月 山
1,984m 山形県
月山八合目(6:27)→(6:36)月山御田原参籠所(6:38)→(7:11)休憩(7:16)→(7:57)仏生池小屋(8:15)→(9:09)三角点(9:11)→(9:20)月山山頂(9:40)→牛首→(10:24)湯殿山分岐(10:40)→(11:26)月山リフト上駅 ***(リフト)***(11:59)月山リフト下駅 →(12:10)姥沢駐車場
【歩行時間 4時間6分】
湯殿山分岐付近からの月山
夜行日帰りで行ける登山ツアーを物色していたところ、休暇と合致する月山登山があるので迷うことなく申し込みました。このところ東北地方の山を集中的に登るようになっているのは、旅行会社の安価なツアー企画が多いためです。
エコノミー症候群になりそうな夜行バスの座席の狭さにウンザリし、いつものように眠れぬ夜を過ごしました。添乗員の新井さんや、早池峰でご一緒だったご婦人など、サンケイツアーズの顔馴染みも増えてきました。
霜が降りて少し滑る平坦な木道を歩き始めます。視界の先にはたおやかな平原が続いています。登山というよりも高原ハイクのようです。
直ぐに月山中之宮(御田原参籠所)に着きます。休憩するほど歩いてはいませんが、先頭グループの前でガイドさんが何か説明をしています。最後尾を歩いていた私には何も聞こえません。信心深い方は、祠を前に拝んでいます。周囲の風景をカメラに収めて出発します。
月山中之宮
登山道の鳥居
この登山道は鳥海山をずっと背後に従えて登ります。御嶽と同じように石が敷詰められていて、修験道者が登りやすいように良く整備されている道です。登山をしているという感じではなく、のんびりゆったりと散歩をしている気分です。
今日は、久しぶりの好天に恵まれて清々しい気分です。花のシーズンは既に過ぎていて見かけることはできませんが、山頂近くでは紅葉が始まっているようで色付きが見えます。
高度を上げるにつれて紅葉の色付きがハッキリしてきます。うまくすれば紅葉に出会えるかもしれないと少し期待していたのでとても嬉しい気持ちです。
月山は独立峰なので、何の障害も無く、全てが見渡せます。鳥海山の東側には雲海が入っています。写真では見せられなくて残念です。
山頂に到着するまではこの天気であって欲しいと願います。
鳥海山の東側(右側)には雲海
紅葉が濃くなってきました
登り始めて1時間30分ほどで仏生池小屋に着きました。この仏生池周辺はシーズンにはお花畑となるところだそうです。ここには出来たてのとても綺麗なトイレがあり、女性の方が喜んでいました。ここまでの道のりで既に遅れている方がいるので時間調整をすることになりました。
上方の紅葉が一段とはっきりしてきました。バスで隣席になった72歳の男性が御嶽や立山に登ったことを自慢げに話しています。聞いている方は登山経験が少ない様子で、色々な質問をされていました。
オモワシ山と彫ってある
最後尾のご老人の到着に合せて先行組は仏生池小屋を出発します。直ぐに「オモワシ山」の標柱を通過します。この山の名前の由来は、月山の山頂だと「思わせぶり」をさせるからだそうです。山頂はまだまだ先にあって、登山道からは見えないのです。
大きめになった岩が散在する道を登ります。紅葉が一段とはっきりしてきました。春や夏の花の季節も良いのですが、紅葉の季節も良いものです。下手な写真家でも自然のお陰で芸術作品になることもあります。
後方に月山中之宮(御田原参籠所)と剣が峰
もうすっかり秋の色です
今日はずっと鳥海山と一緒です
最後の登りと勘違いした階段
岩がゴロゴロする道は、見た目ほど登り難くはありません。振り返ると鳥海山の丹精な姿が望めます。今日は朝から鳥海山と一緒です。鳥海山も来年には登りに来たいと思います。
前方に空が広がり、最後の登りだと思った階段を登りきると、左側に三角点のピークが見え、未だ山頂ではなかったとガッカリします。でも、あと僅かで山頂に到着することは間違いありません。
階段を登り切った所から見える三角点があるピークです
階段を登りきると木道が山頂まで続いています。ところがガイドさんは直ぐには山頂へは向かわず、途中から三角点のあるピークへ登っていきます。
ガイドさんから三角点の概要を説明していただきました。四角柱の垂直面がそれぞれ東西南北を向いていることや、地中深く埋められていること、設置されている間隔など知らないことばかりでした。登山メンバーの中には、この三角点登頂が目的だというご婦人が居て、山名と標高を記したプレートを自らご用意になり記念撮影をされていました。
三角点です
山頂から南東方面です
月山山頂の月山神社です
三角点峰から月山神社のある山頂まではごく僅かで着きます。山頂といっても、月山神社の境内となっていて、360度のパノラマを想像していたのですが、神社の建物があるため、視界は遮られてしまいます。内部は撮影禁止の看板が建っています。馬鹿正直に撮影は遠慮しましたが、山頂へ昇ったという達成感は得られず拍子抜けした感じです。
最後尾の方が到着する目処がたつまで、ここで暫くの間、休憩することになりました。 背負ってきたパンを平らげて水分も十分採ってから、月山頂上小屋に山バッジを買いに下りました。
月山頂上小屋のオリジナルバッジは、デザイン的にとても優れていると思います。初め見たときには、『assan』て何だろうと不思議に思いましたが、よく見ると「月とピッケル」で月山の頭文字『G』をデザインしてあるではないですか‼
このような山バッジは初めてお目にかかりました。 グッドデザイン賞ものではないでしょうか。
月山頂上です
月山頂上山荘と石畳の道です
最後尾の方が山頂まで400mの地点まで来ていることを確認して、本隊は先に出発することになりました。石畳の坂道を下ると間もなく左側にトイレがあり、その先に月山頂上山荘があります。 振り返ると山と月山神社が一体となって城郭のように聳えています。 下りは、ガレてやや急な道になります。ストックは邪魔になるので使わないことにしました。
湯殿山方面(湯殿山へは登山道が無いそうです)
庄内平野です
これから山頂を目指す登山者
山頂付近は、すっかり紅葉です
湯殿山への分岐です
湯殿山分岐の手前で小休止します。腰が悪い最後尾のご老人が相当遅れているようでここで時間調整をします。山頂には到着して下山にかかったという連絡は入っていたようですが、下山路を仰ぎ見てもそれらしい姿は見つけられません。添乗員さんも相当心配しています。あまり時間を浪費することも出来ないので、待たずに出発することになりました。私は、この景色から離れがたいので、もっと待っていても良かったのですが…。
湯殿山分岐からの下りは木道も整備されていて、初夏の花の季節には、素晴らしいお花畑になりそうなところを歩きます。万年雪が解けて小沢になっている水は冷たく気持ちが良いです。 お名残り惜しくて何度も何度も山頂を振り帰りながら、明るく開けた高原を下って行きます。 姥沢へ下る道を左に分けて、姥ケ岳への分岐を過ぎると月山リフト上駅が見えてきます。
リフト乗り場で添乗員の新井さんから、気がかりになっていたご老人が下りでペースダウンしたことを聞きました。もう一人の若いガイドさんがマンツーマンで付き添っているので何とかなるようです。自分も同じようなことにならないように十分注意して山登りを続けなければと自分に言い聞かせます。 下山している間に隊列の間隔が相当開いてしまったので、残りの41名が集まるまで待機します。 今回は待機時間がとても多い登山です。
リフトでは登ってくる中学生達とすれ違いました。彼らはすれ違うたびに『こんにちは』と声を掛けてきます。私も負けずに『こんにちは・行ってらっしゃい』と返します。手を振ってくる子もいます。まだまだ、日本も捨てたもんじゃないなと嬉しくなります。そんなことを思っている間にリフト下駅に着きます。駅舎の自動販売機のビールが目に飛び込んできましたが、とりあえず止めて姥沢の駐車場に向かいます。途中で2mくらいのヘビと出会いました。近づくとザザザと草むらの中に逃げ込んでいきました。
駐車場近くの山小屋の前の道端にビールや清涼飲料水を冷やしている水槽が置かれています。他の登山者がビールを買っているのを見かけ、その誘惑に負けて私も買ってしまいました。 駐車場へ歩きながら飲んでいたら、着くころには既に空っぽでした。おかわりは温泉を上がるまで我慢することにしてバスに乗り込みました。 花の季節にも来てみたい山でした。