霧ケ峰 美ヶ原
1,925m(車山) 長野県
2001年8月11日の霧ケ峰登頂はココ
【美ヶ原】山本小屋ふる里館 → 美しの塔 → 山本小屋ふるさと館
【霧ケ峰】八島ケ原湿原ビジターセンター → 八島ケ池 → 鬼ケ泉水 → 八島ケ原ビジターセンター
車山肩 → 強清水方面(引き返し)→車山肩 → 車山湿原 → 車山肩
白樺湖の周回道路からの蓼科山
日本百名城の小諸城に行った道すがら、約10年ぶりに美ヶ原高原と霧が峰に立ち寄ることにしました。
美ヶ原高原は、私が山登りを始める切欠となった1997年8月の家族旅行で訪れた思い出の地で、妻とは約14年ぶりの訪問です。
美ヶ原の王ケ頭からは、条件が良ければ富士山をはじめ、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳など日本百名山の名峰41座が見渡せることから、残雪のあるこの時期に是非、見ておきたいと思っていました。
王ケ頭です
また、美ヶ原高原や霧ケ峰は、股関節の障害で段差が大きい登山は厳しくなった妻でも歩ける平坦なところなので、一緒に行くことにしました。
家族旅行のときは正しく霧の中を車で通過しただけで、何の思い出も残っていない霧ケ峰をもう一度、ジックリ見直してみることも目的の一つです。
(私は2001年の夏に長女と車山に登っていますが、当時は単なるピークハンターだったため、この地の魅力を何も感じていませんでした。)
白樺湖のホテルの部屋からの車山
私にはもう一つ「ザゼンソウの撮影」という目的があります。山の草花の撮影を始めてから、見たことがない植物があれば追い求めるようになっている自分が不思議でなりません。
ザゼンソウは雪解け直後の短い期間(約10日間)にしか見ることが出来ない希少な植物です。
ビーナスラインからの蓼科山
ビーナスラインからの八ヶ岳
王ケ頭に向かう 何人かの同類が居る
今日の天候は下り坂で、予報ではところにより20m/秒の強風が吹くところがあるようです。
山本小屋ふる里館(美ヶ原)へは前泊した白樺湖畔のホテルからビーナスラインで1時間弱ですが、寄り道をしながら走ったので1時間半ほどを要しました。
蓼科山が望める
山本小屋ふる里館の気温は6度、防寒対策を済ませ、王ケ頭へ向け出発します。
王ケ頭までは約40分の散策ですが、天気予報のとおりの強風で、零度を下回るくらいの体感温度です。
美しの塔と遠景は王ケ頭
美しの塔まで通常であれば10分程度で歩けるのですが、強風のために立ち止まったりしたので余分に時間がかかりました。
この天候では山々の眺望も得られないことと、余りの強風のため気持ちが萎えてしまったことから、またの機会に再訪することにして今日はここで撤退することにします。
山本小屋へ戻る 正面は牛伏山
右手には蓼科山
山本小屋ふる里館の前の湿地帯に何かの新芽が出ていて、小屋の若い社員の方(青梅市出身)に伺いましたら、わざわざ植物に詳しい小屋の料理長に聞いてきてくださり「ミズバショウ」であることがわかりました。
料理長が増やすために株分け作業をされているとのお話を伺い感激いたしました。
お土産を買い求めてから、山本小屋ふる里館をあとに「ザゼンソウ」を探しに八島ケ原湿原へ向かいます。
ミズバショウの新芽
八島ケ原湿原~車山湿原
「あざみの歌」の歌碑
八島ビジターセンターに立ち寄り、ザゼンソウの情報を伺ったところ、例年だと今頃は八島ケ池の辺に咲くそうですが、今年は寒さが続いたために未だ確認されていないようです。
木道を鬼ケ泉水へ向かいます
それでも諦めきれないので、八島ケ池から鬼ケ泉水まで歩き、引き返して八島ケ原湿原際の木道を歩いてみましたが、それらしい姿はどこにも見えませんでした。残念です。
湿原際の木道を歩いてザゼンソウを探します
遠くに車山と蓼科山が見えます
仕方がないので、NETで見た記事を信じて車山へ向かうことにします。情報を集めるために途中の「霧ケ峰自然保護センター」に立ち寄りましたら、開花情報としてしっかり掲示されていました。場所は車山湿原でした。未だお目にかかっていませんが、開花している場所が特定できたことで一安心です。
小腹が空いたので軽食の店でホットドッグでも食べようと注文すると、8分程度待たないといけないとのことなので、我慢してこのまま車山へ向かいます。
車山肩の駐車場から望む車山
車山肩の駐車場に車を留めて、念のために登山靴に履き替え、いざ出陣です。妻もゆっくり後から付いてくるとのことなので、先行して歩きはじめましたが、行けどもそれらしい湿原が現れません。それもそのはずで歩く方向を間違えていたのです。振り向くと妻ははるか彼方に居て、間違えていると感じたみたいで違う道を探索しています。急いで元に戻り、付近の案内地図を見ると、ほぼ反対方向に歩いていたことがわかりました。後のスケジュールを気にして慌てて歩き始め、かえって時間をロスしてしまいました。ダメですね~。何やってるんでしょうね。
間違えた道
ザゼンソウが咲いているのは、正規の道で片道30分ほどのところです。妻も見たことが無いから行ってみたいと歩き始めましたが、直ぐに残雪の箇所を通過することになり、大事をとって引き返すことにしました。スリップでもして股関節のダメージを大きくしたら大変ですからね。私一人で撮影に向かうことにします。
少し残雪がある
車山湿原を周回する遊歩道は良く整備されていて、残雪さえなければ何ら問題なくとても歩きやすい道です。妻を待たせていることもあり、木道では小走りです。
10分ほどで目的地に着くと、咲いていましたザゼンソウが。植物図鑑などで見て名前は知っていてもお目にかかるのは初めてです。感激です。ザゼンソウの中でも美形を探して歩きます。絶対数が少ないため、なかなか美形が見つかりません。
この分岐を左に
ザゼンソウの花
若い花は黄色い
仕方なく中でも形のよいものをカメラに収め、帰路につきます。再び木道でのランニングです。(少しオーバー?)先行する三人組のハイカーを抜かせていただいて先を急ぎます。
岩の上をピョンピョンと跳ねていたら、滑ってバランスを崩し転びそうになりました。山道はゆっくり歩かなければいけませんよね。息を切らせて車山肩の駐車場に着きました。でも、おかげで30分の時間短縮ができました。
昼食も摂らずに呼吸が整うのを待って、次の目的地である諏訪の高島城へ向かいました。
車山湿原を挟んで車山を望む
【後記】
これまでは、霧ケ峰は2001年に車山に登ったことがあったので、何度も訪れる地域では無いと思っていましたが、今回の訪問で深田久弥氏が日本百名山に選んだ理由が少しは理解できた気がします。
中央高速が渋滞する土日を除けば、横浜から手軽に日帰りが出来るし、場所により八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスや槍ヶ岳などの北アルプスの山々も望め、高山植物の宝庫でもある魅力の地であることが分かり大きな収穫となりました。
今年の花の季節に一日だけでも時間を作って、もう一度訪れようと心に決めた魅力に溢れる湿原でした。
日本には良いところが多過ぎますね。