鍋 割 山
1,272m 神奈川県
寄バス停(9:42)→(10:16)休憩(10:23)→(10:57)櫟山(11:07)→(11:22)栗木洞分岐 →(11:42)休憩(11:52)→(12:35)休憩(12:41)→(12:52)鍋割山(13:43)→(14:08)小丸分岐 →(14:35)休憩(14:45)→(15:39)二俣(15:50)→(16:57)大倉バス停
【歩行時間 5時間29分】
会社の先輩からのお誘いで丹沢の鍋割山へ登ってきました。鍋割山は今までに何度か登っていましたが、寄(やどりぎ)からのコースは初めてだったので参加させていただきました。メンバー7名は全員が会社関係者で1年半ぶりにお会いする方や初めて参加する方もいます。
早朝から電車の人身事故が発生するアクシデントがあり、定刻を少し遅れて「寄」バス停を出発することになりました。
私は風邪による咳で昨夜は殆ど寝られず完歩できるか少し心配です。
天候は晴れの予報が出ていますが、ガスが多くて眺望は難しそうです。簡易舗装された茶畑の中のクネクネ曲がった急坂を登って行きます。皆さん黙々と登っていますが苦しくないのでしょうか。
私はいつものように最後尾を歩きますが、先導のスピードに付いていけず置いていかれます。
先が思いやられます。
舗装路から道標に従って左折し、畑の縁から林の中の登山道に入ります。鹿除けの柵を何度か潜り植林地の中の急坂を登ります。
相変わらず先輩のKさんの歩きはハイペースです。小さなピークを越えたところで小休止となりました。
地図で位置を確認するといつの間にか送電線の下は過ぎ林道の手前あたりまで来たようです。この先には急坂が待っているみたいです。
少し下ると直ぐに林道に出て、急な階段を登っていきます。植林地の中の急坂を喘いで登って行くと前方が開けてきてやっと櫟山に着きました。
一人でチェーンソーを持って山を整備している方に出会いました。ご苦労さまです。ここで一休みします。
山頂は南東方面が開けていて秦野市街が展望できます。ドカッと座り込みます。1時間強歩いただけなのにこれほど疲れているとは思いませんでした。長めの休憩の後、後沢乗越へ向かいます。
栗の木洞のピークへも杉の植林地の急坂が続きますがそれほど長くはなく、今度は後沢乗越への急な下り坂が待っています。
ここの下りは今までに余り経験が無いような急坂で、道もやや荒れていて、ストックを持たないメンバーは苦労したのではないでしょうか。
後沢乗越を過ぎるとここから再び急坂の登り返しとなります。
下りではさすがに息が切れることはなかったのですが、登り始めてからは肺に酸素が入ってこないような感じになり少し登っては休むという繰り返しでした。
先頭とは離れてしまいましたが無理はしません。
ノロノロと登って行くと尾根の少し平らになっているところで皆さん休憩していてくれました。
水分も十分に摂っていますが、何かシャキッとしません。でもあと1時間程度の登りなので頑張らなくちゃ。 最後尾をのっそりと歩き始めます。
ドックン、ドックンと直ぐに鼓動が激しくなります。深呼吸をします。先頭とはどんどん離れて行きますが、マイペース、マイペース。
何年か前に体調不良でリタイアした時のことが頭を過ぎります。道端の花がガンバレと応援してくれているみたいです。
潅木帯が途切れてきて廻りの木々が低くなり、山頂が近づいていることが感じられてきたところで、また皆さんが待っていてくれました。私が余りに遅いので予定外の休憩を取ったみたいです。
気温も上がってきて、木陰に居ないと暑いです。昼食の時間が短縮されていくので出発です。最後の登りを頑張ります。
左側に太陽光発電のパネルが見えてくると鍋割山(1272.5m)に到着です。
タチツボスミレ
ツルシロカネソウ
ヤマルリソウ
正面に鍋割山荘が建っています。一目散で小屋に入ります。同行のT-AkiraさんやTaishiさんは小屋で冷たい飲み物を買っています。私も体をシャキッとさせたくてレモンCを買います。
Taishiさんに小屋のご主人である草野さんの話を知ったかぶりで話します。100キログラム以上の荷物を担いで山を登るボッカのパネルを見て感動したみたいです。
相変わらずのラーメン+パンの昼食を済ませてコーヒーを飲みます。何故か山では年間を通じて温かい昼食です。
この山頂からは富士山が見えるのですが、今日は残念なことに湿度が高く霞が出ていて眺望がききません。食後に小屋前のベンチに移動して出発準備を済ませ、ボーとします。
山頂の草地で休憩していた皆さんがザックを背負い始め出発する気配です。私も活を入れて立ち上がります。
鍋割山から鍋割山稜を「小丸(1341m)」へ向かい訓練所尾根(小丸尾根)を二俣へ下るコースをとります。
鍋割山稜は少しアップダウンのあるブナ林の中を歩く私の好きなコースです。鍋割山から少し下ってから小丸への登り返しが待っています。
栄養補給したり長めに休息したりできたためか、前ほどの息苦しさもなく登れます。これなら皆さんに付いて行けそうです。小丸分岐から右に訓練所尾根を下っていきます。
この尾根は秋に一度下ったことがあり、急坂の連続だった記憶があります。
今日のメンバーには、先の明星ケ岳の山行で膝を故障したAさんも同行していたので、少し心配です。でも今日の私のコンディションでは自分の頭のハエを追うのが精一杯です。
この尾根は南斜面に付いていて日当たりが良く、山道のあちこちにタチツボスミレが咲いています。この時期に咲いているのは珍しいのではないでしょうか?
スミレの写真は多数あるので撮ることもないのですが、少し写真撮影の気力が出てきました。
直前を歩くAさんはどうやら膝痛が再発したようで、びっこを引きながら下っています。聞くとサポーターで絞めているし前回ほどの痛みはないとのこと。大事に至らなければ良いのですが…
潅木帯の中を電光型に付けられた急坂を下っていきます。50分ほど下ったところで小休止します。
ここで山行経験の浅いTaishiさんから登山道をどのように見分けて歩いているのか質問があり、踏跡のことを説明しました。今までにも感じていた素朴な疑問だったのでしょう。高尾山の登山道や尾瀬のような木道を歩くことが多かったため、広い尾根道や植林地の中で本来の道を見分けて歩く機会が少なかったのかもしれません。
杉林と潅木帯を繰り返して下っていると、水の音が聞こえてくるようになります。
ミズナラやカエデと思われる新緑がとても綺麗です。沢の音が次第に大きくなると後沢乗越からの林道が眼下に見え、僅かで林道に合流し、左へ下ると直ぐに二俣へ着きます。
二俣は四十八瀬川と勘七沢が合流するところで、ここまで一般車で入ってくることができます。ここで少し休憩することにします。
勘七沢を木の橋で対岸に渡ります。
クワガタソウ
昨日までの雨の影響で普段より沢の水量は豊富です。
沢の水で顔を洗う人、うがいをする人、皆さんそれぞれに水の恩恵に与っています。
ヤブデマリ
下ってくるときに見えた白い花を間近で見ると、アジサイのような花でした。植物を良く知るTさんでも確信が持てなかったみたいですが、帰宅してから調べたところヤブデマリの花のようでした。
ツルマンネングサ
石垣のところにはツルマンネングサの黄色い花も咲いていました。
過去に撮影した記憶がなかったので念のために撮っておきます。
二俣からは小岩がゴロゴロする四十八瀬川に沿った林道を大倉バス停まで1時間ほどの道のりを歩きます。
何組かに分かれて世間話をしながら歩きます。これもまた別の意味で楽しいかもしれません。
右に国定公園の看板が見えると、間もなく左折して杉林の中を抜け、農家の間を過ぎて大倉バス停に着きます。午後4時55分でした。
今日は私が皆さんの足を引っ張ってしまいました。身辺整理の後にバスで渋沢駅に出て、茶色っぽい色の炭酸水を飲みながら反省会をして盛り上がり、帰途に着きました。本当に疲れた一日でした。