武 尊 山

2,158m  群馬県

2007年8月11日(土)  晴れ
【メンバー】 単独

武尊牧場リフト乗場(9:30)**〔リフト〕**(9:56)武尊牧場(10:00)→(10:39)花咲湿原分岐(10:45)→(11:06)武尊避難小屋(11:10)→(11:40)小湿原下(11:45)→(カブスカウトに会う)→(12:20)中ノ岳下(12:25)→(12:45)笹清水(12:50)→(13:27)武尊山頂(14:00)→(15:05)小湿原(15:10)→(16:16)武尊牧場リフト乗場

【歩行時間 5時間3分】

混んできたな~。谷原交差点の左折車が連なっています。仕方がないので、谷原交差点を通り過ぎて次の信号を左折して関越自動車道に入ります。
今日からお盆の帰省ラッシュが予想されていたので、遅くても4時には家を出ようと目覚ましを掛けたつもりでしたが、土日に鳴らない設定のままだったので、役に立ちませんでした。
この時点では8時に現地に着けばなんとかなると高を括っていました。

関越道を進むにつれて入ってくる情報では渋滞が次々に長くなっていきます。寄居PA辺りまでノロノロでしたが、藤岡Jctを過ぎるとスイスイ走れるようになりました。
沼田ICから沼田街道(R120号線)で日光方面に向かいます。吹割の滝を過ぎ平川の信号を左折して県道64号に入り、武尊牧場方面へ右折して東俣駐車場へ向かいましたが、あいにく林道が崖崩れのため通行禁止なので、行先を武尊牧場のリフト乗場へ変更し駐車場への到着は9時20分になっていました。

リフト乗場

ヤナギランが咲く向こうに武尊山の山並み

予定を大幅に遅れての到着となったので慌てて支度してリフト券売場へ向かいます。リフト係の皆様はとても感じの良い方々でした。黒牛が牧草を食んでいます。
リフトを乗り継いで2本目のリフトに乗ったときに左方に大きな山並みが見えました。これから登る沖武尊がどのピークかはわかりませんが、まるで武尊連山です。快晴で気持ちが良いのですが、熱くてバテそうです。武尊牧場の売店横に水の供給があったので1ℓくらい予備に補充し、10時丁度に出発しました。

牧場内の遊歩道

ブナの林

泥濘が随所に有ります

花咲湿原分岐(熊出没注意!)

牧場内の良く整備された散策路を進むと右に東屋があります。直ぐ先の左に木道の登山道が分かれていて登山届けのボックスがあります。昆虫採集をしている家族連れが何組も木道一杯に拡がって歩いています。親から教えられない子供達が可哀想に思います。夏休みだから仕方がないと諦めます。少し広めになったところで追い越します。ブナ林の中を40分ほどで花咲湿原への分岐です。「熊出没注意!」の立札に思わず熊避け鈴を付け、水分補給後に登山道へ入っていきます。緩やかな登りの登山道は背丈ほどもある熊笹を掻き分けて進む所もあります。また何度もヌカルミがあって、通過するたびにアブが襲ってきます。アブの縄張りに侵入した私が悪いのですから仕方がありません。追い払いもしないで通り過ぎれば刺されることはありませんでした。
1時間ほどで武尊避難小屋に着きます。

ここまでは登りで辛いことは無いのですが、樹林の中なので風がなくて蒸し暑いです。同じような道を進むと少し視界が開け前方に二つのピークが見えます。右側が沖武尊でしょうか?少し登ると開けた湿原のような所に出て風が通るので一休みします。今日はかなり暑くて頻繁に水分補給をしてやらないと熱中症になりそうです。時間制限(リフトの下りは4時30分が最終)がありゆっくりもできないので先を急ぎます。

湿原が途切れるところにカブスカウト(どこかの19団)の一団が食事をしていました。「こんにちわ」と挨拶をかわして通過します。振り向いて記念に写真を撮ります。再び林の中に入りますが、直ぐに林を抜け視界が拡がります。正面に見える中ノ岳には鎖場が待っています。少し緊張します。鎖場に取り付く前に少しお休みします。今日はお休みの回数がとても多いです。

眼前に迫る中ノ岳

至仏山遠望

鎖場は岩の足場がきちんと出来ていて、三点確保で登れば何ということはありませんでした。岩場を登りきったところにフデリンドウが咲いていました。今回の山行では花にも期待をしていたのですが、訪れるのが遅かったようです。中ノ岳のピークは踏まずトラバース気味に回り込んでいきます。前武尊への分岐に出るので右へ進みます。

右寄りの岩場を登る

少しで「笹清水」の水場に着きます。四人組の先客が水場のパイプが外れているのを直すのに奮闘していました。聞くところによると山頂へ向かって行くときには冷たいお水を美味しく頂けたのに、帰りに寄ってみたらパイプが外れていて取水できなくなっていたと言います。どなたか心無い方が下手にいじったためのようです。仕方なく地面に流れる細い水脈を触って冷たさだけを味わい山頂を目指します。

やっと沖武尊が顔を出す

鳳の池

右奥に前武尊

先に進むと「鳳の池」など3つの池があって、クロサンショウウオの生息地になっているそうです。池を過ぎて、少しのガレ場の登りで沖武尊山頂に着きます。予想以上に辛い登りでした。山頂にはカップルが1組居るだけなのです。山頂にはガイドブックなどでお馴染みの山の字型の山名看板、方位盤、祠などがあり、黄色の花も手向けてありました。周囲には邪魔になるものは何も無く360度の眺望が得られる筈でしたが、生憎のモヤに遮られて遠方は霞んでいます。

それでも近景の剣ケ峰山や前武尊などの特徴のある山頂は判別できます。山頂到着時刻が遅かったためか、多くの登山者は既に下山してしまったようで出発準備をしている二人の男女が居るだけです。軽く挨拶をして、石に腰掛け6個パックのミニピーナツパンで食事にします。時計を見ると1時30分を回ったところで、予想より早めに到着でき何とかリフトの最終時刻には間に合いそうです。14時に出発することに決め、それまでは写真撮影やストレッチをして過ごすことにします。

中央の三角が剣ケ峰山(沖武尊山頂から)

少しして二人組みが先に下山して行き、一人で山頂を占領することになりました。何故かとても寂しい気持ちで居ましたが、出発時刻が迫ってきたときに単独登山者が到着したのを機に山頂をその方に明け渡すことにします。 「お先に」「お気をつけて」「お互いに」とお約束の挨拶を交わし下山を始めます。下り始めのガレ場の急坂ではダブルストックの有難みを感じますが、直ぐに岩場にかかりストックが邪魔になります。

岩場を下り終えてからは涼風が吹く稜線を急ぎ足で進みます。2時間30分以内でリフト乗り場に到着できないと、更に小一時間歩かなければならなくなります。これは避けたいです。平坦な復路では往路の所要時間を短縮するのは難しいので、傾斜地で時間を稼ぐ必要があります。カブスカウト達と会った小湿原に着いた時には息が切れ、汗はびっしょり、一休みすることにします。 残り1時間20分で、標準の所要時間1時間50分の距離を歩き切れるか?場合によっては走らなければならないかもしれません。

気は焦るのですが歩き始める気になれず、脈が落ち着くのを待ってから歩き始めます。ここからはロングスパートが必要で武尊避難小屋を通過し、リフト乗場まで2.2km地点の花咲湿原分岐までは小走りで下りました。リフト乗場に着いたのは16時16分でした。
「早起きは3文の得」といいますが、今朝の不覚が今日の慌しい山行の原因になったことは間違いなく、あらためて計画の重要性を思い知らされる日となりました。 あ~疲れた。