景信山~陣馬山
727m~855m 東京都・神奈川県
小仏バス停(8:40)→(8:52)景信山登山口→(9:26)小下沢分岐→(9:48)景信山(10:00)→(10:47)堂所山(10:58)→(11:23)明王峠→(12:00)陣馬山(13:30)→(14:45)陣馬登山口バス停→(15:10)藤野駅
【行動時間 6時間30分】
堂所山から雪を被った陣馬山です
景信山から陣馬山までの残雪の尾根を歩いてきました。
何度も歩いているコースなのですが、ホームページの改訂作業をしていて陣馬山全容を写した写真が1枚も無いことに気付いた途端、居ても立っても居られず丹沢行を変更して出かけることにしたのです。
陣馬山は神奈川県と東京都との境界にある山で、武田氏が北条氏の滝山城を攻めたときに陣を張った「陣場」という説と、萱を刈った場所の「茅(ちがや)場」から音が変化した説とがあるそうです。
現在は一般的に「陣馬山」と書きますが、これは50数年前に観光地として売り出そうとした京王帝都電鉄が、山のシンボルとなっている白い馬の像を建ててから「馬」の字が使われるようになったそうです。
今日は降雪後の晴天のためか高尾駅北口のバス停には登山者が溢れています。最後尾に並んでいて全員が乗れるか心配でしたが、臨時便が出て事なきを得ました。高尾駅から小仏までは京王バスに乗車して20分ほどで着きます。
小仏バス停の周辺は雪が積もっていて真っ白ですが、登山口へ向かう舗装道路(旧甲州街道)は綺麗に除雪されています。入念にストレッチを済ませ、皆さんが出てしまってから最後に出発することにします。
旧甲州街道を歩き始めます
舗装路の右側の路肩上は中央高速道路が走っていて車の騒音があります。高尾山周辺の山腹を圏央道のトンネルが貫通する計画が有るようですが、自然破壊はもう止めてこの自然を後世に残していただきたいものです。
そんなことを考えながら歩いていると前方に道路管理の市役所のトラックがこちらを向いて停車しています。傍らには二人の女性がアイゼンを付けています。
景信山への登山口
この辺りは道路の除雪が済んでいないのでアイスバーンの状態ですが、凍結している箇所はごく僅かでヘアピンカーブを過ぎれば直ぐに乾いた舗装路になります。
右側に景信山への階段が見えてきます。このまま真進して小仏峠経由で景信山へ登るルートもあるのですが、何時も行く気持ちになれないのは何故でしょうか?
杉林の中のわずかにシャーベット状の雪が残る緩斜面を登ります。
尾根に上がると落葉樹の林に変わり視界が開けてきます。落ち葉の上の雪は歩くところだけがすっかり融けています。再び杉の植林帯に入ると次第に残雪が増えて滑りやすくなります。
小下沢分岐
小下沢分岐で一人の登山者が休んでいましたが挨拶だけしてそのまま横を通り過ぎます。この時アイゼンを付けようかと迷ったのですがそのまま進んで後悔することになります。
ここから景信山頂までが今日のルートの中で一番急な登りなのです。案の定、中腹で滑って進むのが余りにも遅くなってしまい足場の悪い所でアイゼンを付ける破目になりました。山を甘く見たバチですね。アイゼンを付ければ途端に快調に歩けます。当たり前です。
景信山茶屋が閑散としています
景信山山頂には茶屋が二軒ありますが、高尾山、丹沢山塊から富士山が一望できる下段の茶屋(景信山茶屋)には誰も休んでいません。珍しいことです。ここでは、高尾山、小仏城山と石老山を撮影します。
何年間も山の写真を撮影してきましたが、これはという写真はなかなか撮れないものです。
数人の登山者が休むカゲノブ小屋のご主人に「行ってらっしゃい」と送られて陣馬山へ向かいます。
直ぐに雪道の下り坂で正面には大岳山、左側には枯れ枝に隠れて陣馬山が見えます。
ここからは小さなアップダウンが連続する尾根道で、いつもは巻き道を早足で歩くのですが、今日は時間もたっぷりあるので小さなピークも全て越えていくことにします。
それにしても雪の上を歩くのは何と楽しいのでしょう。小さい頃から雪は大好きで、童心に返って新雪の上を走り回りたいような衝動に駆られます。
堂所山への急登です
堂所山への分岐です
ルンルンしながら何度か小ピークを超え、八王子城跡への急な雪道を登り分岐を右に行くとベンチが二つ置かれた狭い堂所山の山頂に着きます。
堂所山の山頂は始めてで、ここからは奥多摩の山々やお目当ての陣馬山も望めます。富士山は木の間越に見えます。ここでは陣馬山、三頭山、御前山や大岳山を撮影しました。写真を撮っている間に、先ほど追い越したご夫婦が到着しました。ご夫婦は味付けご飯のお弁当で昼食のようです。
御前山(中央)と鷹の巣山(左)
大岳山
昼食にするには未だ早い時刻なので「お先に」と別れを告げ、「気を付けてね」の声に送られて明王峠へ向かいます。 堂所山から15分ほど歩くと右側の林がきれて視界が広がり、奥多摩方面が見えるようになります。ここでも大岳山をカメラに収めます。 近景の変化や見る角度で変わる山の形によって構図も変わるので、つい無駄な写真を撮ってしまいます。デジタルカメラだからできることで、銀鉛カメラではこうはいきません。
明王峠で休む登山者
更に約11分ほど進むと明王峠に着きます。明王峠には茶屋が建っていてトイレの横を南へ下ると相模湖駅へ出ることができます。峠には10数人の登山者が休憩していましたが、私は夏場ではいつも頂くビールを我慢して陣馬山方面へ進みます。
下り始めは泥濘でしたが直ぐに雪道に戻ります。雪解けの時は酷いドロンコ道になること間違いないと思います。
白馬の像が見えた 間もなく陣馬山頂だ
樹間から陣馬山頂の白馬の像が見えるようになると栃谷尾根への分岐を過ぎ、ドロンコの階段を登って茶屋が建つ陣馬山頂に到着します。
山頂のベンチは満席状態で沢山の登山者が寛いでいます。ベンチが一人分だけ空いているのを見つけ席を確保しラーメン作りの準備です。大室山での教訓から今回はポットにお湯も入れてきたし、高熱量のガスストーブも持ってきたのであっと言う間にお湯は沸きました。
陣馬山頂の白馬の像
3分間待つ間にテーブルに三脚を立て奥多摩方面に狙いを定めます。今日はこのために陣馬山に来たのですから。数枚の写真を撮って食事にします。
辛口ラーメンが熱くて一層辛く感じます。熱さが嬉しい(^o^v
食後に数枚の写真を撮ってベンチでぼんやりと山々を眺めます。このひと時が至福の時間です
空に溶け込んでしまった富士山
富士山は真っ白なので白昼の空に溶け込んでいます。
次に登る山はどこにしようかなどと思いをめぐらせている間に、予定していた出発時間になりました。
どのルートで下山しようか迷いましたが、結局栃谷尾根を下ることにします。
歩いてきた尾根道が見渡せました
泥濘の階段を下るとき左側に景信山から歩いてきた尾根道が見渡せました。
何度来ても今までに気付かなかったことが沢山あります。
左に景信山方面への道を分けて正面の雪道を下ります。
雪上を歩くご夫婦
下り始めは杉林の中の少し急な階段ですが、雪があってかえって歩きやすいです。この尾根は殆どが林の中なので、ひたすら歩き続けます。栃谷集落が近づき祠のある平でアイゼンを外します。
栃谷集落への簡易舗装の急坂を下り、栃谷川沿いの林道を歩いて「落合」で県道に合流します。ここには小さなトイレがありとても助かります。
県道を左に少しで登山口バス停なのですが、次のバスまで35分もあるので藤野駅まで歩いてしまいます。
沢井川沿いの県道に野菜の無人販売所があり、主婦と思しきお二人と男性がカゴの中を覗き込んでいます。椎茸が売られていたようでしたが、買わずに駅へ向かいました。
坂を上りトンネルを抜けて踏み切りを渡り、右折して線路沿いに行くと藤野駅です。
駅へ着くと上り列車が出発するところでした。次発までの35分間は仕方が無いのでビールを飲みながら待ち、次の列車で帰路につきました。