トムラウシ
2,141m 北海道
トムラウシ短縮登山口(4:03)→ カムイ天上 → コマドリ沢分岐 → 前トム平 → トムラウシ公園 → 南沼キャンプ指定地 → トムラウシ山頂 →(往路を戻る)→(16:39)トムラウシ短縮登山口
【行動時間 12時間36分】
トムラウシは、東大雪を代表する山で、「大雪の奥座敷」などと言われていたことがあるようですが、短縮登山口が開設されて日帰りが可能になったこともあり、毎年多勢の登山者が訪れる山に変貌しています。
そのトムラウシで起きた2009年7月の遭難事故では低体温症により9名の尊い命が奪われました。山が持つ厳しい一面を思い起こさせてもらったようです。山は時には牙をむくこともあるのです。
今回は、短縮登山口から山頂をピストンするコースを歩きます。登山道はぬかるみが多く、足元は泥まみれになると予告されていましたので、スパッツ装着で歩きます。
短縮登山口を4時に出発です。
今日の行動時間は13時間の予定です。
トムラウシ温泉からの登山道と合流します。
歩行時間で1時間40分の短縮になります。
針葉樹林の中の穏やかな道を登ります。 所々に柔らかい土のところがありますが、昨日が一日中、晴天であったので登山道もかなり乾いています。
広葉樹林帯に変わり、登山口から1時間10分ほどでカムイ天上に着きます。一休みします。
カムイ天上から僅かに旧道との分岐があります。旧道は現在は立ち入り禁止になっています。新道は、笹の刈り払い道で、西側の眺望が優れています。
左前方に昨日登った十勝連峰が見えてきます。皆さん一斉にカメラを向けるので、臨時の撮影時間となりました。
更に笹の道を進むと前方にトムラウシが見えてきます。未だ、かなりの距離があります。雑木の道から「こまどり沢」まで下らなければなりません。
今まで登ってきた分をすべて下ってしまうことになります。帰りにはこれが登りになるので、疲れた体にはこたえそうです。
チシマノキンバイソウ
コンウツギ
トカチフウロ
ウサギギク
エゾヒメクワガタ
ミヤマキンバイ
コマドリ沢分岐に下り、小休止の後にコマドリ沢沿いに登っていきます。コマドリ沢沿いでは何種類かの高山植物が咲いています。
高山植物を楽しみながら登っていくと「前トム平」という平坦地に着きます。十勝連邦の山頂も望めます。
岩場を登りきり、ここからトムラウシ公園に下ります。この辺りで霧にまかれたら、迷子になること確実です。
前トム平からは、稜線を乗越して、反対側の岩場を登ることになります。大きな岩が累々と積み重なっていて、この箇所だけ異質な感じがします。
イワブクロ
ツガザクラ
エゾツツジ
トムラウシ公園は、池もあり高山植物の咲く平原で、トムラウシ山頂が近くに見えます。
トムラウシ公園で小休止の後、山頂を目指して登っていきます。この辺りから高山植物が豊富になります。
エゾマルバシモツケ
エゾコザクラ
エゾノツガザクラ
アオノツガザクラ
チングルマ
ウスユキトウヒレン
トムラウシ公園入口から20分ほど登った平坦地はお花畑になっていました。8月中旬だというのにチングルマが咲いていました。驚きです。
オプタテシケ山方面との分岐で休みます。
近くはテント場になっています。
分岐から登ってきた来た方向を振り返ると十勝連峰が綺麗に望めました。山頂へはあと30分くらいです。
山頂直下は、岩が積み重なった岩礫地帯を登っていきますが、しっかりとステップが効くので難しいことはありません。
トムラウシの山頂標柱と三角点です。短縮登山口から6時間20分の登りでした。時間は掛かっていますが、その時間を感じさせない楽しいコースでした。
山頂からは、旭岳などの大雪山系や十勝連峰、遠くには雄阿寒岳、雌阿寒岳や阿寒富士などの山々が眺められ、至福のひとときを過ごすことができました。大満足です。
山頂は、大岩が重なるそれほど広くはありません。昼食をしてから時間の許す限り、のんびりします。トムラウシを征服したみんなは、足取りも軽やかに下山することになりました。
お名残惜しいのですが、天候の具合も心配ですし、下山も6時間を見込んでいますので、のんびりしてもいられないのです。
エゾイワツメクサ
タカネトウウチクソウ
イチヤクソウ
往路と同じにトムラウシ公園でお休みします。
トムラウシ公園から見上げるトムラウシ山が「またおいで」と言っているみたいです。出来ることなら、是非また来たいです。
乗越した所からトムラウシ公園を見下ろします。
この景色をもう一度見ることができるのでしょうか?
岩場の稜線を歩きます。前方の空の様子が怪しくなってきました。3時ころには降り出すかもしれません。
前トム平でも休みます。
皆さんも少し疲れが出てきたようです。
案の定、雨が落ち始めました。それほど強い雨ではないのですが、評判どおり足元はグチャグチャで、スパッツも泥まみれになりました。
短縮登山口には、16時39分に着きました。17名のグループで山頂から5時間40分の下山は優秀だと思います。
皆さんお疲れさまでした (^0^)