両 神 山
1,723m 埼玉県
日向大谷(11:05)→(11:41)会所 →(13:05)清滝小屋(13:15)→(14:20)両神神社(14:25)→(14:55)両神山(15:15)→(16:07)清滝小屋(16:30)→(18:00)日向大谷
【歩行時間 5時間57分】
両神山に登ってきました。2005年8月に甲武信岳でお世話になったKさんから、雲取山と両神山の様子を伺い、雲取山はその年に登りましたが、交通の便が悪い両神山には中々足が向かずにいました。偶々何度か利用させていただいているサンケイツアーズの広告が目に留まり、便乗させていただくことにしました。
新宿駅7時発の日帰りバスツアーで久し振りに妻が同行します。
小型バス4台に分乗した約80人の大所帯なので、今日は各自がそれぞれのペースで登る「フリー登山」とのことです。添乗員の方から登山上の説明を伺ってから一斉にスタートです。
皆さん何やら先を急いでいるようです。妻と私はいつものように後方をユックリとスタートします。日向大谷からはやや下り気味の緩やかな広葉樹林帯の山道を進みます。
道端には白い小さな花があちらこちらに咲いています。
沢に向かって下ると添乗員さんのご案内のとおり腐りかけた3本丸太があり一人づつ左岸へ渡ります。重量がある私は少し心配なので慎重に足を運びます。スタートした日向大谷からは、ずいぶん下ったような気がします。帰りはこれが登りになるので辛いかもしれません。
両神山の標高差は約1,000mで、良く登っている丹沢の大倉尾根と同じ位なのですが、階段状に整備されていない急坂は、足首の固い私にはとても登りにくいです。
ツアーの中間位置を歩く添乗員さんと同行している女性の方とペースが同じらしく、何度も抜きつ抜かれつの繰り返しでした。
日向大谷から0.6Kmを通過です。
会所分岐に着きました。
日向大谷から1.8Kmを通過します。未だ3分の1です。
登り初めから花の写真を撮るのに立ち止まるのを繰り返していたので、最後尾の近くまで後退しそうになります。最後尾の女性添乗員さん(大変な美人です)より前を歩くように言われていたので少しペースを上げます。
妻は久しぶりの登山で疲労が出てきたのと、代わり映えのしない展望にウンザリしているようです。少しずつペースが落ち後方の方々に抜かれていきます。早く登らなくても良いのでマイペースを続けます。清滝小屋が見えたときには、やっと一つの目標に着きホッとしました。
サクラソウ
オドリコソウ
ミヤマオダマキ
添乗員さんの一人が小屋でCCレモンを買っていたのを見て、自分も飲みたくなりました。適度に冷えた炭酸飲料の喉越しは格別です。妻にも勧めましたが、あまり飲みませんでした。小屋の前に咲く花々を撮影していたら、妻がここから未だ1時間半以上登らなければならないのでそろそろ出発しようと言います。
オダマキ
それもそうだと思い出発することにします。小屋の裏手からジグザグを切って針葉樹林帯の中を登ります。私もかなり疲れが出ていてステップに活力がありません。未だ1時間半も登らなければならないと途中で諦めて引き返してきた同じツアーメンバーとすれ違いました。妻もそれを聞いて「ギブアップかも」と呟きます。
クワガタソウ
尾根に出て両神山頂が間近に見えました。「あそこまでは無理。お父さんだけで先に行って。」と妻。登山中に「もういやだ」とか「帰る」とか言いながらも、結局最後まで頑張って登る妻が見せる弱音。今回は本当に辛そうです。後続のツアーメンバーや最後尾の添乗員さんも居て道中心配は無いので「休み休み行けるところまで登ってみる」という妻と離れ先行することにします。
フタリシズカ
とは言っても気になるので振り返るとゆっくり登ってきています。短い鎖場が3箇所ほどあり渋滞していますが三点確保で容易に登れます。鎖を意識しすぎて緊張してしまう人が多いのかもしれません。話し声が大きく聞こえるようになると両神神社に着きます。
ヒイラギソウ
振り返っても妻の姿は見えません。少しして最後尾の添乗員さんが神社に到着しました。ということは妻はリタイアして帰途についたのか?気になるのでザックを下ろして来た道を引き返します。
下ってからすこしすると妻の特徴のあるTシャツが見え隠れします。駆け寄って荷物を持つと言いましたが断られました。神社に着いて妻は最後尾の女性添乗員さんから「ここまで来たのだから山頂まで頑張りましょう。」と励まされ山頂を目指す決心をしたようです。点呼を済ませ山頂を目指します。
神社からの山道は比較的緩やかで、直下に岩場がありますが危険なほどではなく、神社から30分ほどで山頂に着きました。山頂は狭く石の祠や山名標柱があります。皆さん記念撮影の順番待ちをしています。山頂は360度が開けていて、本来は眺望抜群なのでしょうが、天候と黄砂の影響もあり遠景は霞んでいました。記念撮影を済ませ、帰路に3時間近くを要するので、余りゆっくりもせずに帰途につきました。
帰りの清滝小屋の休憩時に、ボーイスカウト経験者の添乗員さんと妻(スカウトの副長)がスカウト活動の話題で盛り上がっていました。途中で私の両足が攣るなどのアクシデントがありましたが、怪我もなく下山することができました。
勿論、日向大谷の民宿両神山荘でビールをいただきましたが、つまみに漬物や手作りのお豆腐をサービスしてくださるなど大満足でした。
帰りの車中で添乗員さんから「民宿の冷えたビールは完売で、また何時くるかと訊ねられました」との報告がありました。両神山荘の売上げに協力できたのも大所帯のツアーの為せる技ですね。妻は二度と登りたくない山だと言っていましたが、民宿のサービスで少し気持ちが変わったようでした。