三ツ峠山
1,785m 山梨県
三ツ峠登山口バス停(9:10)→(9:25)清八林道登山口(9:27)→(10:44)木無山分岐 →(10:46)三ツ峠山荘広場(10:54)→(10:57)御巣鷹山分岐 →(11:09)開運山山頂【昼食】(11:39)→(11:42)御巣鷹山分岐 →(11:48)御巣鷹山直下【撮影】(11:56)→(12:00)御巣鷹山山頂(12:15)→(12:27)四季楽園~三ツ峠山荘周辺(12:50)→(13:25)三ツ峠登山口バス停
【歩行時間 2時間49分】
陣馬山から遠望した三ツ峠山
三ツ峠山は、2004年12月に富士山を急に見たくなって、衝動的に家を飛び出して登ったことがあります。カメラもメモ帳も持たずに登ったものですから、携帯で撮った3枚の写真だけが唯一残った記録でした。
当時、所有していた携帯電話のカメラ解像度は低く、ネットでも見るには耐えないレベルでした。(上の3点)この日は天候には恵まれていて、早朝の霧氷がとても綺麗でした。桜の花のようにみえるのは、枯れ枝に付いた霧氷です。
今日も霧氷が見られたらいいなと期待していましたが、快晴のうえ3月頃の陽気まで暖かくなるとのことなのでそれは諦めることにしました。
開運山(三ツ峠山)の岸壁
河口湖ICから国道137号線を甲府方面へ向かい御坂トンネルの手前から旧道の御坂みちに入ります。旧道の交通規制も天下茶屋までは無いようです。
旧道を進むと次第に雪が道端に見られるようになり、日陰では凍結しているところもありますが、チェーンなしで走れないほどの状態ではありません。
路肩に残雪があります
旧道からの富士山・河口湖
旧道からの御巣鷹山
少しすると三ツ峠登山口バス停に着きます。この路線バスは5月から11月の土・日・祝日だけの運行なので、冬場のバス停は自家用車6~7台分の駐車スペースとなっています。前回来たときと同様に既に満車で近くの路肩に駐車します。
登山靴に履き替え、積雪でスリップが予想されますがアイゼンは付けないでスパッツだけにしました。あまり寒くもないのでアンダーシャツと山シャツとセーターという服装で舗装された西川沿いの林道を歩き始めます。
林道は所々で凍結
登山口の立派な看板
西川を渡る橋では、雪解け水が凍結しアイスバーンになっていて転びそうになりました。慎重に足を運ばなければなりません。積もっている雪の上を歩くほうが滑りません。
15分ほどで林道を離れて登山道に入ります。登山道には雪が一面に積もっているのでアイゼンを付けようかと迷いましたが、面倒だったのでいけるところまで行くことにします。
登山道
登り始めて直ぐに下ってきた外国人とすれ違い「こんにちは」と挨拶を交わしました。これから先は樹林の中のジープが走る電光形の雪道をひたすら登っていきます。
左手にはこれから向かう御巣鷹山の電波塔が見えます。
御巣鷹山
北岳か?
30分ほど登ると樹間から北側に御坂山か黒岳と思われる山が競り上がってきます。更に登ると今度は南アルプスらしき山々が見えてきました。
雪が積もったベンチがある平で少し休むことにします。道に立ったままウインナパンをかじり、飲み物でゴクンと流し込みます。何とか南アルプス?が見えないかと立つ位置を変えてみますが無駄なことでした。
ベンチも積雪
樹齢300年を超える「モミの木」の案内看板
南アルプスが競り上がってきました
お腹と喉を満足させたのでまた歩き始めます。林相が変わったかと思ったら、モミの木の近くに「この付近にはモミの木が多くなかには樹齢300年以上の大木もあります 山梨県」という立て看板がありました。いつまでもこの自然を大切に残したいものです。
後方からエンジン音がしたかと思ったらジープが迫ってきていて、道を空けなければならなくなりました。小屋番の方のジープで年配の女性と幼児が同乗していました。小屋番の方のお母さんとお子様みたいに見えました。さすがにジープは速くあっという間に雪道に消えて行きました。何故か一人取り残されたような寂しい気持ちになったので私も後を追うことにします。
綺麗な青空
もうあまり時間もかからずに山頂だろうと思っていたら、前方が開けて分岐に着きました。左は山小屋四季楽園への直通のまき道で右の三ツ峠山荘への道を登ります。
以前登った時ここは泥んこのグチャグチャ道で印象が良くありませんでしたが今日は雪道でとても快適です。木無山との分岐を右に分けて、三ツ峠山荘の前を通過して広場に向かいます。
木無山頂近くの分岐
広場からは富士山は勿論のこと、南アルプス、八ヶ岳、北アルプス、金峰山など名立たる山々が一望に見渡せます。中でも富士山の雄大さや優美さは他の山に抜きん出ています。雪をまとった南アルプスの山々もその稜線がとても綺麗です。未だ三ツ峠山頂(開運山)に着いてはいないのですが、この時の感動を逃してはならないと夢中になってシャッターを切ります。
広場の方位板と遠方に南アルプス
富士山と三ツ峠山荘
近くで三脚を立てて富士山を狙っているご婦人が居ました。持たれている機材も一流のものです。私は記録写真用にK100D+SIGMA18-200㎜とIXY DIGITAL 50という軽装備です。センスが無いので本物の写真は撮れません。山荘の四季楽園は写真愛好家の基地としても有名のようです。一通り周辺の山々の写真を撮って気が済んだので開運山頂に向かいます。
開運山は南側が屏風岩と呼ばれる断崖絶壁で、クライミングに使われるそうです。御巣鷹山への道を左に分けて最後の登りにかかります。
屏風岩
山頂への道は木製階段の壊れた箇所が多くて歩きにくいです。雪がシャーベット状になって滑りやすい所もありますが、危険ということはありません。息を切らせて10数分で山頂に着きました。山頂には3人の男性が談笑をしていて「こんにちは」と声を掛けると年配の男性が笑顔で会釈を返してくれました。山頂は電波施設の建物がある一部を除いて眺望に優れ、山荘前の広場よりも高度が高いため開放感があります。
山頂からの富士山
ここでも山々を写真に収めてから、軽い昼食にします。昼食といってもコンビニのおにぎりとパンの質素なものです。どこも雪が積もっているのでここでも立ったままの食事となりました。今日は下山するまで座ることはないでしょう。年配の男性が一人で先に下山していきました。未だ二人の男性は山談義に花を咲かせています。私もあまりゆっくりもしていられないので「お先に」と言って御巣鷹山へ向かうことにします。
御坂黒岳の後方に雪をまとった南アルプスの山々
奥の雪山は左から 聖岳・ 赤石岳・ 悪沢岳・ 塩見岳・ 農鳥岳・間の岳・ 北岳・仙丈ケ岳・ 鳳凰山・甲斐駒ケ岳
手前中央から右へ 御坂黒岳・釈迦ケ岳・御坂山
※ 赤文字の山名をクリックすると拡大します
遠くに北アルプス
八ヶ岳連峰(中央のピークが赤岳)
御巣鷹山へは先ほどの分岐まで戻り右へ行きます。
ジープが走った跡の輪達を歩くと3分ほどで左の分岐に入ります。ここからは車が入らないためか雪積が多い気がします。正面に御巣鷹山がそびえそれに向かって雪道が続いています。
御巣鷹山の左後方に金峰山・国師ケ岳
この先には財宝がかくされているのでしょうか?
雪が深くなりました
行く手に何か動くものがありました。目を凝らすとニホンカモシカが登山道を横断しているではありませんか。野生のニホンカモシカを見るのは初めてで写真に収めたくて急いでザックにしまったデジイチを取り出します。
カメラだけ持ってゆっくり近づくと、カモシカはこちらを振り向いて少し立ち止まりましたが、また直ぐに歩き始めて林の中に消えていきました。
ニホンカモシカとのお見合いです
御巣鷹山への登り
北口登山道分岐
御巣鷹山頂から黒岳方面
カモシカに出会えて何かとっても感激しました。今日は天気も最高だしカモシカにも会えたし超ラッキーな一日だと思います。御巣鷹山への最後の登りにかかると、右に北口下山道があります。初滝から都留市街方面へ抜ける道のようです。ぬかるみを少しで御巣鷹山頂に着きます。
御巣鷹山直下から 富士山と四季楽園
御巣鷹山頂は一帯が電波施設になっていて、施設の周りを一周しましたが、僅かに北西側にスペースがあるだけです。山頂には誰も居ません。どこも眺望が開けていないので長居するところではないようです。山頂から清八峠方面と書かれた小さな看板があり、急な下りの踏み跡がありましたが、来た道を帰ることにします。
四季楽園で記念バッジを買い、テラスに出ると年配の男性が望遠鏡で開運山の断崖を見ています。近づくと「清八峠方面へ行ったことがあるか?」と訊ねられたので無いと答えると「雰囲気がある道で2~3時間で歩けるから一度行って見るといい」と薦められました。お一人かと訊ねると、連れの奥様はもう一度開運山に登りに行ってしまったとのことでした。きっと心配で眺めていたんですね。奥様が下るまで付き合えないので、その場を辞して木無山方面へ向かいました。
三ツ峠山荘前のベンチでは、大きな三脚を広げてカメラマンが富士山にカメラを向けています。霞がかかっていても綺麗に写せるのかな~なんて、要らぬ心配をして通り過ぎました。木無山山頂の方面へ少し歩きかけてベンチのあるところで杓子山・御正体山を眺め、今日はこれで下山することにします。振り返ると金峰山や国師ケ岳など奥秩父の山々が見え、名残は尽きないのですが意を決して歩き始めます。
スリップ防止にダブルストックを使います。この道だったらスキーで滑ったら速そうなどと思いながらスピードを上げて下ります。しばらくして後方30mくらいにジープが追いかけてきたので、もう少し近づいたら避けようと今までのペースで下っていると、いつの間にか視界から遠ざかっていました。ジープとはいえ急坂の雪道の下りでは、慎重に走らなければならないみたいです。結局、登山口に近い緩斜面のところで抜かれました。どうも写真撮影のお客さんの送迎だったようです。
林道を下り、三ツ峠登山口バス停の駐車場に着いたのは2時25分でした。三ツ峠山荘から35分で下ったことになり、少しハイペースだったかもしれません。
風呂で汗を流してから帰ろうかと悩みましたが、運転で眠くなっても嫌なので富士登山の帰りに寄った天水温泉を下見しながら帰途につきました。
天気も良く、眺望も良く、雪景色も良く、満足な一日でした。