飯 豊 山
2,128m(大日岳)福島県・山形県・新潟県
前夜東京駅22:00発 夜行バスで道の駅「めざみの里」(山形県飯豊町)へ
【第1日目/ 行動時間 7時間10分】
めざみの里(5:00)…(タクシー)…(5:45)大日杉登山口(6:05)→(6:40)鎖場 →(7:15)長之助清水 →(7:30)御田の杉 →(9:15)地蔵岳【1539m】→(11:56)御坪 →(12:45)水場 →(13:15)切合(きりあわせ))避難小屋
【第2日目/ 行動時間 10時間55分】
切合避難小屋(5:15)→(5:52)草履塚【1908m】→(6:14)姥権現 →(6:39)御前坂 →(7:10)水場分岐 →(7:23)本山小屋【2102m】→(7:40)飯豊山【2105m】→(8:05)駒形山(2038m) →(8:25)玄山分岐道 →(9:05)御西避難小屋 →(10:40)大日岳【2128m】(11:00)→(12:18)御西避難小屋 →(13:08)玄山分岐道 →飯豊山 →(14:10)本山小屋 →(15:02)鎖場 →(16:10)切合避難小屋
【第3日目/ 行動時間 4時間43分】
切合避難小屋(5:17)→(8:00)地蔵岳 →(9:55)鎖場上 →(10:40)鎖場下 →(11:00)大日杉登 山口
飯豊連峰最高峰の大日岳です 御西小屋からの稜線にて
飯豊山は高山植物の豊富さでも有名で、特産のヒメサユリの咲く季節に訪れるつもりでいましたが、待ち切れず「まいたび倶楽部」の山行に参加しました。
飯豊山は、2000m級のピーク6峰を連ねる飯豊連峰の主峰で、磐梯朝日国立公園に属しており、飯豊山の西側にそびえる大日岳が最高峰です。古くから米沢盆地、会津盆地や越後平野の人々から信仰の対象とされてきました。文禄四年(1595)の記録では、会津領主の蒲生氏郷によって山頂に祀られた五社権現までの登拝道が整備され、参拝者が増加していったようです。このような経緯があって、明治期の廃藩置県で新潟県に編入されるところを、福島県の人々の運動によって、福島県への編入が決定したようです。
このために現在の山頂付近の飯豊神社と参道(登山道)一帯は、福島県喜多方市となっており、避難小屋の「三国小屋」「切合小屋」「本山小屋」「御西小屋」も同市が管理運営しています。
北俣岳や烏帽子岳方面への稜線です
今年の連日の暴風雨で、この一帯は林道の崩壊などの被害に遭い、代表格の川入登山口が利用できなくなったため、「大日杉登山口」からのコースを歩きました。
大日岳が三日間とも望めるという希少な晴天が続き、林間では無風状態の酷暑登山とはなりましたが、稜線では涼風を受けての快適な山歩きとなり、心に残る三日間となりました。
今回の山行では飯豊連峰南部のほんの一部を歩いただけでしたので、花の季節に北部から時間を掛けて縦走してみたいと思います。
2013年9月20日(金)1日目
大日杉登山口の駐車場です。道幅は狭いもののしっかりした道路が通じていたのは予想外でした。
6時5分、夜行バスで固まった体をストレッチして、大日杉登山口を出発します。
歩き始めて30分ほどで、粘土質の滑りやすいザンゲ坂を登っていきます。帰りには嫌な下りになりそうです。
長之助清水という水場に着きました。
ここで小休止です。
急登を黙々と登っていきます。樹林帯の中は、無風状態で暑さが厳しいです。
左前方に山が見えてきましたが、おそらく飯豊山かと思われますが確証はありません。とにかく暑いです。
歩き始めて3時間10分ほどで地蔵岳(1539m)に着きました。
今日の行程のだいたい半分を歩きました。一休みです。
地蔵岳から2時間40分ほど歩くと石の祠がありました。
「御坪」といわれるところです。
稜線に出ると正面に飯豊山(前衛峰)がその姿を見せました。今日宿泊する切合小屋も見えます。
この登りを越えれば沢の水場に着きそうです。
なにしろ暑くて、冷たい水に早く出会いたいです。
沢の水場で休憩です。冷たい水を飲んで生き返ります。
ミヤマリンドウが一面に咲いていました。
水場を後に、切合小屋に向かいます。ここから小屋までは20分ほどの道程です。
種蒔山の山腹をトラバース気味に歩いていきます。
前方に見えるのは飯豊山ではなく前衛峰なのです。
13時10分、切合小屋に到着しました。
7時間ほどの道程でしたが、暑くて厳しかったです。
大日岳が遥か遠くに望めました。 明日はあのピークまで往復するのです。
大日岳の肩に陽が沈んでいきます。
明日も好天が期待できそうです。
2013年9月21日(土)2日目
朝陽が登ります。昨日より雲が少し多いですが、今日も良い天気になりそうです。
5時20分に予定通り出発です。
風が少し強めですが僕は涼しくて好きです。
「草履塚」のピークです。昔は飯豊山神社への登拝者が、ここで草履を脱いだことから、この名があるそうです。
草履塚から大日岳への稜線が一望できます。
残雪も見られます。
草履塚からの登山道です。歩きやすく良く整備されている道です。信仰の道だからでしょうか?
女人禁制の飯豊山中に入った「小松のマエ」という女性が、神の怒りに触れて石に変えられたという「姥権現」
御秘所と呼ばれる岩場です。ステップがしっかり切ってあるので、安心して登れます。
森林限界を超えているので、日差しも風もダイレクトに受けます。風があるので昨日のように暑くはありません。快適!!
飯豊山神社(本山小屋)に着きました。ここの小屋番は有名な方で、神前で脱帽しない登山者が叱られていました。
本山小屋での休憩後、飯豊山へ向かいます。この位置にある飯豊山は山麓からは見えないはずです。
飯豊山(2105m)山頂です。
ここからは360度の眺望です。
飯豊山山頂で記念撮影を済ませ、飯豊連峰最高峰の大日岳へ向かいます。駒形山と御西岳を越えていきます。
駒形山を下り、玄山道分岐で休憩します。
振り返ると駒形山とその奥に飯豊山が聳えていました。
御西小屋が見えてきました。
大日岳が近づいてきましたが、最後は急登のようです。
御西小屋に着きました。小屋前で休憩します。
ここは烏帽子岳や北俣岳方面への分かれ道です。
北俣岳や烏帽子岳方面への稜線です。この方面を歩かなければ飯豊連峰の本当の良さを知ることはできないそうです。
御西小屋を出て大日岳への稜線を歩きます。
涼風がとても気持ちよく、快適に歩けます。
大日岳への最後の急登を前に休憩をします。
残り45分くらいで山頂に着きます。
飯豊連峰最高峰の大日岳(2128m)に着きました。
切合小屋から5時間30分を要しました。
大日岳山頂からは360度の眺望が望めます。
小広い山頂で大休憩をとることにします。
大日岳山頂からの西大日岳です。
烏帽子岳、北股岳方面の稜線です。
機会があったら歩いてみたいと思います。
大日岳から往路を戻ります。切合小屋(稜線の右端辺り)までの帰路が見渡せます。遠いな~。
大日岳を振り返ります。やはり下りは早いです。あっという間に鞍部まで下ってしまいました。
玄山道分岐で一休み。
これから、駒形山、飯豊山と登って帰路につきます。
本山小屋からの下りです。登っているときには気付きませんでしたが、かなりガレています。
御秘所の岩場も無事に下りました。この先の草履塚を登って下れば切合小屋は一投足です。
切合小屋前の広場が見えてきました。
今日の行程はこれで終了です。約11時間の山行でした。
2013年9月22日(日)3日目
今日は、切合小屋からの下山になります。
今日の天候も良さそうです。
日の出前の大日岳です
東方面には、吾妻連邦や磐梯山のシルエットがグラデーションのように望めます。
往路で撮影しなかった「御田の杉」の大木。この緯度、標高で、これだけの杉が育つのは珍しいです。
ザンゲ坂の鎖場の降り口では、渋滞のため約40分待ちとなりました。正面に穴の開いた木がありました。
ザンゲ坂の鎖場を下りました。粘土質の滑りやすい急坂ですが、ステップがあるので何とかなります。
登山口近くの大日杉跡です。樹齢1000年とも言われる直径3.3mの大日杉の切り株。明治43年に伐採されてしまいました。
大日杉登山口に戻ってきました。切合小屋から約6時間の山行でした。「まいたび倶楽部」の皆さんは健脚者揃いでした。
飯豊山から御西小屋周辺までの一帯を歩いて、シーズンには素晴らしいお花畑になることが想像できました。
飯豊連峰の南部の一部を歩いただけですが、この連峰のスケールの大きさをまざまざと感じました。烏帽子岳や北股岳方面も歩いてはじめてこの飯豊連峰を登ったといえるのではないでしょうか。
充分な時間をもってじっくり歩いてみたい山の一つになりました。