岩 木 山

1,625m  青森県
2014年10月5日登頂は ココ

2007年9月21日(金)  曇り
【メンバー】 妻 + 私

津軽岩木スカイライン駐車場(11:04)→(11:33)リフト乗場分岐 →(11:40)鳳鳴ヒュッテ(11:42)→(11:55)売店小屋(12:01)→(12:13)岩木山頂(12:20)→(12:43)鳳鳴ヒュッテ(12:47)→(13:20)津軽岩木スカイライン駐車場

【歩行時間 1時間57分】

弘前城本丸跡からの岩木山


2泊3日で青森県の百名山二山を登りに行きました。両神山以来の妻と一緒の山行です。
岩木山は津軽地方の住民に「おいわきやま」と呼ばれて親しまれている山岳信仰の山で、山頂には岩木山神社奥宮があります。山麓にある岩木山神社で毎年、旧暦の8月1日に例大祭「お山参詣」(国指定重要無形民俗文化財に指定)が盛大に行われ、多くの地域住民が深夜に山頂登拝し御来光を拝むそうです。

台風が朝鮮半島方面へ逸れてくれたおかげで、なんとか晴れ間が見える天気になりました。羽田空港から青森空港までは1時間余りのフライトです。いつもながら飛行機の移動は本当に楽だと思います。空港からレンタカーで津軽岩木スカイラインの終点まで走ってしまいますので、登り下りで2時間程度の楽チンな山登りです。空港に降り立ったときの天候は、やや雲は多いですが晴れ間が見えますので、回復してくれることを願いながらレンタカーで津軽岩木スカイラインを目指します。

国道7号線でJR五能線を渡ってから岩木川沿いを走るときに右手に岩木山が見えました。長く雄大に裾野を伸ばした姿は富士山に似ています。山頂付近に雲がかかっていますが、強い風が雲を吹き飛ばしてくれることを期待します。スカイラインの登り口料金所で係りの女性からリフトは運行していないことを聞かされ「強風のためですか?」と尋ねたところ生返事をされました。何十ものカーブを曲がりスカイライン終点の駐車場に到着した時は、強風だけではなく、一体は濃い霧に包まれて周囲の視界は完全に遮られていました。

係りの女性が生返事したのはこれも原因だったのかもしれません。強風と霧に包まれていても、遥々、横浜から来たからには簡単に撤退できませんので、予定通り登ることにします。悪天で萎えた気持ちを奮い立たせて準備にとりかかります。妻はさっさと支度を終え、登山口横に建つドライブインの売店で飲用水を買って戻りました。急き立てられる気持ちで登山口へ向かいます。ドライブインの中の休憩室には登山者が十数人休んでいるのですが、この霧で登ることに躊躇しているみたいです。

狭い登山道

登山口は階段で始まります。何段も登らないうちに折り返して潅木帯の中の人ひとりが歩ける程度の細い山道を登ります。多くの人がリフトを使って登るため道幅が広がらないのだと思います。スカイライン終点の駐車場の強風はどこへ行ってしまったのか林の中までは襲ってきません。木々に守られている気分です。登山道は傾斜も緩やかで登りやすく、駐車場から30分ほどで灌木帯を抜け稜線に出ます。

リフト上駅への分岐

岩木山神社への分岐

リフト上駅への分岐を右に見て強風の中を少しで鳳鳴ヒュッテに着きます。この小屋は昭和39年に秋田県立大館鳳鳴高校の生徒4名がこの山で遭難して死亡したことから、その鎮魂と遭難事故の防止を願って建てられたとのことです。ご年配のカップルが食事休憩をしていました。少し休もうかとも思いましたが、風を避けられる場所もないので、先に進むことにします。ここからは、岩場、ガレ場の急坂が続く道に変わります。遮るものが無いため風の直撃を受けます。

雨が降っているわけではないのですが、霧が風とともに襲ってきますので、髪は水分を含んでビショビショです。岩場を登り始めて直ぐに前方から子供の声が聞こえてきました。それもかなりの人数のようです。少し登った先の平らな場所で、これから出発しようとしている小学生の団体に出会いました。最後尾の付き添い人から「お先に」の合図があったので追い抜きかけましたが、この先にも相当の人数が居るようなので休憩をしていないこともあり、少し戻って待機することにします。

2人組みの青年が到着しましたが彼らも小学生軍団の行方を静観しているようです。この平坦地は稜線ほど風の直撃を受けない場所で、鉄板屋根に石を載せた鉄板張りの小さな売店のような小屋が建っています。少し動かないでいると気温と強風のために体がどんどん冷えてきます。長居もできないので、そろそろと出発することにします。再び岩場の登りになります。容赦なしに風は吹き付けます。至仏山で暴風雨の中を歩いた時のことを思い出します。少し登ると先行していた小学生軍団に追いつきます。休憩しているようです。

最後尾の付き人から「お先に」と言われたので、追い越していきます。一人の子供に「こんにちは」と言われたので「こんにちは」を返すと、そちらこちらから「こんにちは」という人懐こそうな声が聞こえてきます。こちらもできる限り返答します。休憩していた小学生を追い越すと間もなく山頂に到着しました。山頂には何倍もの小学生が、それぞれ思うがままに休んでいます。先に目をやると祠がみえたので、子供たちを掻き分けて祠の正面に向かいます。

岩木山神社奥宮です。妻の記念撮影をしていると近くに居た男性単独登山者がツーショットを撮影してくれました。その男性に御礼を言ってそこを離れ風が避けられる場所を探し回っていると、妻が三角点と鐘を吊り下げたオブジェを見つけました。ここが本当の山頂のようです。
相変わらず強い風が吹き付けます。風を避けられる場所は先に到着していた小学生達に占領されているし、天候の回復も難しそうなので諦めて下山することにします。

三角点

鐘の下がるオブジェ

岩場の急坂を慎重に下ります。いつもと違って下るスピードは速くありません。急坂で慎重になっているのではなく、実は妻は腰痛上がり、私は足首の捻挫が完治していないという状態で無理がきかない体調だからです。実は今回の山行は諦めなければならないと思っていたのですが、なんとか本番までに間に合わせることができたのでした。
登りのときに通過した鳳鳴ヒュッテで一服することにします。ここから岩木山神社への道が分岐しています。岩木山神社の「お山参詣」の時はこの道を下るのだと思います。スカイライン駐車場には予定時刻よりも早く戻ることができたので、岩木山神社へ寄ってみることにします。
 

岩木山神社

スカイラインを下るにしたがい青空が見えてきました。山頂周辺だけに雲がまとわり付いていたようです。岩木山神社に着く前に昼食を食べようと「お蕎麦」屋さんを探しながら車を走らせます。嶽温泉付近に差し掛かるとお店の前の「嶽きみ」という看板が目につき、初めは何のことか分からずにいましたが、どうも「とうもろこし」だろうということになり、車を止めて買ってみることにします。お腹が空いていたせいかとても甘くて美味しいとうもろこしでした。

岩木山神社に着くと駐車場の広場でシャーベットを売っていました。妻は一目散で買いに行きました。下界は岩木山頂の強風と霧がまったく信じられない真夏の陽気です。
鳥居をくぐると本社に向かって真っ直ぐに参道が延びています。想像以上に立派な神社に驚かされました。失礼な言い方ですが正直言ってこれほど大規模な神社とは思っていませんでした。

鳥居をくぐると直ぐに右手に「五本杉」と命名された大木がありました。5本の杉の木が一本の木のように生えています。しめ縄が巻かれて名札も立っていましたが、何も解説はありませんでした。
建造物のほとんどが重要文化財に指定されています。
赤い門へ上がっていく石段の柵の柱にサルのような石像が両脇に設置されています。このような石像を見るのは初めてのことです。

重要文化財の門

逆立ちした猿?

彫刻が施された門

カラフルな色使いです

岩木山頂への登山口へも行ってみましたが、一生この道を登ることはないでしょう。
境内の最深部まで進んで、違う道を引き返してきました。水場のサイズも大きくて、長い柄のヒシャクで水を汲むようになっていました。この水量を受け止めるには体力が要るみたいです。
お腹も空いていて早く食事にしたいので、参道入口の食堂に入ろうとも思いましたが、美味しいお蕎麦が食べたいということになり、弘前城の周辺に着くまで我慢することにしました。予定外の良い見学ができました。