皇 海 山

2,143.6m  栃木県・群馬県

2004年9月15日(水)  晴れ
【メンバー】 単独

自宅(3:10)→(5:10)上里SA(5:38)→(6:10)沼田IC → 沼田ローソン(6:15)→(8:00)皇海橋駐車場(8:10)→(10:10)稜線のコル(10:15)→(11:05)皇海山山頂(11:45)→ 正規ルート →(13:33)皇海山登山口 →(13:35)駐車場(13:45)→(15:00)利根村役場 → 吹割温泉センター(16:13)→ 沼田IC(16:43)

【歩行時間 4時間40分】

どうして私はこんなところに居るのだろう?間違えやすい登山ルートだということは事前に調べて知っていたので、ガイドブックを何回も読み、ルートは頭に入れていたはずなのに。道標や目印のテープも見落とさないように注意してきたのにどうして?
熊笹や雑木林の急斜面を右往左往して正規のルートを捜します。かすかな踏み跡しかなかったので少し“やばい”と感じながらここまで登ってきましたが、どこかでルートを間違えたようです。分かるところまで引き返すのが登山の鉄則ですが、上を見ると稜線まではそう遠くなさそうなので、このまま不動沢のコルと鋸山への稜線ルートへ出よう。そう決心して急斜面の雑木林を、木の枝や岩にしがみつきながらトラバース気味に登ります。稜線に出て道標が見えたときにはホッとしました。つくづく登山道のありがたみを感じました。

皇海山への到着時刻が気になってなかなか寝付けないうちに睡眠もそこそこにAM2時45分に起床しました。3時10分に自宅を出て、第三京浜、環状8号線を経由して関越自動車道で沼田へ向かいます。
三芳PAで一休みし、朝食は上里SAで天ぷらうどん。沼田インターを出たすぐのローソンでにぎりめしとピーナツパンの昼食を買い皇海橋へ急ぎます。国道120号線は早朝でもあり空いています。

この看板を左折します

利根村役場入口の信号を右折してすぐの橋を渡り、クランクの様に曲がると右に村役場、更に100Mほど進むと左カーブのところにネットで見た「皇海山」の看板があります。
道なりに進むと「皇海山」左折の看板。高原のように開けたところの作業場を過ぎ右折して、30mほどで直ぐ右折すると栗原川林道に入ります。
あとは皇海橋まで一本道。途中で分岐が幾つかありますが、方向性に気をつければ間違うことはありません。

この林道は、全線未舗装のダートで、落石注意、路肩走行注意の看板には「自己責任」の文字も。そこ此処にガレキが落ちていて、ガードレールも所々落石で破壊されています。
道路の端は底なしのような絶壁で落ちたら天国行きでしょう。
岩が落ちてこないことを祈りながら、逸る気持ちを抑えながらパンクさせないように徐行します。

手掘りのトンネルを抜けたりしながら、皇海橋までの約20kmに1時間10分を要しました。
皇海橋の駐車場には、横浜や川崎ナンバーの車などすでに10数台が駐車していてさすが百名山人気だと思います。
立派な建物のトイレもあります。男女各1個で来場者がそれほど多くないためだと思います。

皇海橋を渡った左手が登山口で立派な標柱が立っています。ほとんど廃道状態の林道をヘアピンのように進み、左手の登山道に入ります。
直ぐに渡渉があり、緩やかな登りが続きます。沢に沿って進み回数を忘れるほど渡渉を繰り返します。
雨の時は、歩きにくそうです。また、夏は問題ないでしょうが、冬は凍結して別のルートをとることになりそうです。

指導標やテープを頼りに、先行する単独行の男性と付いたり離れたり、ゆっくりと登ります。
1時間が過ぎたくらいでしょうか、左側は水が流れる沢で、右側がガレ場のところに出たとき、ふとネットで読んだ文書の場所が脳裏をかすめ、迷わず右のガレ場に取り付きました。

これが失敗の始まりでした。最近、人がスリップした足跡を頼りに進みましたが、間違いであることに気づいた時には、かなり登ってしまっていました。
なんとか稜線の登山道に出て、不動沢のコルで一休みします。登山口から2時間を要してしまいました。少し遠回りをしましたが、まあまあの時間でコルに着けたことには満足でした。5分ほど休憩して皇海山への最後の登りに向かいます。コルからは直ぐに熊笹の生い茂る急斜面の登りで息が上がります。ゆっくり、ゆっくりと念じながら、倒木を越えたり、くぐったり。

最後の急登では後から登ってきた二人組に先に行ってもらうことにして小休止します。更にその後の二人組みに追いつかれた際、「息が上がっちゃって」と声をかけたら、「我々も二日酔いで同じ」と二言三言言葉を交わし、私が先に出発することにします。
しばらくすると先行した二人組が休憩していたので追い越していきます。傾斜が緩やかになるといよいよ頂上に到着です。

山頂にはご夫婦が1組居るだけで、駐車場に車を置いた人たちはどこへ行ってしまったのでしょうか。生憎、霧がかかり始めていて、眺望は得られません。残念!間もなく後続の2組も到着し、お約束の撮影大会が始まりました。2組のうちの1組のお二人は、横浜市青葉区と町田市から来られたとのことで親近感が湧きます。自分を撮ってもらうとき、バッテリー切れでシャッターが下りないと言われ、エ~?確かに予告ランプは点いていたので間近とは思っていましたが、よりによって山頂記念写真の時に切れなくてもよいものを。だまし騙しなんとか1枚撮って頂き事なきを得ました。

何だか今回の山行はアクシデントが多いです。しばらくして、プロカメラマンが登ってきて、山頂で休憩している登山者のモデルをやって欲しいと頼まれ2組と共に参加します。どこの雑誌社か聞かずに失敗しました。昼食を済ませて早々に下山にかかります。鋸山へも行く予定でしたが、今日は運が悪そうなので止めて温泉に行くことにします。
横浜の二人組みが先に出発しましたが、直ぐに追いついて抜かしていきます。急な下りなのでスリップに気を付けます。

実は、藪漕ぎをしたときから枝を杖代わりに持っていて、これがけっこう重宝で手放せません。下りのときは登り以上に役に立ちます。快適、快適。ところが熊笹が深いところで木の根に気付かず膝をぶつけて青あざを作ってしまい、それから杖は笹を掻き分けるのに使います。
不動沢のコルからの急な雑木林を過ぎ水が流れるガレ場を下りきったところで振り返ると、登りのときに見落としたテープがしっかりと下がっていました。思い込まずに素直に「道標」を探していれば、あんなことにはならなかったと反省しました。

途中ですれ違った単独行の男性から「マイクロバスで10数人の団体が来る」と教えてくれていました。青年が先導するその団体とのすれ違いでしばらく待たされましたが、これから登って明るいうちに下りられるのかと人ごとながら心配になりました。
何度か体を支えてくれた枝ステッキのおかげで、快調に皇海橋の駐車場に到着できました。是非とも本物のステッキを買うことにします。帰り支度をしていると、例の横浜の二人組みも下山してきたので一礼し、先に駐車場を出発しました。

今日ここへ来るときにパンクした車があったと聞いていましたので慎重に林道を下り、利根村役場を見学し、山バッジを販売していることをTELで確認してから、吹割温泉センター「竜宮の湯」に向かいます。受付で目的の山バッジを購入して浴場に入ると、偶然にも横浜二人組に会い何かの縁を感じました。風呂上りにビールを飲みたかったのですが、車を運転しなければならないので残念ながら我慢します。16時過ぎに一路横浜に向け温泉センターを出発します。120号線に出ると直ぐに地元警察と利根村の奥様方が「交通安全運動」のパンフレットやティッシュを配るためにドライバーを止めていました。「お気をつけてお帰りください」とそのご婦人に送られて利根村を後にしました。