浅 間 山
2,568m 長野県・群馬県
浅間山荘(5:35)→(6:05)一ノ鳥居(6:10)→(6:32)ニノ鳥居(6:40)→(7:35)火山館(7:50)→(8:38)賽の河原上(8:48)→(9:32)避難壕(9:42)→(10:05)前掛山頂(10:25)→(11:05)ケルン(11:15)→(12:05)火山館(12:15)→(13:00)二ノ鳥居(13:10)→(13:50)浅間山荘
【歩行時間 6時間37分】
小諸からの浅間山
浅間山は、日本でも有数な活火山です。平成16年9月1日に噴火して以来「火山活動レベル2」が続いていましたが、2006年9月22日に「レベル1」に引き下げられました。自然のことなのでまた何時の日に噴火が始まるか分からないので、規制が緩和されて前掛山まで登れるようになった直後から、早く登らなければと思っていた山でした。たまたま「クラブツーリズム」から送られてきたパンフレットに「四阿山~浅間山(前掛山)登山」が掲載されているのを見て即決しました。
四阿山は昨年ゴンドラ利用で登ったコースと全く同じなのであまり興味はありませんが、ツアーのセットなので昨日、お付き合いで登りました。
今回は山崎邦彦さんという著名なガイドさんとご一緒です。山麓の天狗温泉「浅間山荘」(浅間山荘事件の浅間山荘ではありません)のロッジに前泊し、ストレッチの後、4つのグループに分かれて5時35分に出発しました。
浅間山荘本館の右手から蛇堀川の右岸の緩やかな道を登っていきます。蛇堀川は、鉄分が多いために赤茶けています。
山道の傍らに古い炭焼き釜がありました。灌木を焼いていたようですが、現在は使われていないようです。
ブヨや蚊たちが頭の周りにまとわりついてきてとても不快です。虫除けスプレーはほとんど役に立ちません。添乗員の若いKさんは虫たちにもモテモテです。
30分ほどで一ノ鳥居に着き小休止します。この周辺はカラマツソウが群生しています。
5分ほど休んで出発します。蛇堀川の右岸を進むと右手に水量が豊富な落差20mくらいの不動滝が見えてきます。
この辺りは路肩が甘いのでストックを突かないように山崎講師から注意がありました。慰霊碑がある二ノ鳥居で小休止し、更に遡上すると右手に屹立した牙山(ぎっぱやま)が見えます。
トラバース気味に進むと前方の視界が開けカモシカ平に出ます。左側にはトーミの頭や黒斑山が見えてきます。予想外の岩山に圧倒されます。外輪山らしい険しい山肌です。
硫黄臭がしてくると草木が生えない「なんとか地獄」のような山肌が赤く焼けたところに出ます。活火山であることを思い出させられ、噴火が始まらないことを祈るだけです。焼けた沢を渡り返して山腹を巻くと左手の斜面にはハクサンイチゲが咲いていました。少しの登りで火山館に着き小休止となりました。登り始めて丁度2時間です。火山館は立派な建物で水の補給ができます。広場の前には、未だつぼみですがギンランが群生していて保護しているとのことでした。咲いたときに是非見たいと思います。
火山館の傍らの神社に無事の登頂を祈願して緩やかな道を登り始めます。ハクサンイチゲやイワカガミがそこここに咲いています。写真を撮っていると団体行動を乱すので遠慮していましたが、堪らず屈みこんでシャッターを押します。
イワカガミのこれだけの群生を見るのは初めてです。「すみません」を連発しているうちに湯の平という高原に出ます。
ここからはトーミの頭、黒斑山や蛇骨岳が屏風のように聳え立って見えます。これらの稜線はデコボコしていて縦走するのに苦労しそうです。左にJバンドへの道を分けイワカガミの群落がある潅木帯を少し登ると森林限界となります。本当は火山の影響で木が生えないのではないでしょうか?この辺りから火山礫のガレの登りで傾斜も少し増してきます。浅間山(前掛山)には山頂まで木が生えていないのが良く分かります。火山礫のガレの登山道ですが、結構踏み固められていて予想以上に登りやすいです。
登山道の岩陰にはツガザクラが小さく可愛い花を咲かせています。少しの休憩の後、再び山頂を目指して進みます。今日は快晴とまではいきませんが、梅雨の合間に晴れてくれてメンバーの皆さんも自分の心がけが良いことを自慢していました。グングンと高度が上がり正面に大きな岩が見えてくると、ロープと看板で通行止めの標識があります。ここから先は、釜山(浅間山)への道で登山禁止となっています。右へ折れて稜線を前掛山に向かいます。
少し進むと見事に壊れた鉄骨造りの避難壕があります。先の噴火のときに壊されたそうです。これでは避難壕に入っていても助かりませんね。自然の力の大きさを見せ付けられます。
避難壕の傍で休憩となりましたが、あまり長居はしたくない気分です。前掛山への稜線を少しの登りで、「浅間山」の山名標柱のある山頂に到着します。
標柱には左右に手形が付けられていて、メンバー全員(24名)が順番にタッチしました。ガイドの山崎さんのペース配分は素晴らしく、登りの予定所要時間のとおり4時間30分での登頂でした。山頂では20分ほど休憩して往路を下山しました。
浅間山荘に帰り着いたのが予定よりも少し早い13時50分でしたので、ゆったりと温泉に入ることができました。風呂上りに生ビールを飲みながら、山崎さんやメンバーの方々と今日の山行や山談議に花を咲かせました。
また何時の日か山崎さんと登るツアーでの再開を約束して車中の人となりました。