乗 鞍 岳
剣ガ峰 3,026m 岐阜県・長野県
2007年9月8日の登頂は
ココ
高千穂河原駐車場(11:10)→(11:20)旧霧島神宮跡地 →(12:07)御鉢(12:15)→(12:30)鞍部 →(12:55)乗鞍岳山頂(13:25)→(13:33)鞍部 →(13:43)御鉢(13:52)→(14:20)高千穂河原駐車場
【歩行時間:2時間25分】
前穂高岳が顔を出す メンバーから歓声が!
雲海の上から前穂高岳が頭を見せるとバスの車内で「ワー!」と歓声が上がりました。あちらこちらからシャッター音が聞こえます。突然の天の神の仕業で曇っていたみんなの顔が笑顔に変わります。
乗鞍エコーラインの紅葉はかなり下まで進んでいて、今日は、この紅葉が楽しめたことで我慢するしかないと思っていたところでした。
乗鞍エコーラインからの乗鞍岳
岐阜県高山地方は午後から晴れの予報でしたが、一向に天候が回復する気配が無く黒い雲が垂れ込めていました。
私の隣席の男性(61歳)は「私は本格的な登山用の雨具も持っていないから、雨だったら畳平で時間をつぶしているよ」と寂しそうに語っていた矢先のことでした。
道の駅「風穴の里」
雨が降り続く中、新宿を7時18分に出発した乗鞍岳ツアーに一人で参加しました。
今回のツアーコンダクターは偶然にも立山登山でお世話になったFさんです。参加申込者の中には雨のため参加を取り止めた方もいました。天候が気になり昨日から予報をチェックしていましたが、横浜の自宅を出る時も雨は降り続いていました。
中央高速の松本インター付近では雨は上がりましたが、山の方には雲がたくさん掛かっています。平地より山の天候の回復は遅いと聞いているので気がかりです。
乗鞍エコーラインの車窓から
私は今では雨男の汚名は返上していて、晴れなくても決して雨にはならないことが多いのですが…。
しかし晴れ女の妻が同行していないので自信はありません。(ここ最近の単独山行では、天候に恵まれた登山はまったく無く、先週の九州、高千穂峰では濃霧、その前の甲武信岳も霧。)
天気予報を信じていましたが期待外れに終わるのでしょうか?乗鞍エコーラインの紅葉は、山葡萄やナナカマドの赤、シラカバの黄と針葉樹の緑のコントラストがとても綺麗です。車窓を流れる紅葉を楽しみながらバスはゆっくり畳平を目指します。
乗鞍高原温泉スキー場
乗鞍高原温泉スキー場を過ぎた辺りで、乗鞍岳(剣ガ峰)が時折、雲間から顔を見せます。僅かに青空も見えてきました。バスは何度もカーブを曲がり、井ケ原を過ぎたあたりで前穂高岳が顔を出し、更に進むと槍ヶ岳の穂先も見えます。紅葉を撮影に来ていたカメラマン達も、一斉に槍・穂高岳が見える好ポジションに移動しようと車道を走っています。
自然は気まぐれに皆を喜ばせます。私も少しでも写ればと、バスのゆれを気にせずに車窓越しにシャッターを切りましたが、結果として良い写真は撮れませんでした。
畳平駐車場
山頂にたどり着くまで天候がもってくれればよいと思うのですが…。
畳平はまさに観光地のドライブインで多くの観光バスが停車しています。
これだけの人たちが登ったら、さぞかし登山道は混雑するだろうと、些か嫌気がしましたが仕方がありません。
我々のツアーも41人の大所帯。ヒトのことは言えません。
鶴ケ池の向こうに槍ヶ岳
ガイドのFさんの指導でストレッチ。Fさんのストレッチは評判が良いそうでもう一人の女性ガイドさんが絶賛していました。
健脚組みとノンビリ組に分かれてスタートしたのが12時30分でした。
富士見岳分岐
鶴ケ池の縁を肩ノ小屋まで平らな砂利道を行きます。
30分ほどで摩利支天岳の鞍部にある肩ノ小屋に到着しました。ここまでに八ヶ岳、南アルプスの甲斐駒ケ岳、仙丈岳、北岳や中央アルプスの峰峯が見えました。
摩利支天岳分岐
中央アルプスの奥に八ヶ岳
肩ノ小屋までの舗装路
遠くには南アルプス
肩ノ小屋分岐
肩ノ小屋からは、北アルプスを背にして岩混じりの砂礫の本格的な登山道になります。
先発のノンビリ組を追い抜き、女性ガイドの健脚組みはグングン登っていきます。高度を一気に稼ぎます。
登りやすい岩場
雲海の上から穂高連峰、槍ヶ岳、常念岳らがどんどん視界を占領してきます。
コロナ観測所のある摩利支天岳がみるみる低くなっていきます。
砂礫の登り
健脚組みは休憩もそこそこに山頂を目指します。
乗鞍岳の登山を楽しむのではなくて、穂高連峰など北アルプスの山々を早く見たくて気が急いているような感じです。
北アルプスが見渡せます。ここで小休止します。
蚕玉岳の山頂標柱を通過します。
長野県側の祠
稜線に出ると西からの強風が体当たりしてきます。 肩ノ小屋で防風着を着用しておいて良かったです。
強風を避けるため進入禁止の頂上小屋の東側へ迂回します。呆気なく山頂に到着しました。
岐阜県側の祠と三角点
山頂からは、ガイドブックにあったように360度の眺望で、遮るものは何もありません。
山頂には長野県側と岐阜県側にそれぞれ神社が奉られています。昔からこんなところにも利権争いがあるかと思うと何だか興ざめします。
北アルプス方面の眺望です
北アルプス、八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス、御嶽山、白山などの名立たる名峰が雲海に浮かんでいます。北アルプスが縦に並んでしまうのがちょっと惜しまれます。
大日岳の向こうに御嶽山が見えます
女性ガイドさんによると、今シーズン10回ほど登ったそうですが、これほどの眺望が見えた日は無かったと感激していました。
大日岳と屏風岳です
雲海の彼方に白山が見えます
下山にかかる
山頂はそれほど広くないので、ノンビリ組みの到着と同時に下山にかかることにします。女性ガイドさんに付いて行くのは女性6人と2人の男性だけで、みんな山頂を去りがたいようです。私は下山後の買い物もあるし、先行組みと一緒に下山することにします。
槍ヶ岳、北・奥穂高岳と吊り尾根を挟んで前穂高岳です
何度も写真を撮りながら後ろ髪を引かれる思いで、肩ノ小屋に到着しました。後方を振り向いても、誰一人として続いてくる様子はありません。
肩ノ小屋
遥か山頂直下を下山している集団が見えますが、待っていても仕方ないので先に出発することにします。
往路の遊歩道を畳平に向かいました。
間もなく畳平
畳平バスターミナルへの到着は15時26分でした。僅か3時間ほどの山行でした。そのまま売店に直行します。
八ヶ岳(左奥)と南アルプス(右奥)
畳平の遊歩道
雲海の北アルプス
店はお土産ものを物色する観光客で賑わっています。
あの観光バスはそのほとんどが観光客のもので、結局登山ツアー客には出会いませんでした。
鶴ケ池
運動としてみると少し物足りなかったし、草木も無い荒涼とした道をただひたすら上下するだけで、自然との接触は無かった感じですが、さすがに3,000m級の眺望は素晴らしく圧倒されたのは事実で、機会があったら火山と眺望が好きな妻と一緒に再来したいと思います。