大室山~加入道山
1,558m~1,418m 神奈川県・山梨県
西丹沢自然教室(7:20)→(7:45)用木沢出合 →(8:27)休憩(8:37)→(9:07)犬越路(9:20)→(10:10)休憩(10:18)→ 分岐 →(10:53)大室山(11:05)→(11:08)分岐(12:05)→(13:03)加入道山(13:10)→(13:22)白石峠 →(14:10)休憩(14:20)→(15:23)西丹沢自然教室
【歩行時間 6時間3分】
石老山からの大室山
丹沢山塊の北西に位置し、山梨県との県境にそびえる大室山とその尾根続きの加入道山を歩きます。大室山は石老山から見ると富士山の前に立ちはだかり一際大きく目立つ山ですが、展望も無く交通の便も良くないためか訪れる登山者も少ないようです。今回は西丹沢自然教室を起点に武田信玄が小田原城へ攻めるときに犬を連れて越えたといわれる犬越路(いぬこえじ)から大室山へ登り、尾根伝いに加入道山へ行き白石沢を下る周遊コースを歩きます。
西丹沢自然教室を出発します
西丹沢自然教室の駐車場には7時に到着しましたが、既に6台ほどの乗用車が駐車していて二人組みの登山者が出るところでした。天候は晴れで気温はマイナス3℃で少し寒いです。夕刻から下り坂の天気予報なので、4時前には戻ってくることにしています。
氷の滝を撮る写真家
白石沢に沿って舗装路を歩き始めて直ぐに、東沢を渡る橋の袂で、水道管が破裂して噴出した水が木の葉にかかり凍って出来たツララの滝が現れました。思わぬ新名所をカメラに収めている方が居ました。
用木沢分岐を右へ
檜洞丸への登山口を右に見てオートキャンプ場を過ぎ、橋を渡ると用木沢出会の分岐です。左側へは林道が続いていますがゲートで閉鎖されています。右の未舗装路を進みます。この道は東海自然歩道になっていて、きちんと整備されています。
用木沢を青い橋で渡る
青色の鉄橋で用木沢を左岸に渡ります。この後は河原の中を歩いたり用木沢を何度も渡り返したりしますが、道標や赤テープが整備されていて迷うことはないと思います。でも雨後の増水時には注意が必要かもしれません。
沢の水量は少なかった
何度も沢を渡り返す
ブナの大木が倒れている。自然の厳しさなのか?
用木沢から離れながら登るとブナの大木が登山道に倒れていました。根元の崖崩れが進んで支えられなくなったみたいです。
杉の植林地の急坂を過ぎ再び雑木林に変わります。
見た目ほどは歩きにくくありません
ここで少し休憩します。今の気温はマイナス1℃ですが歩いてきて熱くなったのでシャツは脱いで冬用のアンダーシャツ1枚になります。再び雑木林の中を歩き始めます。写真ではガレて歩きにくい道のように見えますが、しっかり踏まれているので滑ることはありません。
犬越路 奥に見えるのは避難小屋
下草が笹になり、笹薮のトンネルを潜るように歩くと間もなく犬超路に着きます。犬越路は、西は大室山へ、東は檜洞丸、北は神ノ川への十字路になっていて犬越避難小屋もあります。南側が開けていて小笄(ここうげ)から檜洞丸への稜線とその向こうに石棚山などの山々が続いていて神奈川景勝50選に選ばれています。北側の樹間から見えるピークが目的地の大室山でしょうか?
大笄の奥に檜洞丸
石棚山方面です
休憩後に西側の避難小屋の前を通り大室山へ向かいます。
やや急な道を登り1168mの三角点ピークを過ぎて直ぐに西側の樹林が切れて富士山が見えるところがあります。
富士山が見えた
大室山遠望
大室山⇔白石峠の分岐
鎖の付いた岩場を下り尾根のアップダウンを繰り返します。大室山のピークは近くに見えるのですがなかなか近づきません。鞍部で休憩の後、下草が笹になり、鹿避けの柵に沿って登ると少しで大室山と加入道山との分岐に着きます。ベンチの置かれた分岐を右に緩やかな尾根を大室山に向かいます。
大室山山頂
3分ほどで山梨県百名山に選ばれている大室山に着きます。
雪が積もった山頂からはガイドブックのとおり樹林に囲まれていて展望はありません。
葉が落ちた木々の間から蛭が岳や檜洞丸が見えます。北側の山は判別できるほどハッキリは見えません。
樹間から蛭が岳
腰掛けるところもないので、分岐まで戻ってベンチで食事にします。
ラーメンを作るためにストーブで湯を沸かすのですがなかなか沸騰しません。寒冷地用ではないガスを持ってきたためです。増して最大熱量が低い方のストーブで大失敗です。ラーメンをかじるわけにもいかず待つしかありません。
分岐の端から富士山望む
待つ間ふらふらと周りを俳諧していると単独行の男性が加入道山方面から登ってきました。今日、山の中で始めて会った人です。お決まりの挨拶だけして大室山山頂の方へ登っていき、それ以後お会いしませんでした。道志方面へ下ったのかもしれません。40分かけて作った卵・椎茸・長ネギ入り塩ラーメンを食べ、少し食休みして加入道山に向かいます。
歩き始めの木道
加入道山?が見える
前大室(道志への分岐)
穏やかな下りから始まり木道を過ぎると加入道山?が見えてきます。急な丸太の階段を下っていくと、三人組の男性登山者とすれ違いました。今日二組目の登山者です。山の中で人に出会うと同士に会ったようで心が休まります。
下りきったところが破風口で、前大室へ少しきつい登り返しとなります。 前大室で道志村への道を右に分け直進を再び下っていきます。 正面の樹林の間から加入道山が顔を見せます。
加入道山山頂
馬場峠を過ぎ登り返すと加入道避難小屋の屋根が見えると直ぐに加入道山山頂に着きます。山頂の標識が無ければ見過ごしてしまうような目立たない山頂です。
大笄(左)と檜洞丸
避難小屋の屋根越しに大笄や檜洞丸が望めます。夏場はおそらく展望は望めないでしょう。水分補給とルート確認をして下山することにします。
木の間越しに大室山
白石峠(用木沢出合への分岐)
緩やかな下りを5~6分ほどで道志村(和出村)への分岐を右に分け、10分ほどで白石峠に着きます。
ベンチが一つある小さな峠で、真っ直ぐはモロクボ沢の頭・畦が丸方面への尾根で、ここは左に用木沢出合方面へ下ります。雪が付いた急坂は慎重に歩を進めます。
丸太の急坂
雪が残る急な下り
丸太の木道
ベンチがある休憩場所
アイゼンを付ければ楽なのですが面倒なのでそのまま歩きます。涸れた沢に沿って急な丸太の道を下ると、今度は林の中の涸れ沢の中を歩きます。雪が付いてスリップしそうなのでユックリと足を下ろします。数個のベンチのある広場に出ましたが休まずにもう少し歩きます。
白石の滝(見えにくい)
白石の滝の案内看板の所から振り向いて滝を覗きましたがハッキリ認知できませんでした。この辺りから次第に落葉の遊歩道みたいになり、何度か突堤付近で沢を渡り返しながら下っていきます。大きな突堤のところで靴やストックの泥を洗い、水分も補給します。
林道終点
中央が加入道山
中央の三角ピークが石棚山
傾斜も緩やかになり林道終点が近いことを感じさせます。最後の突堤を渡り返すと林道歩きとなり、今日の山歩きが終わります。後は西丹沢まで白石沢に沿って舗装された林道を歩きます。
中央窪みの右が大室山のピーク
振り返ると今日登った加入道山が見えます。
間もなく今朝通った用木沢出合に着き、更に白石オートキャンプ場を右に見て過ぎる頃には正面に石棚山の三角が立ちはだかってきます。
西丹沢自然教室の青い屋根が見えて、もう一度振り返ると大室山の堂々とした姿が私を見下ろしていました。