燧 ケ 岳
2,356m 福島県
尾瀬御池(5:45)→(6:48)広沢田代(6:55)→(8:00)熊沢田代(8:28)→(10:15)俎嵓(10:25)→(10:48)柴安嵓(11:25)→(14:40)見晴(15:10)→(15:25)温泉小屋(泊)
【歩行時間 8時間18分】
昨年の夏に富士山へ一緒に登ったTaishiさんやTaishiさんの同僚のKikuさん、Ne-さんと尾瀬の燧ケ岳へ登ってきました。
メンバーのKikuさんは学生時代に野球部で鍛えていて体力には自信があり、Ne-さんもジムで体を動かしているので心配していませんが、山登りについては経験が無さそうで未知数です。
今回の山行は新宿駅22時30分発の夜行ツアーバスで尾瀬御池まで行き、燧ケ岳を登頂後に温泉小屋に泊まり、翌日に三条の滝を見学後、尾瀬を散策して鳩待峠へ帰るという健脚向きのコースです。
22時10分頃に新宿駅西口交番前に集合し、都庁大型バス駐車場へ向かいます。当然、歩きですが、Ne-さんは地下鉄に乗って行くつもりだったようです。
少し迷いながらも都庁駐車場に着きツアーの受付を済ませましたが、登山姿の方は数人しか見えません。バスも着いていないし時間が少し早いからだと思っていましたら、今回乗車する人は我ら4名を含め全員で9名とのことで、ゆったり乗れて嬉しいやら、少な過ぎて寂しいやら複雑です。
定刻通りにバスは出発します。運転手さんから車中での案内があります。パンフレット記載の時刻より1時間30分ほど早い午前4時30分に尾瀬御池に到着の予定となりました。時間の余裕ができて有り難いです。バスは午後11時に消灯して「おやすみタイム」となりますが、例によってすんなりとは寝付けません。夕食に睡眠促進のためにアルコールを摂取したのですが効果がありませんでした。
翌朝3時30分頃に民宿前にバスが停車して誰かを待っているようです。少しすると数個のお弁当を積み込んでいました。お弁当を数個渡すためにこの時刻に起きていることを知り、私たちの旅を陰でサポートしている方々に感謝する気持ちを忘れてはいけないと再認識します。少し先の会津駒ヶ岳登山口で女性の4人組が降りました。未だ外は暗くヘッドランプが無いと歩けないくらいです。
定刻より少し早めの4時25分に尾瀬御池に着きました。御池は、広い駐車場になっていてバスが何台も停車しています。外は肌寒く、空には雲がかかっていますが、雨が落ちるほどではなさそうです。御池ロッジはログハウス風の立派な建物で、何と暖房便座+ウォシュレットのトイレで、私としては山の施設で始めて見ました。
出発の前にロッジ前のテラスで早めの朝食を摂り、コーヒーブレイクの後に準備を整え5時45分に尾瀬御池を歩き出しました。
駐車場を横断したところが登山口です。やや下り気味の潅木の中を歩き始めます。直進する三条の滝方面への道を分け左の燧ケ岳への山道に入ります。直ぐに小さな川を渡るところに「大きな小松菜」と誰かが名付けた大きな葉が生えています。(後に鳩待峠の売店の方に「水芭蕉が生長したもの」だと聞きました。)この登山道はガイドブックのとおりいきなりの急登で、雨上がりで滑りやすいです。一歩一歩の段差が高いので、できるだけ歩幅を小さくするように足の着地位置を意識しながら登ります。
小柄なNe-さんには辛いかもしれません。30分歩いて5分休憩を基本に考えていましたが、初めて登るコースでは計画通りにいかないものです。スタート時刻も早かったので時間はたっぷりあり気持ちには余裕があります。少しずつ明るさが増すとともに頭の周りを飛び交うブヨも増えてきました。虫除け薬も効かず、追い払えどもしつこく付きまといます。今回の山行ではブヨと終日付き合わされ、最終的に腕を2箇所刺され腕時計のバンドが届かないくらい腫れあがってしまいました。
岩場や小沢のようなところを登り何度か休憩しながら広沢田代に出ました。湿原のことを「田代」と呼ぶのだそうです。木道の周囲に雨に濡れた白いワタスゲが一面に咲いているのが目に飛び込んできます。この白い綿毛はワタスゲの実で花はもっと質素なものだそうです。他にも花が咲いているのですが名前がわかりません。Ne-さんがカタログを見ながら解説してくれますが3分歩くと忘れてしまいます。悲し~。
木道をだらだらと歩きながら尾瀬へ来た実感を味わっています。
木道でないところは岩の段差が大きかったり赤土で滑りやすかったり歩きにくい道です。初心者には辛い山登りに感じると思います。息を切らしながら中間地点の熊沢田代に出ました。ここに来て始めて燧ケ岳(俎嵓・まないたぐら)が見えてきました。燧ケ岳に向かってクネクネと曲がった木道が登っているのが見えます。白く見えるところは残雪でしょうか?皆それぞれにデジカメや携帯電話のカメラで撮影しています。熊沢田代の中心部までは一旦下ります。ベンチがあるのでここで大休止することにします。
遠目には緑の絨毯を敷き詰めたような草原に見えますが、湿原ですから木道から足を踏み外したら悲惨なことになりそうです。東方向に帝釈山?などの日光連山が霞んで見えます。天候はまあまあですが澄み切ってないので眺望は良くありません。爽やかな風が吹きぬけてとても心地よいところです。このままずっとぼんやりとここで過ごしたい気持ちを断ち切り出発の声を掛けます。ここから未だ約2時間の登りが待っています。
木道の階段を登り始めるとチングルマが目立ってきます。立山で見た一面のチングルマの綿毛を思い出します。ここも秋には綿毛に埋め尽くされることでしょう。木道の階段の中腹で振り返ると先ほどまで休んでいた熊沢田代が眼下に見えます。木道が切れるとまた歩きにくい土の道に変わります。前方がやや開け残雪の小さな沢を渡り50mほどトラバース気味に進むと雪渓に出ます。ガイドブックには年により8月頃まで残雪が残ると書いてはありましたが、これほどとは思いませんでした。
取り付きに立っていると下山してきた男性二人組みが「200mくらいあって楽しいよ!」と声を掛けてきました。山での最新情報は有り難いです。お礼を言って登り始めます。私以外のメンバーはストックも無く、スリップしたら沢の底まで行ってしまいそうなので、メンバーにゆっくり注意して登ろうと声を掛け最後尾で万一に備えます。雪渓ですれ違った数人の方々は、雪渓を楽しんでいるように見えました。Kikuさんが倒木に足をぶつけたくらいで無事雪渓を登り終えました。崩れた沢に出たところで、疲れもあるようなので休憩することにします。
Taishiさんの顔色が少し青ざめています。Taishiさんは、高山病?ではないと思いますが、空気が薄いのが苦手のようです。後方から登ってきた山慣れた感じの男女ペアが追い抜いて行きます。我々はゆっくりゆっくりの亀さんを貫くことに決めています。ここからは岩混じりの急な登りを経て燧ケ岳の双耳峰のひとつ俎嵓(まないたぐら)に10時15分、登り着きました。みんな良く頑張りました。
山頂は小広く大きな岩がゴロゴロしています。石の祠と山名標柱があります。周囲には障害になるものが何も無く、霧が無ければ360度の眺望だと思うととても残念です。山頂は風が強く急速に体が冷されるのを感じウィンドブレーカーを着込みます。メンバーに最高所の山頂は向こうに見えるピークだと話すと、ウンザリした顔つきに変わります。でも今日の宿に行くには、そこを通過しなければならないので我慢して登らざるを得ません。
俎嵓山頂(後方に見えるピークが柴安嵓)
双耳峰のもう一つのピーク柴安嵓(しばやすぐら)へは急な岩場を下り、鞍部から急な登り返しになります。段差が大きな箇所や残雪の箇所もありましたが、俎嵓から見えたほどの苦労も無く柴安嵓に着きました。出発してから約5時間で登頂です。みんな良く歩いたと思います。山頂で昼食と大休止をとることにします。山頂は比較的広く、ガイドブックの写真にあった山名(柴安嵓)が岩に書かれているのを確認しました。新しくて綺麗な黒い御影石の山名標柱もありました。キバナ石楠花が咲いています。俎嵓の時よりも霧が濃くなって、周囲の眺望は全くありません。雨が落ちてきそうな気配も感じられるので、記念撮影を済ませ、今日の宿の「温泉小屋」へ向けて下山を開始します。
山頂の南西側から大きな岩混じりの急坂を下って行きます。15分ほど下ったところで右に温泉小屋への尾根道(温泉小屋道)が分岐していて、ここを歩く予定でしたが、道標に難コースの表示があったことや雨も降りそうであったので、所要時間は少し長くなりますが、林間コースである見晴新道を行くことにします。眺望も無い樹林帯の中の岩の多い急な下りが続きます。同じような山道がいつまでも続きます。倒木が道を塞いでいて迂回させられたところも何か所かありました。休憩する時間が多くなってきます。
Ne-さんが「もう歩くの嫌だ」と駄々をこねます。山を歩いていて辛いのはこういう場面です。疲れがピークに達しているようです。雨が降ってきましたが、樹木がカバーしてくれるので雨具を付けるほどではありません。相変わらず、ブヨが顔の周りを攻めてきます。予想以上に長い下り坂から開放されたのは下山開始から3時間後でした。木道が見えたときには正直、本当にホッとしました。見晴休憩所への分岐を過ぎ、下田代十字路(見晴)に着いたのは14時40分でした。皆、本当によく頑張りました。ここまでくれば、一安心なので檜枝岐小屋に入って休憩することにします。
私は自分へのご褒美にビールをいただきます。四人お揃いで記念の山バッジも買いました。今日の山行を振り返りお互いの健闘を称えあいます。しばらくの休憩の後、尾瀬ヶ原の木道をほろ酔い気分で20分ほど先にある今日の宿「温泉小屋」に向かいました。メンバーの皆さん本当にお疲れ様でした。この辛い山行で山を嫌いにならないで欲しいと思いました。
イワカガミ
ゴゼンタチバナ
コバイケイソウ
ウラジロヨウラク
ワタスゲ
タテヤマリンドウ
チングルマ
チングルマ
ミヤマキンバイ
ハクサンチドリ
エンレイソウ
サンカヨウ
オオバミゾホオズキ
ズダヤクシュ
ヒオウギアヤメ
タムラソウ
カラマツソウ
トキソウ
ハナニガナ
ニッコウキスゲ
オゼヌマタイゲキ
ウラジロヨウラク
サワラン
ハナニガナ
ヒオウギアヤメ
ヤナギトラノオ
-おまけ- 温泉小屋~三条ノ滝~温泉小屋~尾瀬ヶ原~鳩待峠
温泉小屋に着き先ずは泥んこになった靴を洗い、受付窓口に声を掛けると「別館へ行ってください」とアナウンスされました。別館に入ると係りの青年からレインスーツなどの濡れている物は指定された窓際に掛けること、荷札に名前を書いて登山靴に結ぶこと、入浴時間や夕食時間など小屋でのルールを説明されてから部屋に案内されます。パンフレットには男女別大部屋とあったので覚悟していましたが、宿泊客が少ないためか我々四人に8畳部屋があてがわれました。
Neーさんには悪いですが広くてラッキーです。入浴は女性用浴室を男女時間制の入れ替えで入るように聞いていましたので、夕食の開始時刻が迫っていて入浴時間は短いのですが、ビールも飲みたいので急いで入ります。食事の準備ができたとの館内放送があり食堂へ向かいます。今日の宿泊客は総勢で20人くらいです。食事は山の幸を中心としたヘルシーメニューで、若い人には少々物足りなかったかもしれませんが、富士山のカレーライスに比べたら桁違いのご馳走です。
茸がたっぷり入ったお吸い物が絶品でお代わりをしました。窓の外は次第に夕闇に包まれていきます。大変だった今日の山行を皆で称えあいます。明日は予定通り三条ノ滝へ行ってみようということになり、朝食はおにぎりにしてもらうように食事の係りの若者にお願いします。部屋へ戻って引き続き酒盛り(自分だけですが)したり、Kikuさんにマッサージをしてもらったりして明日に備えます。明朝6時出発を目標にして消灯します。夜中は大粒の雨が降り続いていました。朝までに上がってくれると良いのですが…
目覚めると既に外は明るくなっていました。5時です。皆未だ寝ています。昨日の疲れが残っているのでしょう。三条ノ滝の見学を中止すればすむことなので起こさないことにします。少しするとTaishiさんの体が動き始めました。目が覚めたようです。次々と他の人も起き出しました。布団を上げて食事にします。もう少しすると小屋の朝食開始時刻です。おにぎりにする必要がなかったかもしれません。テーブルを囲んで皆で昨日受け取っていたおにぎりを食べながら三条ノ滝へ行くかを確認すると、行ってみるということになりました。
出発予定時刻を決めて準備に取り掛かります。今日の帰りのバス時刻が決っているので、歩きに使える時間も限られています。でも若い人たちだから、いざとなれば走ることもできると思い当初計画の出発時刻を20分遅れの6時50分に三条ノ滝に向け出発しました。荷物は温泉小屋に置いておきます。雨は落ちていませんが、何時降り出してもおかしくないような空模様です。
花の写真を撮りながら歩く私が先頭を歩くとペースを乱してしまうので、Taishiさんを先頭に歩くことにします。(私の我儘)
平滑ノ滝展望台は帰りに寄ることにして、先を急ぎます。早朝の割には蒸し蒸しした、場所により泥濘のある道を下ります。三条ノ滝までは高低差や距離が予想以上に多く、レインスーツを着ていると汗が噴き出してきます。三条ノ滝展望台の看板の前に到着するまでに約1時間を要しました。
何かのポーズ。意味があるらしい??
展望台だと間違って記念撮影
上の写真(左)のように「三条の滝展望台」の看板があるので、ここが展望台(?)かと思い記念撮影をしましたが、何やら先に道が続いていて行ってみると、急な木製階段を下った先に本物の展望台がありました。危うく本当の展望を見ずに帰ってしまうところでした。高いところが苦手(?)なKikuさんは、恐々と階段にしがみ付いて降りてきます。
昨晩の雨のためか滝は豊富な水量で豪快に流れ落ちています。高所恐怖症のKikuさんは展望台の端まで近寄ることができません。
記念撮影を済ませ下ってきた山道を温泉小屋まで戻ります。
帰路には何人かの三条ノ滝に向かう方とすれ違いましたが、中には普段の靴で歩いている人も居ました。帰るころには靴がドロンコで台無しになってしまうでしょう。500ml.1本だけのペットボトルしか持たずに来てしまい失敗でした。帰りに平滑ノ滝を過ぎるころには既に飲む水は底をついていました。喉カラカラで温泉小屋に戻り真っ先に水をガブ飲みしました。
これから温泉小屋からバス乗場の鳩待峠までガイドブックの標準歩行時間4時間を歩きます。バスの発車時刻までの残り時間は4時間45分なので、10分間の休憩時間を4回確保して標準時間で歩いて丁度間に合う計算です。Taishiさんの先導で歩き始めます。私は花の写真を撮るために最後尾を歩きます。一枚の写真を撮っている間に約50mくらい遅れてしまいます。直ぐに追い着こうと早足で追い掛けます。何度か同じようなことをしていて、気が付けばいつも忙しない山行をやっているなと思います。
ゆとりを持ってじっくりと写真撮影でもしながらのんびり歩きたいものです。是非、今度は花の撮影だけを目的に来たいなと思います。木道の際で咲くニッコウキスゲの間を歩いて行きます。昨日、下山後に休んだ檜枝岐小屋を左に見て下田代十字路(見晴)を右折します。木道が延々と続いています。正面には山頂を雲に隠した至仏山が見えています。至仏山は、3年前に嵐の中を登った記憶に残る山です。あの山頂付近で霧の間から見えた燧ケ岳をバックにした尾瀬ヶ原の景色が頭に甦ってきます。
ニッコウキスゲに負けまいとヒオウギアヤメもそちらこちらで咲いています。トキソウ、コバイケイソウ、などたくさんの花が咲いているのですが、全て撮っていたらどんどんTaishiさん達と離れてしまいます。尾瀬の花たちは逃げたりしないので、次のシーズンにでも再来することにしてここは諦めることにします。下田代十字路を過ぎてから少しすると空が泣き始めました。木道の上で雨具の上だけ羽織ります。竜宮小屋の手前で職人さん達が道の修理をしていました。この人達のお陰で私達が安全にトレッキングを楽しむことができるのです。感謝です。
竜宮小屋で少し休み、只管木道を歩き続けます。何人もの方達とすれ違います。雨が降っていても皆さん歩いているのですね。先導が良いのかコースタイム通りに進んでいます。東電小屋への分岐(牛首分岐)で休んでいると、ツアーの団体が到着しました。ここから自由行動するようで案内人と思われる方が皆さんにコースの説明をしていましたので、東電尾瀬橋が架け替え工事のため赤田代(温泉小屋)方面への道は通行止めであることを教えてあげます。赤田代へ抜けようと計画していた方は残念がっていました。
細かい雨なのですがなかなか上がりません。山ノ鼻へ向かう幼稚園児の団体に追いつきました。ひよこちゃんたちは一所懸命、長い列になって雨の中を歩いています。この年齢から尾瀬を歩かせるような幼児教育をしているところがあることに驚かされます。園児の団体の先頭を追い抜くころに山ノ鼻に着きました。予定時刻を大幅に短縮しての到着です。皆頑張りました。ここまで来れば後は1時間強で鳩待峠に着けるので、時間の許す限り休憩することにします。
汗をかくくらい急ぎ足で歩いたので皆にソフトクリームをプレゼントします。Kikuさんはお腹が空いたらしくその後でラーメンを食べていました。私は、キリンラガーが目に留まり頂くことにします。どうしてもそちらに目が行ってしまいます。この調子なら上手くいけば鳩待山荘で入浴ができるかもしれないと思い皆に聞いてみたところ、入ろうということになり早速出発することにします。山ノ鼻から鳩待峠までは殆どの箇所が木道に整備されています。やや登り傾向の道で以前歩いたときにはバテた覚えがある苦手な道です。
流石に若手のTaishiさん、Kikuさんはハイペースで歩きますが、それにNeーさんがピッタリ付いていくではありませんか。恐るべき底力です。私は相変わらず最後尾を歩いていますが、登りが少し急になると途端に離されます。基礎体力の違いを思い知らされるところです。“風呂”と“ビール”を交互に頭に浮かべて気を紛らわせるようにしながら歩きます。普段の登山でも仕事の事などは考えないようにしています。石を敷き詰めた最後の坂道を登りきると鳩待峠の広場に出ます。左手にある鳩待山荘へ「風呂、風呂」と呟きながら一目散に向かいます。鳩待山荘の風呂は温泉ではありませんが、お湯を使うことができます。昨晩宿泊した温泉小屋では、湯船は温泉ですが、他は冷水が出るだけでしたから、お湯を被れる嬉しさは計り知れないものがあります。ここでも当然、石鹸類を使用することはできません。
お風呂から上がり、隣の土産物店で“ビール”を飲みながら“おみやげ”を物色します。漬物類の試食を摘んでいるとビールが進みます。というより試食をさかなにビールを飲んでいるといった風に写ったかも知れません。(“きゃらぶき”を土産にしましたがとても評判が良かったです)2本目を飲み終わる頃にシャトルバスへの乗車案内がありました。シャトルバスで戸倉まで下り、新宿行きの大型バスに乗り換えます。これで終わりと思うと心残りがありましたので、お土産用に「地酒」300ml.を1本求めバスに乗り込みました。バスには同類の男性先輩も居られました。戸倉で大型バスに乗り換えます。私の隣席にはNeーさんが座りましたが、さぞかしお酒臭かったことでしょう。次の休憩場所(ドライブイン)に着く頃には「地酒」も無くなりそうでしたので、本当のお土産に地酒を1本求めました。
ひとしきり後席のTaishiさんやKikuさん達と旅の余韻を楽しみながら話していましたが、何時しか静かになったと振り向くと、皆さんお休みになっていました。一人で燥いでもいられないので私も眠ることに付き合うことにしました。Zzz