経ヶ岳~仏果山~高取山
633m~747~705m 神奈川県
半蔵坊前バス停(8:25)→(8:52)経ヶ岳登山口 →(9:46)経ヶ岳(9:53)→(11:36)仏果山(12:25)→(12:51)高取山(13:03)→(14:05)宮ケ瀬ダムサイト(14:20)…【インクライン(ケーブルカー)】…(14:25)ダム下 →(15:00)半原バス停
【歩行時間 4時間55分】
高取山からの仏果山
4年前に登った仏果山のホームページを今になって作っていて、記録写真が見当たらないので仕方なく現地へ登りに行きました。
今回は、前回登らなかった「経ヶ岳」を外さないことと、宮ケ瀬ダムサイトを見に行くことをコース計画に組み入れました。
半僧坊前バス停
本厚木駅の神奈川中央交通バス1番乗り場から半原行きに乗り、経ヶ岳の登山口となる「半僧坊前」バス停で下車します。このバス停で降りたのは、本厚木駅バス乗り場でお話したご婦人と二人だけでした。私が上着を脱いだりして出発準備をしている間に、このご婦人は先に出発して行きました。本厚木方面へ戻るように緩やかな登りの県道をのんびりと歩き始めます。
経ヶ岳登山口
三叉路の信号を越えた辺りで先ほどのご婦人が戻ってきます。「どうされたのですか?」と尋ねると「登山口がわからない」とのこと。私もこのコースは初めてですが、登山地図を見ると県道のヘアピンカーブの突端から分岐しているように図示されていたのでそれを信じ「この先だと思うのですが」と先導して進みます。案の定、地図のとおりの位置に登山口はありました。慌てん坊のご婦人のようです。
私は要所ごとに写真を撮るので「お先にどうぞ」と言ってご婦人に先に行ってもらいます。本厚木バス停での話では「遅いですから」と謙遜されていましたが、歩き慣れた方のようであっという間に姿が見えなくなりました。再び一人で歩き始めます。
小川に沿って夏場は大量の「ヒル」が出るという道を進むと立派な突堤に突き当たります。右手の階段を登り再び左岸に出て、渡り返して山道に入っていきます。
突堤の左岸を上ります
小さな沢沿いを歩きます
半原方面が少し望めます
ひのき林の中を登って少しすると少し開けたベンチがある小さな平らに出ます。
周りを見回しても眺望があるほどではないので休まずに登ります。
杉林の中を登り右側にガードレールが見えてくると少しして林道にとび出します。
丸太の階段を登っていきます
林道を横断します
檜の植林地を歩きます
この林道は普段は使われていないらしく、雑草が生い茂っています。
林道を右に少し行くと手摺が付いた急坂の登り口があります。この急坂で私のヒラメ腱が悲鳴を上げます。何のストレッチもしないで歩き始めてしまったことを後悔します。
鹿除けの扉を過ぎて杉林の尾根を登ると前方にピークが見えてきます。
尾根上の屋外卓
経ヶ岳山頂に着きました
木の間から仏果山が見えました
屋外卓が置かれたところを過ぎアップダウンを繰り返すと経ヶ岳山頂に着きます。山頂には屋外卓があり例のご婦人が何かを召し上がっていました。丹沢山と同じような山名表示板やコース案内板なども建ち、しっかり整備されている山であることが分かります。
丹沢山塊の峯峰が一望できます。ご婦人から山名を尋ねられたので自信を持ってお答えしました。丹沢山塊は私のホームグラウンドですから。少し休憩してご婦人より先に出発します。
弘法大師が経文を納めたといわれる経石
直ぐに「経石」が登山道の真ん中に立ちはだかります。経ヶ岳の名前の由来になった石です。
何枚か写真を撮っていると例のご婦人が「お先に」と言って追い越して行きました。私はロスの多い山登りです。
右手には仏果山の綺麗な三角が見えます。
仏果山方面
丸太の階段を下る
半原越で林道を横断
経ヶ岳からは林道を横断する半原越まで丸太のかなり急な階段を下ります。林道に降り立つと自転車の青年と行き交いました。向かい側に登り返しの凍結した急坂が見えます。その凍結も僅かな間で無くなり、鹿除け柵を潜り杉の植林地の中を登ります。
経ヶ岳を振り返る
再び鹿除けの扉を出て右へ行き、丸太階段を登って行きます。4年前にエスケープして帰路についた辺りです。振り返ると経ヶ岳の全景が望め写真に収めます。ここから仏果山までは急な登りの連続だったような記憶があります。歩き始めは比較的緩やかな登りでしたが所々で階段状の急坂があります。
リッチランドへの分岐
土山峠への分岐
展望板
屋外卓がある展望板を過ぎ更に進んで行くと階段状の急坂になり、その前方を見上げると例のご婦人が登りきるところでした。息を切らして登ったところが640m峰(革籠石山)で、痩せた尾根を少し進んだところに屋外卓があったので私は一休みすることにします。
ここのピークには道標があって仏果山まで0.8kmの表示があります。
尾根上の野外卓
丹沢山塊が一望
仏果山が見える
尾根道を進むと「この周辺は丹沢山塊東辺のみちといって山岳修験者の修法の霊場であった」という案内板が建っています。確かにこの辺りから尾根道が痩せてきて岩場も混ざり、少し緊張させられますが危険なほどではありません。直ぐに左側(西側)が開けて丹沢山塊が一望できるところに出ます。
痩せた尾根道
馬渡バス停へ下る道を右に分け、更に進むと正面に仏果山の姿とそこの展望塔が見えてきます。この辺りから少しずつ登山者とすれ違うことが多くなります。私が登ってきたのとは反対側のふれあいの村方面の登山口から登ってきた方たちだと思います。痩せ尾根を30分ほどで仏果山山頂に着きます。
仏果山山頂
山頂には沢山の屋外卓やベンチがあり、何人かの登山者が休んでいます。少し離れたベンチに背を向けて腰掛けている例のご婦人を見かけたのはそれが最後で、以後はお目にかかることはありませんでした。
鉄骨製のしっかりした展望塔に登って展望を楽しみます。
鉄骨製の展望塔
エメラルドグリーンの宮ケ瀬湖が眼下に見えそこからせり上がるように丹沢山塊がそびえ立っています。登る機会が増えた三ノ塔からの表尾根、強行軍で足をガクガクにさせながら下った丹沢山から丹沢三峰に延びる稜線、先月登った大室山など丹沢の盟主たちの揃い踏みです。
丹沢山塊と宮ケ瀬湖
これから向かう高取山
橋本方面の眺望
これから向かう高取山も目の前に見えます。
目を転じれば、町田、橋本の街や遠く横浜方面も望めます。しばらく展望を楽しんでから昼食にします。
いつもの質素なカップ麺です。食べ終わって片付けをしている頃に初老のご夫妻が山頂に着き、男性が周囲を見廻して空いている屋外卓を探しているようでした。
ベンチが1台空いているだけでしたので諦めてそこに腰掛けようとしたので「空きますよ」と声を掛けて私が使っていた屋外卓の席をお譲りしました。喜ぶお二人の顔を見て私もとても嬉しくなりました。時間的には余裕がありましたが、未知のコースを歩くことも考えて、予定を繰り上げて出発することにします。
高取山へ向かう尾根道
岩が混ざる赤土の急坂を下ります。続々と登ってくる方がいます。急な下りも僅かで緩やかな尾根道を高取山に向かいます。高取山から約500m手前で左に宮ケ瀬方面への分岐があり、ここまで戻ってこなければならないのは辛いなぁなどと考えながら歩きます。
高取山山頂
高取山への登り返しを終えて山頂に着きます。高取山にも綺麗な山名表示板が設置されています。以前登った時に休んだ屋外卓や展望塔も健在です。山頂のヌカルミは相変わらずで、歩き回ると靴が泥だらけになってしまいます。
高取山山頂からは宮ケ瀬ダムが見える
この展望塔からは仏果山に負けず劣らない展望が得られ、宮ケ瀬ダムが見える分こちらの勝ちだと思います。あまりゆっくりもしていられないので宮ケ瀬ダムサイトへ向けて下ることにします。ふれあいの村への道を右に分けて、尾根道を歩き始めます。
高取山山頂の指導標
道標はしっかり付いているのですが、尾根筋が細く痩せていることと、日影では雪が凍結しているので足を下ろすのが慎重になります。一歩一歩確実にグリップを確かめて下らなければなりません。アイゼンを付ける事も考えましたが、もう少しこのまま下ろうと思います。
広くない尾根道を宮ケ瀬ダムサイトへ下る
段差の低い階段のところは段差が氷で埋まり、斜めのスケートリンク状態になっていてストックを操りながら下ります。(アイゼンを付ければなんと言うことはありません。僅かの距離だったので面倒だっただけです。)雪解けのこの時期は、このコース選択は間違いだったかもしれません。
スライディングした落ち葉の尾根道
凍結箇所を過ぎると落ち葉の上のクッションの効いた道を快調に下ります。左側が開け右側が杉林の尾根でスピードを少し上げたとき、右足のグリップが効かない!と思った瞬間、私はスライディングしていました。幸いにも右側の崖は浅く事なきを得たのですが、横着をした罰が当ったみたいです。凍った雪を落ち葉が覆っていた上に、シャーベット状の雪が靴底に溜まった状態で乗ったことが原因でした。
宮ケ瀬湖を見下ろす
少し下ると宮ケ瀬湖が見下ろせるベンチがあったので、気持ちを入れ替えるために小休止することにします。ここからは宮ケ瀬湖の外周道路を走る車がハッキリと見ることができます。ここの湖水はどうしてエメラルドグリーンをしているのでしょうか?活火山は無い筈ですが、硫黄成分が多いためでしょうか。気を取り直して再び下り始めます。
緊張させられる丸太の急階段
ここからの登山道は高圧電線に沿って付けられています。雪が積もる木の墓場のような平坦なところを過ぎ、下り続け湖面が近づいてくると人工丸太の急階段を下ることになります。山地図に記載があった急階段のようです。流石に段数は数えませんでしたが、下るのが嫌になるほどの段数がありました。結局、高取山から宮ケ瀬ダムサイトまで誰一人として会うことはありませんでした。
ダムサイトの登山口に到着
宮ケ瀬ダムサイトに降り立ち待望のビールが飲めると信じて「水とエネルギー館」の中を探しましたが見当たらないので、諦めて「インクライン」というダム工事に使われたケーブルカーのような乗り物でダムを見ながら下ることにします。
立派な宮ケ瀬ダム
宮ケ瀬ダムはとても立派なダムで放水しているときを是非見たいと思いました。インクライン下からは「県立あいかわ公園」の脇を通って半原バス停まで歩きます。土曜日のためご家族連れが多く園内を走る汽車風の電気自動車「あいちゃん号」は盛況でした。
愛川町の道路脇の多くの民家に白梅が植えられていてどれも満開です。白梅に留まるメジロを見つけました。写真に収めようと何度もチャレンジしましたが叶いませんでした。
愛川大橋が架かる県道を渡り、中津川沿いを歩くと多くの釣り人が腰まで水に浸かって釣りを楽しんでいます。半世紀以上も前ですが既に他界した厚木に住んでいた従兄弟に相模川へ鮎釣りに連れて行ってもらったことを思い出します。
中津川に架かる白い日向橋を渡ると直ぐに半原バスターミナルです。