雲 取 山
2,017.1m 東京都・山梨県・埼玉県
自宅(3:35)→(6:08)後山林道入口 →(6:53)林道駐車場(6:55)→(6:59)林道終点 →(7:28)三条の湯 →(8:17)尾根(8:19)→(9:35)三条ダルミ(9:47)→(10:26)雲取山頂(11:10)→(11:28)雲取山荘(11:33)→(12:08)三条ダルミ(12:22)→(13:43)三条の湯 →(14:10)林道駐車場
【歩行時間 5時間48分】
川苔山からの雲取山です
甲武信ケ岳でお会いしたKさんから雲取山の話を聞いて紅葉の10月には登ろうと思っていましたが、雑用に追われているうちに11月になり慌てて計画を立てました。
当初、日原側からの登山ルートも面白そうなので情報収集しましたが、歩いている人が少ないらしく情報が乏しいので無難な三条の湯経由で登ることにしました。日帰りの日程では後山林道終点まで車で行かなければならないので朝が明けないうちに家を出ました。
後山林道入口
今年は寒くなるのが遅れているので、うまくすれば紅葉に間に合うかもしれないと少し期待を持ちながら登山口に向かいます。後山林道の入口で出会った単独行の男性に林道終点まで乗せましょかと声を掛けましたが、林道は走っていくとのことで断られました。どこにも怪物は居るものだと妙に納得してしまいました。
車両通行止めの看板です
林道は車両の通行が多いためか、比較的平坦で乗用車でも十分に走れます。皇海山へ向かう栗原川林道を経験していたので、この程度の凸凹は大丈夫なのですが、やっぱりパンクはイヤなので慎重に進むことにします。後山林道終点に着く手前で工事中につき車両進入禁止の看板があり、工事車両用の回転広場には既に6台ほどが駐車しています。ここには駐車しないでと書いてあるのに、自然を愛する登山者はマナーも守れる人であることを願います。
林道を歩きます
林道終点までどの位歩くことになるのか分かりませんが、覚悟を決めて出発することにします。歩くこと5分ほどで林道終点に着いたときはホッとしました。
後山川の渓谷です
登山道は後山川の紅葉の渓谷沿いに歩きます。自転車でも走れそうな整備が行き届いた道です。
紅葉を眺めながら落ち葉の絨毯を歩くこと約30分で三条の湯に到着しました。
平日で宿泊客も少ないのかひと気がありません。
休憩もしないでそのまま通過することにします。
朝もやの中の紅葉です
三条沢を渡り帰してUターンするように尾根に取り付きます。三条の湯が眼下に見えます。
朝もやの紅葉の中を穏やかに登ります。
落葉絨毯の山道です
青岩鍾乳洞への分岐があり、行ってみようか心が動きましたが、時間的に余裕がないので今日は止めておくことにします。この辺りはブナやナラなど広葉樹が多く、黄色の葉が目立ちます。
三ツ山でしょうか?
北東側の視界が少し開けてきて、前方に何やらピークが見えますが、山名が分かりません。確認したくて少し早足で進むと突然、視界が開けて木の切り株が残る小さな平地に出ます。南東側と北西側の山並みが見えますが、石尾根と三ツ山でしょうか?山頂近くの木々は既に落葉していますが低いところの紅葉は未だきれいです。デジカメしか持ってこなかったので望遠を利かせた撮影ができなくて残念です。ここで景色を眺めながら小休止します。
馬蹄形の岩です
この登山道は少しのアップダウンはありますが、基本的に緩やかな登りです。途中に馬の蹄のような形をした大きな岩を見つけました。
小さな岩場を越えたところで、後方に人の気配がしたので振り返ると、なんと今朝林道入口で声を掛けた怪物でした。
超特急の登山者です
彼は、軽く会釈すると疾風のごとく登りを駆け上がって行き、あっという間に視界から消え去りました。
本当に林道を走ってきたのでなければ、この場所で抜かれることはあり得ないです。
奇岩が見えます
時折、ランニングをしている方を見かけますが、普通サイズの山ザックを背負ってこのスピードで走る方は始めてお目にかかりました。相当なショックを受けました。
樹間から富士山です
気を取り直して先に進むと、初老のカップルとすれ違うときに男性から「富士山が綺麗ですよ」と言われ、逸る気を抑えつつ、ワクワクしながら登りますがなかなか出会えません。
やっと樹間からの富士山が見えたときには思わず「見えた!」と叫んでしまいました。
カラ松の黄葉です
黄金色の唐松林を抜けると、間もなく三条ダルミに到着です。二人組みのご婦人にお会いしました。
三条ダルミの登山者です
三条ダルミは西側に開けており、富士山が良く見えます。
どうして富士山が見えると嬉しくなるのでしょうね?
三条ダルミからの富士山です
山頂直下の急登です
三条ダルミから山頂までは最後の急登が続きます。
NETで見た山行記録に、巻き道から雲取山荘へ抜け、そちらから山頂を目指しても時間的に大差なく、その方が楽であると書かれていて迷いましたが、直接山頂を目指して後悔しました。この時は…
急登で振り返る
先行の女性二人組みは、既に視界から離れてしまいました。何度も富士山を振り向きながら、喘ぎ喘ぎやっとの思いで山頂に到着しました。
山頂はほぼ360度の眺望が得られます。
山頂には立派なログハウスの避難小屋が建っています。近くにトイレも完備していて女性でも安心です。
山頂の避難小屋です
この避難小屋は皇太子殿下が登山するのに合せて建てられたそうです。
石尾根方面のパノラマです
山梨県側の山頂標識です
独特な山頂看板です
軽い昼食を済ませ、他の登山者と互いの記念撮影を撮りあったり、この展望を記録に残そうと撮影をしたりしているうちに、いつの間にか到着した時に居た10数人の登山者の姿が全く見えなくなりました。寂しい~。
一人取り残されたような気持ちで急いで帰り支度をし、山バッジを求めて雲取山荘に向かうことにします。
小屋の温度計は8℃でした
山頂から北側の三峰方面への急坂を下ります。雲取山荘経由で山頂を目指したら、この登りが待ち構えていたわけで、決して楽とは思えず、直登して良かったと思いました。
下り始めて直ぐに鎌仙人こと富田治三郎氏のレリーフがありましたが、どのような方かは存じ上げません。
富田治三郎氏のレリーフ
田部重治氏のレリーフ
更に下ると雲取山荘の屋根が見え、今度は田部重治氏のレリーフを過ぎると雲取山荘に到着しました。山頂から20分ほどでした。
雲取山荘ではご主人と思しき中年の男性が出迎えてくれて第一声に「ビールですか?」と訊ねられたのには驚きました。そんなに飲兵衛に見えたのでしょうか?誘惑に負けず、山バッジだけ購入して、休憩もせずに三条ダルミへの巻き道に入ります。この道を通る人は少ないらしく、全く人の気配がありません。ここでアクシデントが発生したら暫くは発見されないでしょう。陣馬山のような巻き道を想像していたものですから、このアップダウンは予想以上に疲れました。
雲取山荘です
三条ダルミには、マウンテンバイクの男性三人組が休憩していましたが、「お先に」と言って山頂に向かって出発していきました。最近、よくバイクの人と会いますが流行なのでしょうか?ここは唯一、携帯の電波が届くので妻に帰りの予想を告げ、今朝、登って来た登山道を下ります。小休止している時に男女4人組のご婦人が「どちらに泊まられたのですか」と訊ねられ「日帰りです」と答えると「それは大変でしたね。我々は小屋泊まりで、ユックリ登山です」と笑顔で声をかけてくださいました。山中を一人で歩くことの多い私には、人の心の温かみを感じる瞬間です。
三条小屋まで戻ってきました
私も温泉小屋に泊まってユックリ登山を味わいたい~。
三条の湯までの間は、紅葉を楽しみながら、たくさんの写真を撮って下りました。
三条の湯での入浴も考えましたが、湯冷めしてもいけないし、帰るのがいやになりそうなので諦めることにしました。
予定時刻より少し早めに駐車場に到着し今日の山行は終わりました。
三条小屋付近の紅葉です
駐車場から車を走らせ暫くして、単独の女性登山の方と出会い奥多摩駅までお送りすることになりました。70歳前後のこの女性は、三鷹から来られていて、60歳から百名山を目指して70座に登られたと聞かされてカルチャーショックを受けました。「お若いんだしまだまだ時間がいっぱいあるんだから頑張ってみて」と励まされてしまいました。
最近の高齢者は凄い。自分も負けずに頑張らなくちゃ!!
紅葉も見納めです