恵 那 山
2,191m 長野県・岐阜県
広河原臨時駐車場(8:17)→(8:41)登山口(8:47)→(9:50)看板ピーク(10:00)→(11:00)県境分岐(11:10)→(11:32)恵那山山頂 →(11:44)恵那山山頂小屋(11:48)→(11:50)1191m三角点?→(11:55)三ノ宮社 →(12:06)恵那山山頂小屋(12:32)→(12:41)恵那山山頂 →(13:00)県境分岐点 →(13:41)看板ピーク →(14:23)風穴分岐 →(14:31)風穴?? →(14:40)登山口 →(15:07)広河原臨時駐車場
【歩行時間 5時間54分】
中津川からの恵那山
恵那山は中央アルプスの南端にあり、以前から登る計画を立てていたのですが、登山口への林道が崩壊したり、復旧工事の長期化で閉鎖になったり中々チャンスに恵まれませんでした。
先週の6日に岩手山を登り、この三連休は休養の予定でしたが、恵那山地域は天気もまずまず良さそうなので思いつきで登りに行くことにしました。
恵那山の名前は天照大神が生まれた時に胞衣(えな)を納めたことから胞山の名が付き、それが転じて恵那山となったそうです。山頂には恵那神社本社があります。
長野県阿智村と岐阜県中津川市の境に聳え、4つの登山ルートがありますがどれもアプローチには苦労します。今回は「恵那山で落石の危険が常にあるため最も悪いとされる林道霧が原大谷線」の途中に登山口がある広河原ルートを登ります。
林道の広河原登山口から2km手前にある臨時駐車場に着いたのは午前8時を少し回っていました。駐車場には10数台の自家用車が停まっていて、既に全員が出発しています。少し焦る気持ちで準備をしていると、車が1台到着しました。ご夫妻のようです。後ろを押されるような気持ちで出発します。
本谷川に沿ってコンディションが最悪だと評判の林道を歩き始めます。道路は舗装されているのですが、確かに右側の競りあがった急斜面の崖は、少しの振動でも崩れそうな状態です。林道の入口付近にブルドーザーが放置されていた理由が分かります。
左側は本谷川へ20mほどの崖で崩れてきたら逃げ場はありません。危険そうな箇所は足早に通過します。
小さなトンネルを潜ると30分ほどで広河原登山口に着きます。しっかりした登山口の標識と登山届けポストが設置されているので、見逃すことはありません。
本谷川に一旦下り、丸太の橋を渡って対岸の登山道を登り始めます。先週の登山の疲れが残っているのか、はたまた寝不足のためか足に重しを下げているような感じで登ります。直ぐに風穴への分岐がありましたが寄らずに進みます。
樹林帯の中の登山道は、営林署が開拓したそうで、良く整備されていると評価の高い登山道です。確かに石組みの高さや、土留の丸太、大きな段差のところには階段が設置してあるなど、急坂ではありますが歩きやすく作られています。
ジグザグに高度を上げていくと次第に川の音が遠ざかっていきます。振り返ると「そのはらヘブンススキー場」側の山の稜線が同じくらいの高さになって見えるようになってきました。傾斜が少し緩んで、樹間から別の尾根道が見えてくると、木に打ち付けられた小さな道標があるピークに着きます。
木に囲まれて薄暗い小さな平坦ですが休憩することにします。道標に1716mと書かれていたので、登山地図で確認します。(下山後にこのピークは1716m地点ではないことが判明します。)傍の倒木に腰掛けていると、下の方から話し声が聞こえてきます。駐車場へ後から到着した年配のご夫妻でした。彼らは休むことなく、挨拶だけしてそのまま進んでいきました。
足の運びは決して速くはなくても、一歩一歩テンポ良く着実に歩く方々のようです。抜かれて少しショックです。マイペース、マイペースと自分を慰め、予定通り10分休憩して歩き始めます。
登山地図の等高線が開いていたとおり緩やかな道を進んでいくと前方が明るくなり話し声が聞こえます。近づいていくと登山道が広がっている所で、先ほどのご夫婦が休んでいました。お二人は立っていて丁度、出発するところでした。
お二人の後ろを一定の間隔を保ちながら登っていきます。ここからは左側が開けた尾根道を歩くようになります。登山道両側の熊笹はきれいに刈り払われています。さすがに評判の高い登山道です。先行するお二人が下山する男性と立ち話を始めました。抜こうか迷いましたが待つことにします。
白髪のご主人は、私のことが気になったようで再び歩き始めました。下山者とすれ違い私も歩き始めます。(ご主人は、私の方が若くて元気が良いと思い先に行かせようとしたのかもしれません。)
この辺りは中央アルプスや南アルプスが望めると言われていますが、今日は雲が多くて眺望が利かず残念です。
それでも阿智村の街が雲間に見えたりするとカメラに収めます。ナナカマドの実が赤く色付いています。紅葉には少し早いようですが、少しずつ秋の気配が感じられます。
何かを記録に残そうとあちこちカメラを向けるので登るスピードが一層遅くなります。いつの間にか先行するご夫婦の姿が見えなくなってしまいました。また一人旅です。再びダケカンバの林の中を登るようになり、岩混じりの坂道を登ると道標の立つ県境分岐地点に着きます。
ここは冬場に黒井沢ルートへ下る分岐点で、夏場は使わないようにロープで通行止めがしてあります。ここでも腰掛けて休みます。今回初めてウレタンクッションを持参しましたが、凸凹の岩や木の上でも、敷けば快適に座れます。次回から必需品にしようと思います。
先ほどすれ違った下山者から「あと30分」と言われたのですが、本当に着くのでしょうか?10分の休憩の後、再び歩き始めます。小さなピークを過ぎて少し下り登り返すと展望台が建つ恵那山山頂に着きます。
山頂には10数人の登山者が寛いでいます。展望台の様子と恵那山の山名標柱をカメラに収め、最高点2191m地点へ向かいます。
恵那山神社本社の脇を通り少し下って登り返すと直ぐに左手にトイレ小屋、右奥に避難小屋が見えてきます。避難小屋から数人の登山者が出てきました。
彼らも中を見学していたみたいです。私も中を覗いてみます。こじんまりして綺麗に整理された小屋でした。
これなら安心して泊まれそうです。道すがらすれ違った数人のパーティもここに泊まったと言っていました。
避難小屋をカメラに収めて最高点を目指します。
再び社が現れカメラに収めて先に進みます。最高点は小屋の北西方向にあるとのことで、どんどん歩きますが見つかりません。
とうとう三ノ宮社まで来てしまいました。これより先は明らかに下りになるので、通り過ぎてしまったようです。2182m峰をカメラに収めて引き返します。
注意深く左右を見ながら戻っていくと先ほどカメラに収めた四之宮社の左側に踏み跡があります。進んでいくと足元に赤くペンキが塗られ、天辺に十字が切られた古い石柱がありました。
四之宮社の左奥に石柱を発見!最高点か?
良く見ると側面に「山」という文字が読め、これが標点だと勝手に確信し撮影して避難小屋の広場へ戻ります。
最高点の石柱か?
避難小屋の広場で中食と休憩にします。
食事を済ませてからストレッチをしながら過ごします。避難小屋の後方に岩場を確認しましたが、登れることを知りませんでした。この岩場からの眺望が良いことは有名だったみたいです。(でも当日は雲が多くて眺望は利きませんでした。負け惜しみ)
紅葉が始まっています
最高点の方向から来た登山者が避難小屋周辺を何かを探すように歩き回っています。どうやら彼も最高点捜索者のようです。彼から最高点の場所を尋ねられ、確信がないことを前提に先ほどの赤い石標の話をしました。直ぐに向かう様子も無く、とりあえず三角点へ行くと言いながら山頂の方へ向かって行きました。信じてなかったのかな~。
ここの広場に居ても仕方が無いので、展望台のある山頂へ向かいます。僅かに下って少し登って山頂に着きます。展望台に登ってみましたが、周囲は雲だらけで何にも見えません。
展望台からの眺望(木が育ってよく見えない)
北側は樹木が生長していて、晴れた日でも見え難いかもしれません。結局、何も眺望は得られないで往路を下山しました。
変形した木Ⅰ
変形した木Ⅱ
遠方に霞む山塊
遠方に霞む山塊
登山口近くになって往路で気になっていた「風穴」を見にいきました。滑りそうで危険な斜面を苦労して歩いて行きましたが、風穴を見つけることはできませんでした。無駄な時間を過ごしましたが無事でよかったです。
本谷川の河原で顔を洗い、危険な林道を歩いて臨時駐車場へ向かいます。既に多くの車が出てしまっていて、駐車場には私以外に5台しか残っていませんでした。登山靴を脱いで最後の目的「山バッジ」と「温泉」を求めて駐車場を後にしました。
【PS】
バッジは「そのはらヘブンススキー場」の売店で購入する予定でしたが点検休業中でした。
昼神温泉「湯ったり~な」に期待して、お土産陳列棚を隅々まで探しましたが見当たりません。意気消沈して入浴だけは気持ちよく済ませ、帰り際にフロントの係員に「恵那山にちなんだお土産を置いているお店は知りませんか?」と尋ねたら、「バッジならありますよ」との返事。即決いただきました。営業山小屋の無いところで山バッジを集めるのは苦労します。