高取山~仏果山
705m~747m 神奈川県
野外センターバス停(10:05)→ 高取山登山口 → 林道 →(11:35)高取山(12:30)→(12:52)仏果山(13:00)→ 半原越手前から戻る →(13:40)リッチランド分岐(13:47)→ リッチランド →(15:00)坂尻バス停付近
【歩行時間 4時間55分】
自宅近くの高台から丹沢山塊を眺めると冬になるとその右側に真っ白な三角のピークが見えます。その山の正体を確かめようと思い立ち丹沢山塊の北東端部に位置する仏果山から経ヶ岳へ行ってみることにしました。
(甲斐駒ヶ岳と思っていましたが、数年後「北岳」と判明しました)
仏果山の名は清川村の正住寺を開いた仏果禅師が座禅修行をしたことに由来するそうです。経ヶ岳は弘法大師が経文を納めた大きな岩(経石といいます)が半原方面へ下る稜線上にあることがその名の謂れのようです。
本厚木駅から半原行きの神奈川中央交通バスで撚糸組合前バス停に向かいます。男性の登山者グループも乗り込んできました。めったに乗る機会が無いバス路線なので車窓から街並みを眺めて行きます。
野外センター前バス停に着くと例の登山者グループが乗降口に向かっていきます。車窓から外を見るとバス停横の「仏果山近道」の看板が目に留まり慌てて私も後を続きます。(後で調べたら撚糸組合前で降りるよりも10分ほど短縮できることが分かりました)
バス停を半原方面へ少し進み左折して舗装路を進むと「ふれあいの村」の敷地に突き当たるので左折し、外周道路を道標に従って廻り込むように歩きます。
「ふれあいの村」の敷地内には葉を落としたイチョウ?の大木が綺麗に並んで植えられていて、バーベキュー施設やテントサイトも整い楽しそうな場所のようです。
舗装路を進むと左へ下る仏果山への分岐があります。高取山経由で登るのでこのまま進みます。新しく出来たような道路の下を潜っていくと右手に登山道らしき道が分岐しています。「狩猟期間中につき注意」の看板があるだけで、道標も無く少し不安ですがこの杉林の中の道を登って行きます。遠くで鉄砲の音が聞こえます。間違って撃たれないかますます不安になります。
直ぐにジグザグの道になり鹿除け柵の扉を潜ると右から細い道が合流して稜線に出ます。愛川ふれあいの村からの道のようですがオフィシャルの道ではなさそうです。更に左へ進むと林が途切れ林道を横切ると稜線上の少し開けたベンチが置かれたところに出ます。
少し休んでから滑りやすいやや急な土の道を登ります。杉林の中を鹿除けの柵に沿って進み、右から上がってくる道と合流して、扉を潜り更に登ると杉林が途切れて高取山の直下に出ます。高取山へは結構急な登りで雪が残っていてとても滑りやすいです。まさかここに残雪があるとは予想していませんでした。山頂近くになるとドロンコに変わり一層登りにくい道になっていました。
高取山山頂は北東側が少し開けていますが、樹林に囲まれていて眺望が良くないので展望塔が作られています。遠足と思われる小学生高学年くらいの子供たちが休んでいます。今日の登山の唯一の目的である丹沢山塊の右端の白い山を見ようと展望塔に登ります。しかし、残念なことにここの角度からは目的の山は見ることはできません。ガッカリしながらも丹沢の山々と仏果山をカメラに収めます。
コバルトブルーの宮ケ瀬湖が眼下に広がっています。空いたテーブルで大休止することにします。ぼんやりと八王子方面の街を眺めながらおむすびを食べます。
標高が低いので容易だと思っていましたが予想以上に疲れました。1時間くらい経って我に帰り、先はまだ長いので仏果山へ向けて出発することにします。仏果山へは緩やかな尾根道を小走りに進みます。一寸だけトレイルランニングの真似事をしてみましたが、直ぐに息が切れて走れなくなります。山を走っている人は凄いと思います。
階段状の岩が混ざった急坂を喘いで登りきると仏果山山頂に着きます。この山頂にも展望塔が建っていましたが、余計な「走り」をしたので登る気力がすっかり失せていました。沢山のベンチが置かれ多くの登山者が休んでいます。空いている席も見当たらないので、水をグイと飲んで経ヶ岳に向かうことにします。
経ヶ岳への稜線は余り広くなく、所々で岩場もあるので注意して歩きます。小さなピークで右に90度曲がって丸太の階段を下っていきます。更に展望板のあるところで右に下りベンチのあるピークを過ぎるとリッチランドへの道が右に分かれます。分岐から少し進むと正面に経ヶ岳が樹間に見えてきます。ここから更に丸太の階段を下ってから、林道を横切る半原越を登り返すことになります。
ここから引き返しました
また下って登るのかと思った途端に気力が無くなり、エスケープすることを決心します。
リッチランドの分岐へ戻りリッチランドの温泉に入って帰ろうと思います。一人旅の気楽さで行程変更は思いのままです。杉の植林地を下りリッチランドの施設の裏手に出ます。回りこむように正面の入口に出ましたが、営業しているような活気が感じられません。遠目に中の様子を探りましたが、他のお客さんも入っている様子が無いので、入浴は止めにしてバス停までこのまま歩いてしまいます。
リッチランドへの分岐
半原越から下ってきた林道を沢に沿って坂尻バス停まで歩くことにします。
バス停の手前数10メートルまで来た時ライトバンが右横に止まり、中から「乗っていくか」とご老人の親しみのある少し訛りの声がします。渡りに船とは正にこのことで「ありがとうございます。お願いします」と助手席に乗せていただきます。聞くとこの路線バスは1時間に1本しかないとのことで、妻田まで帰るところだといいます。走り始めてから気付いたのですが、どうもお酒を召し上がっていたようです。(酒気帯び運転かは判明しないのですが…)
道が空いているので止まることも少なくスイスイ走りご自宅の近くのバス停で降ろしていただきました。
別れ間際には名刺を下さり、また遊びにおいでと言われました。見れば地元の名士の方のようでした。
そこからは本数が多いバスに乗り無事に本厚木駅へ着くことができました。アクシデントが連続する一日でした。