空 木 岳
2,864m 長野県
【9月22日 行動時間 7時間25分】
伊奈川ダム(6:00)→(7:52)うさぎ平 →(13:25)木曽殿山荘
【9月23日 行動時間 7時間07分】
木曽殿山荘(5:30)→(7:06)空木岳 →(7:57)駒石 →(12:37)池山登山口下
空木岳は、中央アルプス主稜のほぼ真ん中に位置する岩の殿堂で、屹立する岩頭や白砂の砂礫が美しい山です。山名の由来は、伊那谷から望むとウツギの木に似ているのでその名があるのだろうと言われています。「うつぎ」とはとても綺麗な名だと思います。
空木岳は、木曽駒ケ岳から宝剣岳を経由して登られるケースが多いようですが、今回は西側の伊奈川ダムから入山し、駒ヶ根高原へ下るルートをクラブアルプスのメンバーと夜行山荘1泊2日で歩きました。
初日は、晴れて空木岳が望めましたが、二日目は予想外の雨となり、楽しみにしていた山頂からの展望はダメでしたが、とても素敵な山だと感じることができる山行でした。
2012年9月22日(土)1日目
午前6時、伊奈川ダムの駐車場を出発します。1時間強は、林道を歩きます。水量が少ない沢を渡ります。雨が少なくて渇水状態のようです。
金沢土場の分岐で右折して伊奈川支線林道に入ります。
この支線のほうが舗装もあり立派です。
発電施設を越え、舗装路を緩やかに登っていくと左に「うさぎ平」の標識があり、登山道が分岐しています。
ここから急登になるとのことで長めの休憩を取ります。
うさぎ平を出ると、リーダーの予告のとおり急登になりました。寝不足の足には堪えます。
1時間ほどで東川を吊橋で渡ります。太陽が高くなり、気温も上がってきました。ここでも休憩を入れます。
再び樹林帯の中を登り始めます。足元はクマザサに変わりました。更に1時間ほどで「仙人の泉」の水場に着きます。
この先の「義仲の力水」の水場は涸れているとの情報があったので、ここで水を補給します。重いけど仕方がないです。
八合目の道標を過ぎ、樹間から正面に空木岳の山頂が見えてくると僅かで見晴場に着きます。
見晴場からは正面に岩峰の空木岳が聳え、右に赤梛岳や南駒ケ岳が続いています。
見晴場で空木岳を眺めながら、昼食タイムの休憩です。見晴場を出て10分ほどで水場「義仲の力水」に着きます。
リーダーの予告どおりの渇水で、水が点滴程度に垂れているだけでした。仙人の泉で補給しておいて良かった(^^♪
右に空木岳などの山々を眺めながら、木曽殿乗越へ向けて山腹を緩やかに登っていきます。
左の三角は2517m峰で、その右へ赤梛岳(あかなぎだけ)、南駒ケ岳と続きます。
空木岳が近づいてくると山頂へ登っていく登山者の姿が見えてきます。登行意欲が高まります。
空木岳が大きくなってくると、木曽殿山荘も見えてきます。小じんまりとした茶色の小屋で、山岳風景に溶け込んでいます。
登山口駐車場から7時間25分、木曽殿山荘に到着です。宿泊手続きが済むまで小屋のテラスで空木岳を眺めます。
第1ピーク、第2ピークを越えて山頂に登りつくという道程を目で辿ります。暫く立っていると急激に体が冷えてきます。2500mの標高なので当然ですね。
2012年9月23日(日)2日目
昨晩から天候が急変し、雨となってしまいました。昨日はあんなに良い天気だったのに(^^;
それでも雨の中、山頂目指して岩登りを頑張ります(^^v 5時30分に山荘を出発です。
早朝の体が未だ寝ぼけているためか、体が不安定です。いきなりの急登に息も上がります。
第2ピークらしき姿が見えてきました。
霧のため、周囲の状況が良くわかりません。
第2ピーク付近の岩場を通過します。鉄製の足場が設置されるなど、ステップはしっかりしていますので、安心して登れます。
この付近は既に紅葉が始まっています。
山荘のご主人が言われていた岩の飛び越しも無事に通過します。危険なことはありませんが、スリップには注意が必要です。岩の隙間にペットボトルが落ちていました。
岩の飛び越しからは2~3分で空木岳山頂に着きました。
山頂からは、うっすらと山麓の山々が見えただけで、ガスの中の山頂となりました。それでも何か満足感があります。
山頂に居ても寒いだけなので、空木岳駒峰ヒュッテまで下って休憩することにします。
空木岳駒峰ヒュッテに着きました。このヒュッテに泊まって山頂を目指す方も居るようです。
駒峰ヒュッテから山頂を見上げましたが、ボンヤリと見えるだけでした。
谷に目をやると山肌は既に紅葉に染まっていました。
少し長めの休憩の後、駒ヶ根に向けて下山です。
白砂の砂礫の道を下っていくと大きな岩の塊が見えてきました。
これが駒石なのかと思いましたが違ったようです。
更に下っていくとウラジロナナカマトなどの紅葉が目立ってきました。ハイマツの緑と綺麗にマッチしています。
左の谷側には屹立する岩があちこちに見えます。少しすると眼下にとても大きな岩が見えてきます。間違いなく駒石だと思います。
駒石は確かに大きな岩で小屋のご主人が見逃すはずは無いと言った意味がわかります。標識等は何もありません。
駒石の基部を回り込んで下っていきます。駒石を過ぎると右から空木平経由の道と合流します。
この辺りから頻繁に鎖や鉄製の階段が出現します。雨でスリップしやすいので注意が必要です。
鎖場や階段はどこも短いので、恐怖を感じることは無いと思います。
大地獄、小地獄という難所は気がつかないうちに通過してしまいました。
池山への分岐に出ました。遊歩道経由と登山道経由に分かれますが、当然登山者なので登山道経由に入ります。カメラはすっかりカゼをひきました。
分岐から30分ほどで、池山小屋付近の水場に着きます。休憩の後、バスが迎えにくる駐車場へ向けて出発です。
ここからは、緩やかな林間の遊歩道を歩きます。とは言っても、スリップには注意が必要です。
タカウチ場で少し休憩します。雨が本格的な降りになってしまいました。
シラビソ、ブナの林は、まるで新緑の季節に訪れたように緑色に輝いて見えました。
タカウチ場から20分ほどで登山届けのボックスがある登山口に着きます。
普通であれば、ここまで車が入れるのですが、林道の崖崩れで、もう少し下ります。
更に下ること17分ほどで、駐車場に着きました。
足が攣ることはありませんでしたが、体力的には辛い登山でした。それにしても先輩の女性陣は強い!!