大 山
1,252m 神奈川県
蓑毛バス停(9:32)→(10:27)休憩(10:32)→(10:50)ヤビツ峠(11:15)→(12:32)大山(13:45)→(14:23)休憩(14:28)→(14:55)見晴台(15:13)→(16:00)林道出合 →(16:11)九十九曲ハイキングコース入口
【歩行時間 4時間33分】
一昨年、富士山に一緒に登ったメンバー2人に登山デビューのYukorinさんと新メンバーemiさんを加えた5人で、丹沢の大山を登ってきました。全員同じ会社なのですが、配属先の休日がそれぞれ違うのでなかなか一緒にハイキンgu~などには出かけられませんでした。
今回は幸いにも休日が重なって、久し振りに一緒の山行が実現しました。
今回初参加のYukorinさんは登山未経験ですが、チキンリトルさんらと市民マラソングループを結成している人なので、脚力には自信はあるようですが、emiさんと供に膝の故障を抱えているので少し心配です。
秦野駅のバス乗場には、ヤビツ峠行きを待つハイカーがいつものように長蛇の列を作っています。その方達を尻目に蓑毛行きバスに乗車し、約20分ほどで蓑毛バス停に着きます。
各人がそれぞれにストレッチをして出発に備えます。春岳沢に沿って舗装道路を登りはじめます。
一番若くて元気なチキンリトルさんに写真撮影の係りをお願いします。今日のコースはメジャーな下社からではなく、蓑毛からヤビツ峠まで歩き、そこから大山山頂を目指すという多少余分に歩くコースで、初心者には少し辛いかもしれませんので、ゆっくりペースで歩くことを心がけます。
天気予報に反して空には雲が重く圧し掛かっています。道端にはシャガやハナダイコンが咲いています。高尾山ではシャガが崖崩れ防止のために人工的に植えられているなどと知ったかぶりの説明をします。直ぐに蓑毛越・下社方面との分岐となり左へ進みます。
シャガ
少し先の山の喫茶店の前には水飲み場があって、自由に飲むことができます。朝に通過してしまうことが多いのでお客さんが入っているのを見たことがありません。
秦野市水道局の施設を過ぎると僅かで春岳沢を渡ります。ここは全国名水百選の水場になっています。歩き始めて25分になりますがメンバー全員の体調は良好のようです。
ここから山道になり、岩や木の根の障害物が現れてきます。小学生くらいの子供を連れたお父さんが髭僧の滝の方へ別れて行きました。
この道は杉林の中を緩やかにジグザグをきって登っていきます。
杉林が切れると灌木帯になり、また直ぐに杉林の中に入ります。
しばらく歩くと左側の杉林が切れたところから秦野市街が見下ろせるところに出ます。チキンリトルさんがここで写真を撮りましたが、偶然にも私がこのコースを始めて歩いたときに撮影した場所と同じでした。
少し額に汗が滲んでくるころ時計を見ると、出発して55分が経とうとするところなので、水分補給の小休止をすることにします。普段一人のときはヤビツ峠くらいまでは一気に歩いてしまうところですが、今日は疲れる前に早めに一息入れることを心がけています。
5分ほど休んでから、その季節には紅葉が綺麗な灌木帯を歩き始めます。左側が少し開けてきて林道のガードレールが見えてくると、崩壊があった場所に差し掛かります。以前あった登山道の一段上に新しい道が付けられています。階段を登るとヤビツ山荘の前に出るので休憩することにします。売店やトイレの場所などを説明している間に、taishiさんとチキンリトルさんには大山側に少し登ったところの広場に先に行ってもらいます。
待ち合わせの広場に着くとtaishiさんが行きずりの登山者から「濡れ煎餅」を頂いたと喜んでいます。ベンチに腰かけ皆でご相伴にあずかりました。醤油味が利いてとても美味しい(^0^) 他にも皆がそれぞれ持ってきたおやつを広げ、色々と食べ比べます。みんなお腹が空いてきたのかもしれませんね。世間話にも花が咲いて25分という予定外のロング休憩になってしまいました。ツアーでは出来ないプライベートならではの時間の使い方です。
ここからのイタツミ尾根は今までよりも少し傾斜が急になります。登りはじめは丸太の階段なので、極端にゆっくり歩くこともできず、一定のペースで歩を進めます。みんな苦しそうな様子も無く平然と登っています。本当は私が一番息苦しいのかもしれません。階段を登り終える辺りからは、未だ山桜の花が残っていました。
今日の天気予報は晴れの筈ですが一向に晴れる気配は無く、かえって雲が増えてきているみたいです。視界があれば左側に丹沢山塊が見えるのですが…。自称「晴れ男」の私ですが、どうやら「富士山以来の雨男」か「雨女」の強力メンバーが居るのかもしれません。
ヤビツ峠を出てから以降、標準ペースくらいに上げたためか間隔が少し空くようになってきました。少し疲れが出てきたのかな?この尾根道は途中で休めるところがなく、場所を探している間に26丁目の合流点手前の崩壊地まで来てしまいました。天候の良い日であればこの崩壊地から三ノ塔の向こうに富士山が姿を見せるのですが…。みんなに見せてあげたかったのに残念です。ここで少し休んで最後の登りに備えます。
崩壊地から数メートル進むと26丁目で、下社からの登山道と合流します。一気に行き交う登山者が増えます。階段状に石が積まれた道を一歩一歩、歩幅を狭くすることを特に意識して登ります。先頭を歩いているので、みんなの歩き方はわかりません。真似してくれていることを願います。
鳥居を潜り本道は真っ直ぐ行くのですが、左側の巻き道を進みます。他の登山者を迷わせてしまったみたいで、背後から「どっちが頂上?」と言う声がしました。 この道は上社の裏手に出る道で丹沢山塊が一望できる場所に出ます。が、今日は残念ながら眺望は全く利きません。みんなに覚えておいてもらえれば良いのですが。トイレの脇を回り込んで山頂に向かいます。
山頂周辺は、大勢の登山者で溢れかえっています。上社奥宮で東北地方を旅行中の妻に頼まれていた「旅行中の安全運転」を祈願します。
山頂にはお昼ごはんを食べるスペースは無いので、社務所の外れまで移動します。
私は相変わらず、カップ麺とクリームパンというミスマッチの昼食です。みんなそれぞれの昼食を用意しています。湯を沸かしてインスタントのクリームスープを皆にサービスします。各自にカップを用意してもらうことを言い忘れていたので、私が用意した味噌汁用のお椀で飲んでもらいます。更にその後、そのお椀でコーヒーも飲んでもらいました。山では多少ワイルドでも通用します。
しばらく動かないでいると肌寒くなってきました。そろそろ出発した方がよさそうです。
もう一度、山頂標柱のあるところで記念撮影をします。昨今は「gu~のポーズ」が流行っているみたいです?
山頂からは見晴台へ向けて下っていきます。
丸太の階段が続き、膝の故障者には辛い下りかもしれません。無理せずゆっくりマイペースで下ります。私が始めてこのコースを歩いたときに、調子に乗って大股で下って膝を痛めた記憶が甦ります。階段の下りでは少し歩数が増えても出来るだけ段差が少ないところを歩くのがコツかもしれません。見晴台を眼下に見下ろす中腹のベンチがあるところで少し休みます。
ここから先がこのコースの難所です。岩や木の根の障害を越えながら慎重に下っていきます。突然、叫び声がしたので振り返ると、女性が崖から落ちかけて木の根にしがみついていて、連れの男性が引き上げようと駆け寄っている光景が見えました。この女性は男性に引き上げられて事なきを得ましたが、終始笑顔でいたのが不思議でした。我々も気をつけなければ。
難所を通り過ぎたことを告げるとemiさんはホッとしたような表情をしました。落下事故を目撃して緊張していたのかもしれません。旧道が荒廃して新たに付けられた迂回路を下り、僅かに杉林の中を歩き登り返すと見晴台に着きます。
ここにも沢山のハイカーが休憩をとっています。見晴台からは先ほどまで居た大山山頂を仰ぎ見ることができます。ここの見晴台は大山ケーブルの下社駅からあまりアップダウンも無く、歩いて20~30分くらいで来られるので、元気な観光客もよく見かけます。ここで下社へエスケープしてケーブルで下るか、予定通り日向薬師方面へ下るか思案します。
膝の故障者たちは、多少疲れが出ているみたいですが、様子を聞いたところ大丈夫そうなので日向薬師へ下ることにしました。ここから先は植林地の九十九曲の坂を淡々と下っていきます。
杉林の中の景色も無い道です。日向薬師方面へ下っているのは我々5人だけみたいです。途中で何人かの登山者とすれ違いましたが、この時間から登る人も珍しいなと思いました。
どこまでも同じような道でいささかうんざりします。
川のせせらぎの音が聞こえてくると前が開けてきて階段を下ると林道に出ます。
誰かが「着いた~」と歓声を上げましたが、残念ながらもう少し下らなければなりません。
林道を横断して再び杉林の中を下っていきます。
日向ふれあい学習センターの建物が見えてくると間もなく終点です。ヤマブキの黄色い花が登山道に垂れ下がって咲いています。小さな沢を丸太の橋で渡りあと少しで再び林道に出ます。 ここが今日のハイキンgu~の終点「九十九曲ハイキングコース入口」です。 林道を右に少し下った左側にある「クアハウス山小屋」で汗を流し、待ちに待った麦酒をいただきました。
日向薬師バス停まで日向川沿いの道端の野草や川で水浴びする鳥を見たりして、山行の余韻に浸りながら30分ほど歩きます。
白い花を沢山蓄えた野草の群生に出会います。emiさんが「オドリコソウ」だと教えてくれました。カメラをザックの奥に納めていて面倒になり撮らずに帰って今さら後悔しています。
日向薬師バス停には既にバスが着いていて、数人のハイカーが待っているだけで、ゆったりと席を確保することができラッキーでした。
少し居眠りをしながら伊勢原駅に着き、食事兼反省会の後に帰途につきました。皆さんお疲れ様でした。