは、荒島岳への道から分かれて左に登っていきます。

小荒島岳の山頂に着きます。荒島岳が一望できます。ガイドブックだけでしか見たことがなかった荒島岳が目の前に聳えています。

小荒島岳の山頂は小広く、360度が見渡せます。吹きつける風は冷たくウインドブレーカーを羽織ります。

白山方面の山並が見えますが、白山は雲の中でした。明け方の天気からは期待していただけにとても残念です。

この様子では、今日中に晴れ渡ることはなさそうです。南西側に残雪の「能郷白山」や「銀杏峯」が見えます。

眼下には真名川ダムも望めます。

先ほどの分岐へ戻り、シャクナゲ平に向かいます。シャクナゲ平は、予想に反してシャクナゲの木は余り見かけませんでした。

シャクナゲ平からは一旦少し下ります。直ぐに佐開コースの分岐を通過します。

ここから「もちが壁」と言われる急斜面の登りになります。残雪のところはキックステップで登ります。

丸太で土留めされた階段状のところもあります。鎖が張ってあるのは、冬場のためでしょうか?

振り返ると小荒島岳がかなり低く見えます。この登りで高度はかなり稼いだようです。

山頂が望める稜線上で休憩です。もう少しで山頂に着きます。

山頂付近には、残雪が目立ちます。緩斜面だと高をくくっていましたが、雪庇状の上を登らなければならない箇所もあり、最後に苦労させられます。

祠が見えてくると荒島岳の山頂です。歩き始めて4時間14分でした。山頂には、まだかなりの量の雪が残っています。

登山者の皆さんは、一等三角点の近くに設置された標柱をバックに記念撮影をしています。

一緒に登ったucla帽の記念撮影をします。

荒島神社の社の後方には能郷白山が望めます。

やはり白山は望むことは叶いませんでした。

大野市の市街地が一望できます。この荒島岳も大野市に含まれています。大野市には、福井県の全面積の5分の1を占める県下一の都市で、市街地は城下町の風情を残した「越前の小京都」として知られています。

山頂は流石に涼しく(寒く)、長居してられないので、出発時刻を繰り上げて下山することになりました。登りで苦労した残雪が今度は下りでも障害となって苦労させられます。

それでも皆さん無事にシャクナゲ平まで戻ることができました。ここで休憩を取って、勝原スキー場方面へ下山します。シャクナゲ平では、多くの登山者が休んでいました。

シャクナゲ平からの下りは丸太で土留めされた急坂の連続です。これを登るのは厳しそうです。

荒島岳の山頂が樹間から見えます。永遠の「サヨウナラ」を言われているみたいな気がします。住まいからアクセスし難いこの山に二度と訪れることは無いと思うからでしょうか。

下りの傾斜が緩やかになるとブナの樹林帯に入ります。新緑がとても綺麗です。登りの時のブナ林とは規模が違います。

白いタムシバ(モクレン科)の花です。モクレンの花にうり二つですが、咲く場所の高度に大きな違いがあるようです。

「白山ベンチ(標高約935m)」と呼ばれる場所です。白山連邦の素晴らしい展望が得られるところのようです。

新緑のブナ林の中を歩き続けます。
標高約820mのところに「トトロの木」なる立て札が立っていました。確かに木の中央部に穴が開いてはいるのですが…

荒島岳登山口まで降りてきました。
荒島岳登山口は、勝原スキー場のリフト最高所でした。

このスキー場は、2008年度をもって閉鎖されていて、リフト支柱などの残骸だけが残っていました。何か物悲しい気持ちになります。

ここからは、旧スキー場のゲレンデを下っていきます。石ゴロの歩きにくい道です。疲れた足には堪えます。

道端にはタチツボスミレやニョイスミレが咲いていました。こんなに日当たりが良いのに植物が少ないのはなぜでしょうか?

駐車場に留まっているバスが見えてきました。いよいよ終着地点に到着です。駐車場には、しっかりしたトイレが設置されていました。(ちなみに道中にトイレはありません。)

下山後はお約束の温泉(平成の湯)で汗を流し、泡立ちの良い麦茶で喉を潤しながら片道550Kmのバスに乗り込みました。
幸いなことに「道の駅九頭竜」に寄っていただいたので、山バッジはその日のうちに入手できました(^^♪ なお、平成の湯でも山バッジは販売していたようです。

イワナシ

イワウチワ

ネコノメソウ