吾 妻 山

2,035m(西吾妻山) 山形県 福島県

2007年9月29日(土)  曇り時々晴れ
【メンバー】 単独

白布湯元(9:00)→(9:05)天元台 →(9:50)北望台(10:00)→(10:20)カモシカ展望台 →(10:30)大凹 →(11:00)梵天岩(11:05)→天狗岩分岐 →(11:23)西吾妻山 →避難小屋 →天狗岩 →(12:10)梵天岩(13:00)→(13:36)人形岩 →(14:06)北望台 →(14:43)天元台(15:00)→(15:05)白布湯元

【歩行時間 4時間10分】

西吾妻山は2004年8月に一切経山の登頂後に登る予定で山麓まで来たことがあるのですが、時間が足りなくてパスしたことがありずっと気になっていた山です。
旅行会社のツアーも日程的に合わないなど先延ばしされてきました。
たまたま、休日のスケジュールがポッカリ空いたので、夜行日帰りの強行軍とはなりますが、吾妻山に出掛けることにしました。
東京駅23時50分発の夜行高速バスに乗車し、米沢駅東口に着いたのは未だ暗い翌4時50分で、バスを降りたのは3人だけでした。

米沢駅東口広場


早朝の外気は冷たく直ぐに長袖シャツを着込みます。予想以上に閑散とした駅前に少し呆然と佇んでいましたが気を取り直して予定していた24時間営業のネットカフェに向かいます。

米沢駅西口バス停


ネットカフェには15分ほどで着きましたが、館内には人の気配がありません。照明は点いていて営業しているようですがお客様の姿は見えず東京のゲームセンターとは大違いです。

米沢駅西口広場


余りにもイメージと違う雰囲気なので入ることを止めて駅の反対側(西口)へ行ってみることにします。
隣にあるセブンイレブンには数人のお客様が買い物をしていて、この光景はどこの店も変わりません。
駅の西口には商店街はありますが、時間が時間だけにどこのお店も開いていません。当然ですが…。
仕方なく白布湯元行きのバスが発車する時刻まで駅の待合室で休むことにします。

米沢駅発の白布湯元行きバスは定刻通り8時05分に発車しました。乗り込んだ登山客は私を含めて3人で他の一般乗客は2人だけです。
バスは各停留所の所定時刻に合わせて通過するために停留所のかなり手前から減速します。お客様の乗り遅れが無いようにするローカル路線バスならではの心配りだと思います。途中で数人の乗客の乗り降りがあり、終点白布湯元には定刻を少し遅れて8時50分に着きました。
運転手の方と二言三言言葉を交わし、ロープウェー湯元駅へ向かいます。

西吾妻山のコースガイドは沢山あるのですが、所要時間がまちまちで、帰りもリフト、ロープウェー、バスに頼る私は、登山計画の時にどのコースにするか迷いました。
結局、所要時間には余裕を持たせ、休憩時間は短縮という計画になりました。
湯元駅の待合には既に10数人の登山者が発車を待っています。殆どの方がマイカーで来ているようです。

天元台高原駅

猿の横顔の岩の水場

リフト乗場(全て何々ロマンスリフトの名が付く)


湯元駅からロープウェーで天元台高原駅まで標高差430mをわずか5分で登ります。
天元台高原は冬季はスキー場になりペンション村などの施設も充実しています。
天元台高原駅から更にリフトを3本乗り継いで9時50分北望台に着きました。

北望台登山口


今日の天気予報は晴れだったのですが、山頂付近一帯に雲が掛かっていて展望は利きません。時折、霧も上がってきます。
簡単にストレッチを済ませ10時00分に登山開始です。登り始めは石の混ざる樹林帯を歩きます。この周辺の木々はシラビソでしょうか?森林の中を独特の匂いの空気が流れます。


直ぐに人形石とカモシカ展望台との分岐で、右のカモシカ展望台方面へ進みます。
登山道は良く整備されていて歩きやすくペースを上げられるような道ですが、未だ右足の捻挫の痛みが残っているので大事をとってゆっくりと歩きます。

かもしか展望台(名前の由来はわかりません)


突然、石を敷き詰めたカモシカ展望台に出ます。
風が強く体が急激に冷やされます。振り返るとここは西側が開けていて霧の向こうに山並みがぼんやりと見えます。
期待していた展望台でしたが、この霧の中では長居しても意味がないので先に進みます。

木道が続く

西吾妻山

人形石との分岐(前方の右ピークは中吾妻山)


ハイマツ帯になると前方の視界が開けやや下り気味の木道が敷設された道になります。右手には西吾妻山の姿が見えてきます。ピークの左側に見えるのが梵天岩でしょうか?
正面の3つのピークの右端が中吾妻山だと思います。
左から人形石からの道が合流すると、どんどん下っていきます。帰りの登りが辛そうです。

大凹を見下ろす


少し行くと大凹が見下ろせるところに出ます。 ここからは先を行く登山者が列を成して歩くのが見えます。 大凹は、地塘が点在する湿地帯で、季節には高山植物が多く見られるそうです。 この周辺には「いろは沼」や水場があるはずですが見つけることができませんでした。

地塘が点在する大凹

大凹の南端から振り返る

大凹の南端から岩場のやや急な登りになります。 岩場といっても一枚岩の崖状ではなく、小さい岩が積み重なったような階段状のところです。
先行していた数人のパーティーの渋滞に巻き込まれました。あまり山歩きの経験が多くない感じの女性軍団です。
この岩場が終わると視界が開け階段状の木道を進むと左後方に山群が見えてきました。

岩ゴロの登り

中吾妻山の右手奥には赤く崩落跡を見せる安達太良山が姿を現します。思わず立ち止まりカメラを構えます。山の天気は変わりやすいので見える時がシャッターチャンスなのです。
ほぼ同じペースで先を歩いていたご夫婦が休憩する横を通り過ぎ、更に進むと大きな岩の重なる場所に出ます。

木道から振り返る(遠方右方に安達太良山)

登山道を無視して大岩の間をよじ登ると周囲の視界が開けます。ここは梵天岩で360度の眺望が得られる場所として期待していましたが、残念なことに雲に阻まれて遠方は見えません。20数人の登山者が思い思いに時を楽しんでいます。風に吹かれると汗が冷えて寒いです。風が当らない場所を探しますが、良い場所は既に先人に占拠されています。 昼食には時間的に早いので、先に山頂を踏んでから小屋周辺で食事することに変更します。

梵天岩の岩場

梵天岩の標柱

遠方に安達太良山

中央が吾妻神社 右に天狗岩


岩が敷き詰められた梵天岩を後にハイマツ帯を進むと再び岩が敷き詰められた広場に出ます。
右側の大きな岩が天狗岩だと思います。遠くに吾妻神社の社も見えます。下山する時に吾妻神社の向こう側から戻るので、今は立ち寄らないで山頂を目指します。

最後の登り(後方に梵天岩場)


山頂までは樹林帯の中の穏やかな登りの道です。
紅葉も始まっています。木道が敷かれているところや、水溜りもありますが、歩きにくいことはありません。余裕を持って歩けます。
女性の話し声が聞こえてきたと思ったら山頂に着きました。

狭い西吾妻山頂

山頂は直径5~6mくらいの狭い空間で標柱が1本立っている展望も無い樹林の中にあります。6人ほどの女性登山者が記念撮影をしていて混雑しています。満員電車に乗り込むような気持ちで山頂に足を踏み入れました。直後に先に追い越したご夫婦が到着して山頂は超満員になりました。ここで昼食のお店を広げようとしていた女性陣はさすがに諦めて避難小屋の方へ行ってからにしようと話し合っていました。当たり前だー。

西大巓の左後方に桧原湖

このような人達と一緒には居たくないのでさっさと標柱の写真を撮り西吾妻小屋へ向かいます。
小屋へは来た方角と反対側へ下っていきます。直ぐに展望が開け桧原湖の左側に磐梯山の山裾だけが正面に見えてきます。数人の方が展望を楽しんで居ます。狭い登山道なので立ち止まると渋滞してしまうため写真に収めて先を急ぎます。

西吾妻小屋

石が混じる土の道が終わると木道になります。この山も植生保護に力を入れていることが感じ取れます。
かまぼこ型の赤い屋根の西吾妻小屋はトイレと部屋だけの無人小屋で、ひょっとしたら売店があってバッジが買えるかもしれないという淡い期待は見事に外れてしまいました。 小屋の周りに休憩するスペースも無いので天狗岩まで戻ることにします。

西吾妻山と紅葉


西吾妻山に目をやるとこちらの斜面の方が紅葉が目立ちます。木道の脇にエゾオヤマリンドウが咲いています。既に最盛期を越えて多くが枯れ始めています。 木道が終わると吾妻神社の社が建つ岩場の下部に着きます。

天狗岩わきの吾妻神社


吾妻神社で登山の安全を祈願して昼食のスペースを探しますが、ここの岩の平原も風が強く、唯一、風除けになりそうな天狗岩の周りは先人が居て結局、梵天岩まで戻ることにします。

吾妻神社からの西吾妻山

天狗岩?

梵天岩からの展望

梵天岩では大きな岩がゴロゴロあるので風除けには絶好です。気に入ったスペースが確保できたので食事にします。
久しぶりに湯沸しセットを持参したので温かい食物が食べられます。寒い季節には温かい食物が体を温めてくれます。
時間的にはかなりの余裕ができたので、展望の良いここで出きる限りの時間を過ごすことにします。

梵天岩からの展望(安達太良山方面)

梵天岩からの展望(大凹方面)

梵天岩からの展望(米沢市街地方面)

梵天岩からは間近に西吾妻山をはじめ吾妻連峰の山々や安達太良山などが望め、視界の良い時は飯豊連峰、朝日連峰や月山なども見えるそうです。
朝に登ってきた木道を歩く人々が米粒のように見えます。霞んでいますが米沢市街も見えます。お腹も満腹になり、ぼんやりと日向ぼっこをして至福の時を過ごします。
13時に梵天岩を出発しました。

人形石への分岐


十分に英気を養ったのでモリモリと力が湧きあがってきます。
木道と岩場を大凹まで下り、木道を登り返すと人形岩への分岐となり右に進みます。更に木道の登りが続き、木道が終わると岩の広場に出ます。この山塊は岩を敷き詰めたような広場が多数存在するようです。

人形石


多勢のツアー登山者が大きな岩の周りで騒いでいます。
記念撮影に夢中で下山を促すリーダーの声を無視しています。
近づき難いので遠くから人形岩の写真だけ撮って先に下ることにします。

天元台高原が見える(北望台へ下る途中で)

樹林帯に入ると石が散在する山道になります。
ゴゼンタチバナの群落の前でご夫婦が写真を撮られていました。私も真っ赤な実を撮影しました。
北望台のリフト乗場までの道は、整備状況があまり良くありません。
僅かな距離だと高をくくっていましたが、予想以上に時間を費やして北望台のリフト乗場に戻ってきました。ここからは往路を辿りリフトとロープウェーで白布湯元まで下りました。

北望台のリフト乗場へ戻る(安全の鐘)

ロープウェーを降りると二人連れの40歳代の女性から登山口を尋ねられました。
このお二人は明日、ロープウェーを使わずに登るための下見に来たそうです。女性は元気で強い!
ロープウェーの従業員の方に勧められた米沢市営の温泉センターで入浴し、ほろ酔い気分で白布湯元17時30分発の米沢駅行きの路線バスに乗り込みました。
乗車したのは私一人だけでした。

アキノキリンソウ

エゾオヤマリンドウ

ゴゼンタチバナの実