中 原 山
1,968m 群馬県
鳩待峠(8:34)→(9:53)横田代 →(10:25)1939mピーク(10:30)→(10:37)中原山 →(10:54)アヤメ平(11:05)→(11:28)中原山 →(11:48)横田代西端 →(12:37)鳩待峠
【行動時間 4時間03分】
アヤメ平
尾瀬二日目です。
尾瀬ヶ原はたくさんの方々で木道の混雑が予想されることや、昨日山ノ鼻周辺を歩いて花の開花が遅れているのがわかっていたので、尾瀬ヶ原行きを止めて尾瀬戸倉温泉の宿の女将さんに勧められた「アヤメ平」に行くことにします。未知のコースはなんだかワクワクします。
地図で確認すると鳩待峠からアヤメ平までは、高低差約380m、2時間10分ほどの行程で、万一、アヤメ平に到着できなくても途中で引き返してくることにすれば、心にゆとりを持って歩けます。
鳩待山荘の横の階段が登り口です。鳩待峠に沢山の人が居た割には、前後に人を見かけません。このコースを歩く人は少ないみたいです。
この登山道はごく普通の土の穏やかな登り道から始まります。少し進むと木道になり前方から話し声が聞こえてきます。
男性五人組のパーティーです。一人の方から行先を訪ねられ「アヤメ平」と言うと、この方たちも目的地は同じで行けるところまで行くとのこと。我々と同じですねなどと話しながら追い越していきます。きっとまたこのコース上でお会いすることでしょう。
シラビソなどの樹林から出された酸素が充満する朝の空気をタップリ吸い込みながらゆっくりと散歩を楽しみます。
昨日とはうって変って樹林帯の中は涼しくてとても快適です。yamahitsujiさんは倒木に付いたコケや再生した新芽の姿が好きとのことで、時折立ち止まって撮影しています。好きな被写体があって良かったです。
屋久島に絶対に行きたいと話してくれたのは、アニメ「もののけ姫」のモデルになった「白谷の苔の森」が目的なのだとピンときました。私も屋久島は是非とも行きたい山ですが、いつになることやら。。。
ギンリョウソウ
林床にギンリョウソウの群生を見つけました。昨晩の夕立で土が洗われて綺麗な姿になっています。この花は全体が半透明の白色で、姿も変っていて気味が悪いと言う人もいます。花の中央が紺色になっているものは初めて見ました。
鳩待峠から80分ほどで前方に緑の絨毯が広がり、タテヤマリンドウが咲く横田代に着きます。
湿原を木道で縦断すると、爽やかな風が吹き抜けます。今日はやや雲があって日向でも暑過ぎることはありません。湿原からカエルの鳴き声も聞こえてきます。
タテヤマリンドウ
ウラジロヨウラク
シロバナハナニガナ
この広い湿原を私たちだけで占領しています。
緩やかに木道を登っていくと後方に昨日登った至仏山がせり上がってきます。穏やかな山容なのに、昨日は何故あんなに辛かったのでしょうか?
チングルマの綿毛
横田代にはベンチが設置されていましたが、そのまま先に進みます。湿原が終わり潅木帯を登りきったところのベンチで一休みします。 ここはおそらく1939m地点だと思います。ベンチの脇に「アカモノ」を見つけました。 見回すとそちらこちらに咲いています。気付かずに見逃してしまうところでした。
アカモノ
湿原の中にモウセンゴケを見つけました。
食虫植物として有名です。
モウセンゴケ
前方に上原山らしきピークが望めます。
思っていたよりも早く着けそうです。
更に進むと木道に付属するように再びベンチが現れましたがそのまま通過します。
木道が1本になり、低木の林をひと登りで中原山(1968m)に着きます。
山名標柱がひっそりと立つ静かな山頂です。標柱をカメラに収め、先へ進みます。
中原山からは僅かに下り5分ほどで「アヤメ平」の西端に着きます。コバイケイソウが咲いています。ここにも人影は見えません。何だか高原を貸切にしているみたいです。
数年前にTaishiさんやNe~さんたちと燧ケ岳に登った時も、熊沢田代や広沢田代の湿原は貸切状態だったことを思い出します。何かとても贅沢な感じがします。
アヤメ平という名前からは、アヤメが一面に咲いているというイメージがありましたが、見渡す限りアヤメの群生地らしき姿は見えません。
僅かに数輪のカキツバタを見つけただけでした。
カキツバタ
更に写真を撮影しながら木道を進んでいくと、前方のベンチで休む二人の姿を見かけましたが、近づく間に発たれてしまいました。のんびりと木道を歩いていると後方から単独行の女性が追い抜いて富士見峠の方へ下っていきました。
アヤメ平から燧ケ岳
アヤメ平というからには、もう少しアヤメが咲いていても良いのにと思い富士見峠方面へも探しに行ったりしましたが、やはり咲いていませんでした。地名とは違うのですね。(後にアヤメ平の地名は、キンコウカの葉とアヤメを間違えて名付けてしまったということを知りました。)
至仏山をバックにアヤメ平にて
燧ケ岳の山頂付近には怪しい雲がかかっていて、こちらに向かっているようにも見えます。
ベンチに戻り少しボンヤリします。このひと時がけっこう好きなんです。
少し休んでから、鳩待峠へ向けて下ることにします。
サワラン
行きには見つけられなかったサワランやムシトリスミレなどをカメラに収めながら帰途につきます。
タテヤマリンドウの群生
ムシトリスミレ
キンコウカ
ハイマツ
帰り道は、至仏山を正面に見ながら木道を下っていきます。雨雲には追いかけられずに済みそうです。
この林に入ると至仏山は見えなくなります。 名残を惜しみながら、お別れです。
土の道も朝よりは乾いていて歩きやすくなりました。
林の中を歩いていくと、今朝お会いした5人組パーティーに追いつきました。彼らは中原山で宴会をして戻ってきたとのことでした。鳩待峠は、それから僅かで到着しました。
ゴゼンタチバナ
宿の女将さんに紹介されたアヤメ平は穴場としてお勧めです。とても満足できるハイキングとなりました。
お疲れ様でした。