奥白根山

2,578m 栃木県・群馬県

2000年10月8日()  晴れ
【メンバー】 妻 & 長女 & 長男 & 私

ゴンドラ山頂駅(10:40)→(11:40)大日如来 → 避難小屋分岐 → 白根山 → 林間コース →血の池地獄 → ゴンドラ山頂駅

昨年10月に登った谷川岳の印象が良くて、雪が来る前にお手軽に登れる百名山をネットで探していましたら、丸沼高原ゴンドラを利用して初心者でも短時間で頂上に立てるという奥白根山(日光白根山)を見つけました。
このルートは手持ちのガイドブックにはどこにも載っていなかったので早速、詳細を調べました。
スキー場のゴンドラが標高2,000mまで運んでくれますので、残り580mを約2時間で歩く行程です。体育の日の連休を利用して、新潟県小出町の祖母に会いに行くのに合わせ、家族で登りに行くことにしました。

前日は定宿の「越後湯沢温泉センター」で休養し、早朝に沼田ICまで関越自動車道を戻り、沼田街道を日光方面に向かって走り、丸沼高原スキー場の大きな駐車場に留めました。ゴンドラ乗り場は乗車待ちをする人も少なく、すぐに乗車することができました。このルートを登る人は、少ないのでしょうか?ゴンドラ内部には空中遊覧で眺められる山々を紹介するポスターが貼られていて、一般観光客を対象にしていることを知らされます。高度が上がるにつれて次第に紅葉が目立ってきます。妻が近所でお世話になっている老夫婦を連れてきてあげたいと言うので、紅葉を楽しみにゴンドラに乗るくらいならできるからそうしようと頷きました。

燧ケ岳は双耳峰で特徴があり見分けがつきやすいのですが、谷川岳、皇海山や武尊山などは、判別に時間がかかります。ゴンドラの山頂駅は広い公園のようになっていて、これから登る白根山が目の前に立ちはだかっています。
山頂の中央部が括れていてその直下に口を開けた火口があります。何とも独特の風貌です。 しばらくは、樹林帯の中の一般観光客が歩く遊歩道のような平坦な道を進みます。血の池地獄への分岐を左に分け、大日如来を過ぎると急傾斜になり登山道らしくなります。ここからは展望もない樹林の中をひたすら登ります。

突然、林が途切れて開けたところに出ると、たくさんの登山者が休んでいました。少し眺望があるので私たちも休憩することにします。この辺りから急に登山者の数が増えたように思います。
再び、樹林の中の急傾斜の登りとなり、お気軽と思っていましたが結構疲れます。森林限界を超えると岩の間のザレの道に変わり、右側斜面を滑ったら谷底まで行ってしまいそうです。この辺りがゴンドラ山頂駅から見えた火口付近だと思います。家族も少し疲れたと見えて元気がありません。

お腹が空いたという妻の言葉で、山腹の平らな場所を見つけてサンドイッチを食べることにします。適当な岩に腰を下ろし、家族全員でサンドイッチを分けます。
これがまた美味しいこと。何だか力が湧いてくるような感じです。みんなの元気がなかったのは、単にお腹が空いていたためだったのかもしれません。

左側にぼんやりと富士山が見えます

妻の「あれ富士山?」の言葉にみんな一斉に指差す方向を凝視します。遥か西の彼方にぼんやりと富士山のあの特徴的な形が浮かんでいます。富士山に間違いありません。
こんなに遠く離れていても日本一の山は見ることができるのだと少し感動しました。
写るかわからない富士山の写真を撮りました。妻は大好きな富士山を見つけ自慢げに「富士山」を連呼しています。周りの人にも教えてあげたいようです。

ザレ場の登りから岩の密度が濃くなってくると山頂らしき岩塊が見え、いよいよ登頂かとワクワクしましたが、そこは山頂ではなく未だしばらく登らなければなりません。直言って私はかなり疲れが来ています。
子供らは元気いっぱいでどんどん先に登っていきます。何度も立ち止まりながらも最後の岩場を登りきり山頂に到着しました。

岩が積み重なった山頂は、関東以北の最高峰だけあって周囲に遮るものは何もありません。何人もの人が記念撮影のために山頂標識の周りで順番待ちをしています。
山頂一帯は富士山頂の火口を土で埋めてサイズダウンしたような地形で、火口の周囲の岩が外輪山のようにゴツゴツと連なっています。土で埋めたところは平で、僅かに植物が生えています。

山頂からは、中禅寺湖、男体山や女峰山などの日光連山やいろいろな山々が望めますがどれがどの山か見当がつきません。山頂で記念撮影を済ませて一段下がった周囲の岩場で休憩することにします。汗をかいた体に風が当たると少し寒く、冷えないようにウエアを羽織ります。
山頂周辺にはたくさんの登山者が居て、それぞれの満足感を味わっているようです。昼食を済ませて下山することにします。

いつもながらマイカー利用は往復登山になってしまうため、その山の半面しか見られず折角来たのにもったいないと思います。さきほど登ったザレの斜面を下り、樹林コースへの分岐で、往路と違う道を左に入ってみます。杉の植林地の中の道で少し薄暗いですが、クッションのきいた歩きやすい道です。ここを登ってきた方がよかったのかもしれません。
往路の道に出合い、大日如来の先で右折して血の池地獄を見に行きます。

血の池地獄沼は名所として案内するほどではなさそうに思うような小さな水溜りでした。血の池地獄から元来た道に戻り、ロープウェーゴンドラ山頂駅に着きました。もう一度振り返って、白根山を目に焼きつけました。
山頂駅周辺には朝登ってきた時よりも多くの観光客が、紅葉を鑑賞したり記念撮影をしたり楽しそうにしていました。
ゴンドラを降りてからスキーリフト券売り場で、偶然にも目に入った山バッジを記念に2種類買いました。これが山バッジ収集の始まりになろうとは、この時には微塵にも思いませんでした。