羅 臼 岳

1,660m 北海道

2011年8月16日(火)  小雨のち雲り
【メンバー】クラブツーリズムメンバー & 私

木下小屋(5:28)→ 弥三郎水 → 極楽平 → 銀冷水 → 羽衣峠 → 大沢入口 → 羅臼平 → 岩清水 → 羅臼岳 →(往路を戻る)→(15:26)木下小屋

【行動時間 9時間58分】

羅臼岳は、知床半島の千島火山帯に属する休火山で、その主峰、最高峰です。知床は、アイヌ語のシレ・トクという「さいはての地」という意味を持ち、その原始性豊かなダイナミックな自然が残されていることから、2005年に世界遺産に登録されました。
雄大な自然ゆえ、北海道に生息するヒグマに警戒しながら登山しなければなりません。
小雨が降る中、登山口の木下小屋を出発しました。

シラビソの樹林帯の中を緩やかに登っていきます。
足元はそんなにぬかるみにはなりません。

「注意!ヒグマ出没多発区間」の看板が緊張させます。この看板は端っこにヒグマにかじられた跡が残っています。

オホーツク展望台で立ち休みします。展望台といっても霧に包まれ何も見えません。頂上まで約5.9Kmの位置です。

ヒグマ出没多発地帯の650m岩峰を過ぎて20分ほどで、弥三吉水の水場に着きます。この水はキタキツネによるエキノコックスの危険があるので煮沸して飲まなければいけません。

極楽平に入りました。この辺りからは暫く平坦地が続きます。

前方に何やらピークが見えますが、どのあたりなのでしょうか?

仙人坂の急登を登りきると銀冷水の水場に着きます。
ここの水も煮沸が必要です。ここでも小休止します。

ここには、簡易トイレがありますが、あくまでも囲いがあるだけで、携帯トイレで処理することに変わりはありません。余りにも常識のない使われ方に手を焼き、地元では撤去も考えたみたいです。

銀冷水を出て、峠とはわからないような「羽衣峠」を越え、20分ほどで大沢入口となります。

大沢の左岸を登っていきます。

大沢を登り切る手前で立ち休みをします。
ここから土嚢が階段状に設置されています。皇太子妃雅子さま効果のようです。

立ち休みをしていると岩場の影から「エゾシマリス」が顔を出しました。可愛らしい姿にみなさん感激していました。(写真の中央)

再び大沢沿いを登り、岩場を過ぎザレの急登を踏ん張ると羅臼平に着きます。

羅臼平には、ハイマツに囲まれた平坦地で、木下弥三吉翁のレリーフが設置されています。

木下弥三吉翁は、知床の山々を愛した方で、羅臼岳の登山道の創始者です。碑には「限りなく知床を愛し惜しみなくこれを頒ち与えた木下弥三吉君」と書かれています。

羅臼平を出るとテント泊をする登山者用に食料庫が設置されています。これもヒグマ対策です。

チシマクモマグサ

メアカンフスマ

ミヤマシャジン

羅臼平を出てハイマツ帯を20分弱で岩清水の水場に着きます。ここの水は湧き水なので、生でも飲めるようです。甘くて軟らかい水でした。

ハイマツ帯から岩場の急登を息を整えながら登ります。雨で岩が滑りやすいので注意です。

山頂直下の岩場をよじ登ると山頂に到着します。
山頂は余り広くなく、20人も立つと一杯になります。

周囲は、崖なので足元には注意が必要です。
残念ながら霧に包まれて全く視界は利きません。

みんなで順番に登頂記念の撮影をします。山頂では、15分も居ると寒さのために体が震えてきます。

霧も晴れそうにないし、寒さで長居もできないので下山となりました。この寒さで北海道の山を感じました。

羅臼平辺りに差し掛かり、羅臼岳が少し姿を見せました。しかし、最後まで全容を見せることはありませんでした。

大沢の頭の岩場を下ります。
岩場は下りのときのほうが危険なので特に注意します。

大沢を快適に下ります。思っていた以上に大沢沿いの歩きが長く感じられました。

極楽平の樹木は、風雪のためにクネクネと曲がって成長しています。

弥三吉水を越えた辺りで右側に知床連山の連なりが見えました。硫黄山のシレトコスミレの話をしたら、ガイドさんはやらないと断られました。苦難の山のようです。

オホーツク展望台で小休止します。
その名の通りオホーツク海が望めます。

霧が少し晴れたオホーツク展望台からの眺望です。
うっすらとオホーツク海が見えました。

樹林帯を下ります。間もなく木下小屋に着きます。

木下小屋では汚物の処理をします。
処理費は携帯トイレの代金に含まれています。

木下小屋に隣接して建つホテル「地の涯」の全景です。今日はこのホテルに宿泊です。
お疲れさまでした。