畦 ケ 丸
1,293m 神奈川県
西丹沢自然教室(9:00)→(9:30)権現山分岐 →(9:32)下棚沢出合 → 下棚の滝 →(9:42)下棚沢出合 →(9:48)本棚沢出合 → 本棚・カラ滝 →(9:57)本棚沢出合(10:02)→(10:47)善六ノタワ(10:56)→(11:37)畦ケ丸山頂 →(11:43)畦ケ丸非難小屋 →(12:17)大滝峠上分岐(12:31)→(12:58)一軒屋非難小屋 →(13:19)マスキ嵐沢 →(13:26)大滝沢 →(13:32)大滝分岐 → 大滝 →(13:36)大滝分岐 →(13:41)林道 →(13:58)大滝橋バス停
【歩行時間 4時間30分+休憩時間28分】
木の間から畦ケ丸の山頂
このところ東丹沢ばかりを歩いてきました。山の便りで西丹沢「檜洞丸」のゴヨウツツジ(シロヤシオ)が1400m以下では満開を過ぎたと聞き、西丹沢行きを決めました。数日前に私の勤務先のS-Taishiさんに久しぶりに会い、数年前に彼が登ってみたい山と言っていたのが畦ケ丸だったのも西丹沢行きを決めた理由の一つです。とは言うものの、人が余りに多いところは避けたいので、檜洞丸でも畦ケ丸でも臨機応変に変更することにして早朝に出発することにしました。
約3時間を掛けて電車、バスを乗り継ぎ登山口の「西丹沢自然教室」に着くと大勢の登山者が、準備運動をしたり、登山届けを書いたり出発準備をしています。皆さんどちらへ行くのか様子を伺っていると、団体さんを初め多くの人々が檜洞丸や大室山方面へ向かっています。それではということで畦ケ丸行きを決めます。
中川川を鉄橋で渡ります
畦ケ丸は、丹沢山塊の西端にある甲相国境(甲斐国と相模国との境)尾根の一つのピークで、標高は1293mと比較的低い山です。山麓からは見えにくい位置にあるため馴染みが少ない山です。
今日は、晴れて暑くなりそうな予報です。
桟橋で何度も渡り返します
丹沢自然教室の裏手の中川川(なかがわがわ)に架かる若草色の鉄橋を渡り、新緑に染まった西沢沿を遡上します。直ぐに突堤に突き当たり、右岸(沢の上流から見て右側)のコンクリート造の階段で越えます。
この後、何度か丸太の桟橋で西沢を渡り返します。
東海自然歩道のサブコースになっているだけあって、道標や遊歩道は良く整備されて安全に歩行できます。
前方に若いカップルが歩いています。男性のペースに女性が着いていけないみたいです。でも私とは距離を保ったままです。
突堤の左岸の階段で越えます
植林帯を歩きます
権現山への分岐 ベンチがある
権現山分岐でカップルが休むのを尻目に先へ進みます。分岐の広場にはベンチが置かれ青年二人が寛いでいます。
下棚沢出合
この先で下棚(しもんたな)への分岐があります。このコースのお楽しみの一つなので、見逃すわけにはいきません。
下棚(落差約30mほどです)
下棚の滝には、これからクライミングをしようとする老人男性二人とご婦人が準備をしています。「おはようございます」と声を掛けましたが、耳が遠いのか反応がありませんでした。
下棚沢出合へ戻り先へ進みます。6分ほどで本棚への分岐になり、当然、本棚の滝へ向かいます。
本棚は落差が約50mの立派な滝です
本棚へは途中で沢際の滑りやすい岩の斜面を数メートル歩くため注意が必要です。 本棚の滝と向かい合わせにカラ滝が落ちています。 カラ滝は名前のとおり、ときには涸れているそうですが、今日はしっかり流れています。
カラ滝は落差が約80mありますが、水量は僅かな滝です
帰り際に例のカップルが到着しましたが、女性は滑る岩の斜面のところで立ち往生してしまい、滝見物は諦めるみたいです。
本棚分岐に戻り、登山地図を確認すると善六ノタワまで1時間20分の急登が待ち構えているようなので、ここで小休止することにします。
涸れた沢を登る
愛用のミニピーナツパンを食べて休んでいる間に例のカップルが通り過ぎていきました。5分ほど休み、いよいよ樹林帯の中の急登に掛かります。次第に呼吸が荒くなります。
植林地のジグザグを登る
来月末に予定している塩見岳~北岳の縦走ができるか少し心配です。
スゥ、スゥ、ハーとリズム良くと念じながら登ります。
ベンチのある小さな平らの尾根に出ます。休もうという誘惑に駆られますが、ここはガマン、ガマン。
ジグザグの登山道なので先を歩くカップルが見えます。
丸太階段の登り
涸れた沢を渡ります
本棚分岐から40分くらい歩いたでしょうか、カップルが立ち休みしている脇を通り過ぎます。弱々しい声で「お疲れ様」と言うのが精一杯です。
善六ノタワ
時計を見ると未だ40数分しか登っていないのにかなり疲れていて、私もどこかで休もうと広くなっているところを探しながら進むと「善六ノタワ」の標識です。??何かの間違い?
善六ノタワから石棚山方面の眺望
間違いではなさそうです。少し進み左側(東側)の樹木が切れたところから見える景色は、正しくガイドブックの写真のとおりです。予定よりも早く着いて何だかとっても嬉しくなりました。そうと分かればここで一休みにします。(本当はもう少し進むと小さな広場がありベンチも置かれていたのですが)
樹の切れ間から見える檜洞丸や石棚山を眺めながら、ミニピーナツパンを食べます。
休んでいる間に、再びカップルに抜かれました。ペースがほぼ同じなのですね。
長い木製ハシゴ
充電を済ませ、善六ノタワを出ると直ぐに、展望はありませんがベンチがある小広場に着きます。ここまで我慢すれば座るところがあったのにと、少し悔しく思います。
僅かに下り、長い木製階段を登ります。二人のご婦人が先を登っています。
木製階段を登りきると傾斜が緩やかになり、そこで先行のご婦人達を追い越します。
ブナの新緑
このコースは、ほとんどが樹林帯の中で、直射日光が当らず涼しい反面、展望はなく畦が丸の山頂すら見ることができません。
畦ケ丸山頂
木々の隙間から僅かに畦ケ丸山頂の姿が見えたので、何度もカメラに収めますが上手く撮れず諦めることにします。
畦ケ丸の山頂 三角点、標柱、記念碑などがある
急な丸太階段を登りきり、何度か小さなアップダウンを繰り返すと道は緩やかになり畦が丸山頂に着きます。
山頂は三角点、標柱、ベンチ1台と記念碑があり、8人ほどの登山者が昼食を摂っています。
地面が濡れているので腰掛けることもできず、このまま200mほど先の畦ケ丸非難小屋まで行くことにします。
畦ケ丸非難小屋
非難小屋前のベンチや周りにも先客が居て、ここも満席状態です。非難小屋の裏手も見廻りましたが、座れるようなところもなく、諦めて下山路の途中で休憩場所を探すことにします。ピクニックシートを持たずに失敗しました。備えよ常に!(Boy-Scoutの教え)ですよね。
畦ケ丸非難小屋からは、丸太の急階段をスリップに気をつけて下ります。
今日はコロンビア社の登山靴を履いてきたのですが、ソールのグリップ力が低くて何度もスリップしそうになります。私にはビブラム社の基本パターンのソールのほうが安全に歩けるような気がします。(蛇足でした)
丸太の階段が終わると痩せた尾根道を歩くようになります。要所には転落防止の手すりが設置してあったりして過剰すぎるくらいに整備が進んでいます。
笹の道を過ぎ植林帯を歩くと間もなく大滝峠上の分岐に着きます。
大滝峠上の分岐
ここは、屏風岩山方面と大滝橋方面の分岐になっていてベンチが置かれています。しかしベンチが濡れているので、木の根に腰掛けます。ここで残りのミニピーナツパンを口に入れながら、記録帳に書き込んだり、帰りのバスの時刻を調べたりします。
登山地図によれば、ここから大滝橋バス停まで所要1時間40分の道のりです。現在12時30分なので少し急げば14時7分に乗れるとわかると、さっと片付けて出発することにします。
下りは結構、得意なほうなので何とかなると思いながらも、登山地図の所要時間もあてにならないこともあり、多少不安を抱えながら歩を急ぎます。このコースを歩く人は少ないので渋滞がないことが幸いです。
ステタロー沢
下り始めてすぐに「ステタロー沢」に出会います。澄んで冷たい流れの沢に転がる岩には綺麗なコケが付いています。
ステタロー沢にはナメ滝のような流れもあり、このコースがすっかり気に入ってしまいました。
一軒屋非難小屋
清流と新緑に囲まれた空間をテンポ良く下っていくと一軒屋非難小屋に着きます。ここは「鬼石沢」との合流点でもあります。
丸太橋で鬼石沢を渡り、高巻くように沢の左岸を歩きます。
徐々に沢との高低差がついてくると岩を抱いた樹木のところでUターンするように沢から離れます。
鉄骨で補強された丸太橋を渡りトラバースぎみに下っていきます。
尾根上にベンチのあるところでUターンし下り続けると再び沢に出ます。
この沢は「マスキ嵐沢」でこれを渡り更に下ると、老朽化が進んだ丸太階段を降りることになります。丸太が濡れて滑りやすいので慎重に足を下ろします。
下りきったところが大滝沢で、対岸へ丸太橋で渡ります。沢沿いに下りて冷たい水で顔を洗います。さっぱりして生気がみなぎってきます。ここまでくれば到着時間が読めて余裕が出てきます。
大滝沢を左岸に渡り返し花崗岩層の崩壊場所に差し掛かると、右手から滝の落ちるような音が聞こえてきます。
樹間から覗き込むと下のほうに滝が見えます。
カメラに収めますが、全容は写りません。
諦めて下り続けると指導標が立つ付近に沢へ下りる踏跡が付いているのを見つけ下ってみます。容易に沢まで下りられ飛び石伝いに対岸に渡り、滝の方向へ遡上すると、立派な滝が見えてきました。
大滝だと思います
地図には記載がないので確証はありませんが、これが「大滝」に間違いないと思います。
何か得をしたような気分で指導標まで戻り少し下ると植林地に出会い、回り込むように平坦な道を進むと舗装された林道に出ます。
林道を歩きながら畦ケ丸を振り返りますが、その山頂を望むことはできません。やはりどこからも畦ケ丸の山頂は見えないんですね。
900mほどの林道歩きで大滝橋に着きます。バスの発車まで10分ほど時間の余裕がありました。
今日は19時30分から町内会の会合に出席しなければならず、時間に余裕がない山行となってしまいました。
清涼感が味わえる良いコースなので再来したいと思える山でした。