南アルプス_南部縦走

光岳~前聖岳~奥聖岳~赤石岳~悪沢岳  長野県・静岡県
2,591m~3,013m~2,982m~3,120m~3,141m

2013年8月13日(火)~19日(月)  晴れ
【メンバー】金子リーダー 北条さん 田口さん
 佐藤さん 秋山さん 吉岡さん 私

【1日目 高速バス移動】

新宿駅前==飯田駅前の旅館

【2日目 行動時間/9時間20分】

飯田駅前==易老渡(6:10・880m)~易老岳(2354m)~(14:30)光小屋~光岳(2591m)~光小屋

【3日目 行動時間/9時間40分】

光小屋(4:50)~易老岳(2354m)~茶臼岳(2604m)~上河内岳(2803m)~南岳(2702m)~(14:30)聖平小屋

【4日目 行動時間/10時間5分】

>聖平小屋(5:15)~前聖岳(3013m)~奥聖岳(2982m)~兎岳(2818m)~中盛丸山(2807m)~(15:25)百間洞山の家

【5日目 行動時間/6時間30分】

百間洞山の家(5:50)~赤石岳(3120m)~(12:20)荒川小屋

【6日目 行動時間/9時間45分】

荒川小屋(5:15)~前岳(3068m)~中岳(3083m)~東岳(3141m)~丸山(3032m)~千枚岳(2879m)~マンノー沢頭(2515m)~(15:00)二軒小屋

【7日目> バス・タクシー・新幹線移動】

二軒小屋==椹島==静岡駅==新横浜駅

左から上河内岳、茶臼岳、仁田岳、易老岳、その奥左がイザルケ岳、右に光岳と続きます。手前のピークは小聖岳です。

クラブアルプスのメンバー6人と南アルプス南部を縦走してきました。
登山口の易老渡(いろうど)から易老岳へ登り、南部最深部の光岳(てかりだけ)へ登り光小屋で宿泊。
翌日は再び易老岳へ登り茶臼岳を経て上河内岳をピストンし南岳を越えて聖平小屋で二泊目。
聖平小屋から前聖岳、奥聖岳、兎岳、中盛丸山を越えて百間洞山の家で三泊目。
翌日、百間洞山の家から赤石岳へ登り小赤石岳を経てカレーライスの美味しい荒川小屋で四泊目。
荒川小屋から荒川三山を前岳、中岳、東岳(悪沢岳)と登り、岩山の千枚岳を経由して二軒小屋へ下りました。二軒小屋で久しぶりの入浴とホテル並みの食事を堪能し、ユックリ熟睡した翌日、3時間超、静岡駅までタクシーに揺られ新幹線で帰宅しました。
長くハードな道程に体力を消耗し、聖平小屋直前で雷雨に見舞われたりもしましたが、メンバーにも恵まれ思い出深い山行となりました。
この山行で日本百名山登頂は79座となりました。年内に80座は越えたいと思います。

奥聖岳から望む中央のピークは盟主、赤石岳です。
その右奥に見えるのは荒川三山の東岳です。

2013年8月14日(水)2日目

飯田駅前の旅館を3時30分に出発します。
登山口の易老渡までタクシーで2時間ほど掛かります。
登山口の易老渡までの林道が危険な状態のため交通規制があります。

早朝は許可を受けた特定車両だけを集団で通行させる方式を採用しています。
「梨元ていしゃば」が集合場所になっていて、出発まで少し待機します。

「梨元ていしゃば」から1時間ほどで易老渡の駐車場に着きました。30台ほど駐車できます。

遠山川を渡り、いきなりの急登を登っていきます。

林間の急斜面にジグザグの道が切られています。炊事用の水を含め、4.5リットルは重いです。

歩き始めて2時間で「面平」に着きました。檜の大木が林立している場所です。小休止します。

この先も急登が続きます。厚くてシンドイです。風がまったくありません。水をがぶ飲みします。

11時30分に易老岳山頂に着きました。登山口から5時間20分でした。眺望もない寂しい山頂です。

易老岳から下っていくと西側が開けたところに出ました。三吉ガレ付近かと思います。

三吉平からはゴーロの谷筋の登りです。

水場がある静高平に着きました。予想通り水場は涸れていました。正面左の稜線はイザルガ岳です。

光小屋が見えてきました。何だかホッとします。

小屋の前には先着の登山者の方々が「ごくろうさま」と声を掛けてくださいます。心温まります。

光小屋に荷物を置いて、空身で光岳山頂へ登りハイポーズ(^0^v

山頂から10分ほど下ったところにある、山名の由来となった光石(てかりいし)に登りました。

光石の付近にはミヤマシャジンが咲いていました。

2013年8月15日(木)3日目

4時50分に光小屋を出発です。今日は聖平小屋まで歩行時間8時間30分を歩きます。

往路では見なかった三吉ガレです。晴れていれば展望が望める場所です。

易老岳を越えてからはアップダウンの小さい道を快適に進みます。

希望峰付近から聖岳方面を望みます。遥か遠くに見えます。

茶臼岳への登りです。

茶臼岳に着きました。正面には上河内岳が見えます。

茶臼岳からは稜線漫歩です。鞍部が今日の中間点茶臼小屋分岐です。

亀甲状土のあるお花畑を歩きます。正面にはこれから登る上河内岳が見えます。

奇岩竹内門でしょうか?標識も無くわかりませんでした。

上河内岳の肩に着きました。ここから上河内岳へ空身でピストンします。

上河内岳の山頂に登り着きましたが霧で展望はありません。

上河内岳から肩まで下ります。

上河内岳の肩で昼食にします。ここから2時間ほどで聖平小屋です。

聖平小屋に向けて下ります。ガレた箇所もあります。

南岳を通過します。

この後、天候が悪化して強烈な雷雨になり、濡れ鼠になって聖平小屋に駆け込むことになり、写真など撮る余裕はありませんでした。

聖平小屋ではウェルカムドリンクの代わりに「フルーツポンチ」が振舞われていて、とっても美味しく、嬉しかったです。
また、小屋に入ってからも濡れた服を乾かすために、わざわざ季節外れのストーブを出してくださるなど、スタッフの心使いにはただただ感謝します。

2013年8月16日(金)4日目

聖平小屋の正面玄関です。

昨晩の雷雨によって、空の雲が全て使われてしまったみたいです。朝焼けです。

5時15分、聖平小屋を出ます。昨日雨の中を急いで歩いた木道です。

T字路を右に薊畑方面へ登っていきます。

薊畑に着きました。着衣の調整をします。

薊畑で衣類調整をしているところに、若者三人グループが後方から追いつきました。空身で聖岳をピストンするための相談をしているようでした。そこへ聖岳方面から下ってきた聖平小屋のご主人がこの若者たちに話している内容を聞いて驚きました。
話によるとこの先で男性の単独行者が滑落して頭部を強打し、直後に他の登山者が発見したものの、昨日の雷雨のため救助することができず、今朝の救助となったようですが、既にその男性は息を引き取っていたので赤い毛布を掛けてきたとのことでした。この若者たちが聖平小屋に向かう途中で追い越した方だったようで、かなり疲労困憊した様子だったといいます。絶対に山に捨ててはいけないものは「命」ですね。ご冥福をお祈りします。

聖岳が見えてきました。

小聖岳へはガレの登りです。

小聖岳に着きました。前聖岳が前方に立ちはだかります。

中央奥にイザルガ岳、光岳が見えます。歩いてきた道程を振り返ります。

聖岳が近づいてきました。もうひと頑張りです。

聖岳山頂です。小広い山頂で展望は抜群です。

聖岳山頂で記念撮影です。右に見えるのは赤石岳です。

聖岳からお花畑を経由して奥聖岳へ向かいます。右のピークが奥聖岳です。

奥聖岳の山頂から聖岳を望みます。

奥聖岳の山頂から赤石岳とその奥に荒川三山東岳(悪沢岳)が見えました。

奥聖岳から聖岳へ戻ります。気持ちの良い稜線です。

これから向かう「百間洞山の家」の赤い屋根が見えます。
(この写真では判別できませんが、二つの山の谷あいにあります)

聖岳の岩場を下って兎岳に向かいます。

どこまで下れば良いのでしょうか?いい加減にして欲しいです。

まだまだ下ります。後方で岩が崩落する大きな音が2回ほどありました。クワバラクワバラ。

やっと鞍部が見えてきました。前方の兎岳の登り返しが待っています。

兎岳の山頂に着きました。疲労困憊です。ドカっと腰を降ろして休みます。

兎岳の山頂に咲いていたタカネビランジ(ピンク)です。

兎岳を下って小兎岳(右)、中盛丸山(左)へ向かいます。

中盛丸山へ登っていきます。今日、最後の登りになります。

中盛丸山の山頂です。標識が外れてしまっています。これで今日の登りは終わりです(^0^)

大沢岳との分岐を右折します。大沢岳をショートカットして「百間洞山の家」へ向かいます。

百間洞山の家の水場となっている沢を渡ります。

百間洞山の家に着くとヘリコプターがホバリングしています。沢で滑落した人を救助していたのです。

百間洞山の家の玄関です。

百間洞山の家は、ミニサイズの山小屋です。
この山小屋の名物は「とんかつ」で、夕食時に振舞われるのですが、揚げたてを食べさせて頂けるという山では考えられない接待をしてくださいます。
寝室は私には長さ不足していて足を伸ばすことができませんでしたが、とても重要な位置にあって南アルプスを縦走する人にとっては、無くてはならない存在だと思います。

2013年8月17日(土)5日目

5時50分に登山開始です。肌寒く僕にとってはラッキーです。

小屋の脇から登り始めます。

振り返ると左に中盛丸山、中央に大沢岳が見えます。

昨夕、小屋のベンチで合席した山ガール(元?)が追いついてきました。

北西方面の山並みです。山名は分かりません。遠くは中央アルプスでしょうか?

百間平です。平原が続く場所です。

遠くに北アルプスの穂高連峰、槍ケ岳が見えました。

百間洞で小休止します。前方には赤石岳が近いです。

赤石岳の基部までは痩せ尾根を歩きます。

赤石岳へはゴーロの登りのようです。

ゴーロを登っていきます。不安定な石ころの道です。

今日も富士山が見えました。何だか嬉しくなります。

山頂と赤石岳避難小屋が見えてきました。

赤石岳山頂からの富士山です。

赤石岳から小赤石岳を望みます。奥には荒川三山も見えます。

小赤石岳山頂です。

小赤石岳から赤石岳を望みます。どっしりとした堂々とした山です。さすがは赤石山脈の盟主です。

小赤石岳からは荒川小屋に向けて下山です。

稜線を快適に下っていきます。

僅かに岩場の通過もあります。

グングン下っていきます。

振り返るとかなり下ったように思います。

トラバース道は日差しが厳しいです。

前方に荒川三山が聳えるように見えてきました。明日はまたあの山頂まで登ることになります。

荒川小屋が見えてきました。

荒川小屋に着きました。今日は余裕があるので、濡れた装備の乾かしやザックの荷物整理が出来ます。
荒川小屋は夕食のカレーライスが美味しくて、普通盛を食べてから大盛をお代わりしてしまいました(^0^)
また、個室こそありませんが、ゆとりを持った寝具配置になっているので、ゆったりと寝ることができます。
スタッフの対応も良く、近年の山小屋では最高評価ではないでしょうか?

 

2013年8月18日(日)6日目

夜明けです。今日も良い天気になりそうです。

山や小屋に朝陽が差します。

荒川小屋を出発します。今日は荒川三山、千枚岳に登って二軒小屋(1390m)まで下ります。

富士山が墨絵のようです。

山腹を巻くように登っていきます。

振り返ると荒川小屋が小さくなってきました。

鹿除けの柵なのでしょうか?

荒川前岳に着きました。晴れ晴れとした山頂です。

荒川前岳から中岳に向かいます。風がやや強くTシャツ1枚では肌寒いです。

荒川中岳に着きました。ハイポーズ。雲ひとつありません。

富士山もハッキリ望めます。今日は沢山の人が富士山に登っていることでしょう。

中岳避難小屋で小休止します。小さな小屋です。

中岳から東岳(悪沢岳)へ向かいます。今回の山行で最後の百名山です。

東岳への登路で中岳を振り返ります。立派な山です。

中岳の左側には赤石岳が連なっています。

荒川東岳(悪沢岳)にてメンバーで記念撮影です。リーダーは撮影のため入っていません。

東岳からの展望です。富士山の周辺には雲海が入っていました。

東岳の山頂は余り広くはありません。大休止します。

南アルプス南部の盟主、赤石岳です。もう見納めです。

二軒小屋へ向けて下山します。千枚岳まで岩場が連続します。

稜線漫歩です。

荒川三山を振り返ります。再来することはあるのでしょうか?

丸山の山腹を巻きます。タカネビランジとタカネマツムシソウが競演していました。

千枚岳の岩場を攀じ登ります。大した距離はありません。

千枚岳の山頂です。荒川三山も見納めです。

二軒小屋に下っていきます。4時間ほどの下りです。

樹林帯の下りです。

ザレの急坂を下って行きます。誰一人もすれ違いません。歩く人は稀のようです。

下るのが嫌になっていたころ、やっと大井川の吊橋に着きました。

15時に二軒小屋ロッジに到着しました。長い下りお疲れさまでした。
今日はゆっくりとお風呂に入ることができます。

2013年8月19日(月)7日目

9時30分発のロッジの送迎バスで椹島まで移動です。

大井川沿いの林道を走ります。

椹島は登山基地となっていて大きな宿泊施設もあります。

椹島から整理番号順に送迎バスに乗り込みます。畑薙第一ダムの駐車場まで送ってくれます。

車窓から聖岳が見えるポイントを案内されました。左奥の峰です。

市営赤石温泉白樺荘で昼食を摂ってから静岡駅へ向かいました。
1週間の山旅が終わりました。お疲れさまでした。