三浦富士~砲台山~武山

183m~204m~200m
神奈川県

2008年3月2日()  晴れ
【メンバー】 単独

京急長沢駅(9:45)→(9:52)登山口 →(9:54)解放戦士の碑 →(10:16)野比駅分岐 →(10:21)三浦富士(10:26)→(10:49)砲台山(10:51)→(11:05)武山(11:19)→(12:08)津久井浜駅

【歩行時間 2時間02分】

過去の記録を整理している中で、登っていても写真が残っていない身近な低山を冬場に纏めて撮影して歩くことにしました。今回は三浦半島の三浦富士、砲台山、武山に出かけます。
三浦富士には「浅間神社奥宮」が祀られていて、古くから人々の信仰が寄せられ毎年7月8日の例祭には三浦半島全域の富士講の行者によって護摩焚きの行事が行われているそうです。

砲台山の本名は「大塚山」といい、昭和初期に海軍が砲台を設置したことから砲台山と呼ばれるようになったようです。今でも山頂直下の木立の中には2本のコンクリート支柱、山頂にはすり鉢状の砲台跡が残っています。また、山頂には海上保安庁の受信施設が建っています。

武山は猟師や船廻の船頭たちが、漁場の位置や港の方向を知る目印にしていたそうです。山頂にある龍塚山不動院持経寺に豊漁や海上の安全に霊験あらたかな不動尊として厚い信仰を寄せ、別名「波切不動」とも呼ばれているようです。また、山頂一帯には2,000本のツツジが植えられ、季節には「武山ツツジ祭り」が催されるそうです。

京浜急行線の京急長沢駅に降り立ったのは何年ぶりでしょうか?
駅前の99ショップで食料やマスクの買出しをします。
駅の北側にある団地「グリーンハイツ」を抜けて広い車道を西へ向かうと右手に児童公園があり、そのすぐ左手が三浦富士登山口になっています。

数段の階段を登り左に緩やかな道を歩くと直ぐ右手に「解放戦士の碑」があります。この碑は神奈川県下の平和と民主主義の運動の中で逝った活動家を顕彰するために建立されたものだそうです。
また、この地からは房総半島の鋸山や伊予が岳の双子峰が望めます。

広葉樹林帯の斜面をジグザグに登ると直ぐにフェンスにぶつかり左へ回り込みます。フェンスに沿って進むと右側が開けみかん畑に出ます。ここからも房総半島が望めます。
ここから先は広葉樹林帯の緩やかな道となります。

京急長沢駅から見えた五重塔が見えないかと右側を気にしながら歩きます。ロープが張ってある滑りやすい土の急坂を登ると右側から野比駅からの道が合流します。ここを過ぎると丸太の階段となり僅かで三浦富士山頂に到着します。

山頂には浅間神社奥宮の祠や石碑も置かれています。山頂から南方向を見ると金田湾を挟んで房総半島が、右に目を転じると相模湾から伊豆半島方面、富士山も見えますと言いたいところですが、今日は生憎のガスで展望は利きません。


一人で山頂を占領していましたが、登山者が到着する気配がしたので次の砲台山を目指します。
緩やかな潅木帯の展望が無い尾根道を早足で歩くと間もなく右側から林道のような広い道が合流します。


この合流点にはどなたかが植えたと思われる水仙が満開に咲いていました。しゃがみ込んで水仙の写真を撮っていると背後から女性の単独ハイカーが抜いていきました。
追いかけるように広い林道を左へ進みます。
 


何度かカーブを過ぎるうちにその女性を追い越し展望台に着きました。
以前、この場を占領して鍋パーティーをやっていたグループを思い出します。生憎、展望台からは霞んでいて遠くは望めませんでした。


休むことなくその先の二俣を右に砲台山へ向かいます。
山頂の手前で年配の女性二人がおしゃべりしながら下ってきます。すれ違う寸前にパンフレットのようなものを落としました。拾って振り向いて呼び止めましたが、話に夢中で聞こえないみたいです。丁度例の女性が歩いてきて気付いて呼び止めてくれました。

ショートカットを登り砲台山に着きます。砲台山にはすり鉢状の砲台跡と海上保安庁の通信施設が建っています。展望があるわけでもないのでぐるりと一周して正規ルートを引き返すことにします。途中で、右側に砲台を支えたと思われるコンクリート製の支柱が二本あります。鉄筋もむき出しになり老朽化が進んでいるので長くは持たないかもしれません。少しずつ歴史も風化していくのですね。

今度は思い出の武山に向かいます。
来た道を途中まで戻り、Uターンするように下っていきます。
直ぐに砲台施設の一部の「天水桶」の前を左に直角に曲がって下ります。

少し進んだ木の間越しに武山の姿が見えました。ここから武山が見えることを始めて知りました。
冬枯れの時期にしか見られない景色なのかもしれません。

武山への尾根道を歩いていると、木々を伐採している人々に出会いました。私にもボランティアで野山の木々の剪定や下草刈をされている知人がいますが、この方たちもおそらくその種の人々だと思います。こういう方々の善意のうえに私たちのハイキングが成り立っているのです。ご苦労様の声を掛けながら通過します。

右側から登山道にはなっていないという道を合わせ、最後の丸太の階段を登りきると武山の山頂です。

山頂には屋上が見晴台になっている休憩所と武山不動尊があります。屋上見晴台の階段を上がり、一番高いところから周囲を見回します。丹沢や富士山は霞んで見えませんでしたが、房総半島や横浜港、ランドマークタワーなどが望め、清々しい気持ちです。

遠景を撮影していると女性二人組みが上ってきて「三浦半島はどこかしら?」と言うのを聞いて「ここですよ」と教えて差し上げました。面白い方たちです。狭い屋上は満員なので下のベンチで昼食にします。

山頂に到着する時刻が予想以上に早くこのまま帰るのも惜しい気がし思い巡らせて鷹取山に寄ってみることにします。また悪い癖が出ました。そうと決れば余りゆっくりもしていられないので、今朝、妻が持たせてくれたサンドウィッチを一つだけ食べて下山することにします。

津久井浜駅への下山口に立つと、数年前にカブスカウトのハイクに同行して来たときのことを思い出します。じゃんけんで先行を決めるとき、あるスカウトが「じゃんけんパーだすバカがいる」と掛け声をかけてジャンケンしたのですが、自分でパーを出して皆に笑われました。本人も相当ショックだったみたいで、この話は今でも語り草になっているようです。

赤土の階段状の坂道を快調に下り、丸く曲がって門のようになっている木を潜ります。右手に水道局の施設が見えてくると登山道は終点で、舗装道路を歩くようになります。何度か道を曲がりますが、道標があるので迷うことはありません。

民家のあちこちに水仙が植えられていて今が満開です。先月房総半島に行ったときには、既に水仙はシーズンを終えていたのに気候の違いを感じます。舗装道路を進むと少し騒がしくなり観光農園に着きます。イチゴ狩りに来た車が続々と到着しています。私も買いたかったのですが、次の鷹取山に行く予定もあるので止めることにします。

三浦富士から武山までの稜線や道端の花々を撮影しながら津久井浜駅まで歩き、次の目的地の鷹取山へ向かいました。

カンツバキ

ツルニチニチソウ

キブサスイセン

ホトケノザ

オオキバナカタバミ

パンジー