御岳山~大岳山

929m・1,266.9m  東京都

2002年3月10日(月)  晴れ
【メンバー】 単独

滝本駅 ****** 御嶽山駅(9:26)→(9:45)御岳神社(9:48)→(10:34)アクバ峠(10:40)→(11:08)大岳山荘(11:15)→(11:33)大岳山(12:30)→大岳山荘 →(13:43)鋸山(13:53)→愛宕神社(10分くらい休み)→(15:56)奥多摩駅

【行動時間 6時間30分】

奥多摩地域に行ったことがないので一度は行ってみようと思い立ち、ガイドブックを覗いていて、ややコースが長くなりますが大岳山を登ることにしました。
御岳登山鉄道(ケーブルカー)の滝本駅から御岳山駅まで上がり、御岳山を経由して大岳山へ登り、鋸尾根を奥多摩駅まで約5時間10分の道程で、奥多摩の代表的なコースのようです。
我家の最寄り駅から青梅線の御岳駅まで2時間以上、御岳駅から更にケーブル乗り場の滝本駅までバスに乗る時間を考慮して朝5時30分に家を出ました。

御岳駅では未だIOカードの自動改札の設備が無く、駅員を通さなければならないため何人もの人が列を作っていました。ローカルな駅ですが何か味わいがあって良いです。駅前の道路を左手に行くと直ぐにバス停があり、何人もの登山姿の方が既に並ばれています。最後尾に付いて待つこと僅かでバスが到着しました。バス1台では並んでいる方全員が乗り切れず、臨時便を出す様子でもう1台が待機していました。私は1台目に乗車することができラッキーでした。

バスは御岳駅前からあまり広くない曲がりの多い車道を進み、滝本駅の下で乗客を降ろします。やや急な舗装道路を滝本駅まで登るのですが、既にここで息が上がってしまいます。
バスから降りた全員がケーブルに乗るようで、誰一人として歩いて登る方はいないようです。
ケーブルはほぼ満席状態で「御嶽山駅」に着きました。駅前は広場になっていて青梅方面の町並みが見渡せます。

身支度を整えて早速出発します。
御岳山(神社)までは観光地の山らしく良く整備された参道を歩きます。正面に御岳山と周辺集落が見え、その右には三角の鍋割山?が顔を覗かせます。御岳ビジターセンターの手前で左から滝本から歩いて登る参道が合流します。

萱葺き屋根の旅館


舗装された参道を道なりに歩くと、左に日の出山への道が分かれ、その先で今時珍しい萱葺き屋根の旅館を見掛けました。維持するのが大変だと思います。
右は急な坂、左は巻き道の二俣で、安直に楽そうな巻き道を選択して失敗でした。

土産物屋さんが並ぶ


土産物屋や天然記念物の「御岳の神代ケヤキ」の前を通らないで神社への階段の入口の鳥居の脇に出てしまいました。ケヤキを見に引き返す気にならなかったので、そのまま鳥居をくぐり石の階段を登っていきます。(再来したときに見てきました)

階段の途中で左に大岳山への分岐があり、数人の登山者が誰かを待っているようです。階段を駆け上がり、御岳神社で登山の安全祈願を済ませます。ここは御岳神社のお社が建つ所として存在し、山頂らしい雰囲気は全くありません。

御岳山は山ではなく神社だと思ったほうが良さそうです。
辺りを見回して階段を下ると、右手に「近道」の小さな標識を見つけそこを下ります。大岳山へ向かう道に合流し、右へ緩く杉林の中を下っていきます。
直ぐに奥の院への分岐がありますが、登り返して行く気力が無く真っ直ぐ進みます。

杉の大木があちらこちらから見下ろしています。
ロックガーデンの水場で登山ツアーのメンバーが順番に水を飲んでいます。私も飲んでみたかったのですが、順番待ちするほどでもないかと諦めて横目で見ながら通り過ぎました。
この周辺は休憩のための東屋も建っていますが、沢が近いためかとてもジメジメしていて居心地は良くありません。
左側の沢に沿って緩やかに登り、渡り返してからUターンするようにやや急な登りになり、さらにUターンして滑りやすい急坂を登ります。ここは私にとってコース中で一番辛い登りに感じました。

アクバ峠


尾根に出たところのアクバ峠まで頑張り、ザックを降ろして休みます。途中で追い抜いた方も到着して休憩します。5分ほど休んでから出発します。途中で右から鍋割山からの道が合流し、露岩が所々にありますが急な登りも少しでしばらく行くと大岳神社の広場に出ます。

左手には大岳山荘が建ち、山荘前の広いテラスからは富士山が望めます。富士山が見えると何か嬉しくなります。何時かは登るぞ、待ってろよと自分に言い聞かせます。大岳神社の左側から滑りやすい道を登ります。先行する登山者も一歩一歩慎重に歩を進めています。露岩の急坂を登って大岳山頂に着きます。

大岳山頂は、南西方面が開けていて富士山を筆頭に三ツ峠山や御坂山塊の山々が望めます。多くの登山者が眺望を楽しみながら休憩しています。山頂は満席状態なので山頂から外れた眺望も無い平で中食にします。中食を済ませて奥多摩駅に向けて下山します。この日は登山地図を持ち忘れていて、記憶に頼って下山口を探しているうちに大岳神社まで下ってしまいました。もう一度登り返すのも嫌だったので、山荘前の案内標識を見て考えた挙句、富士見台方面へ向かい途中で右折して大岳山直下の分岐に合流する巻き道ルートを行くことにします。

御前山

高低差はほとんど無く、杉林の中を快調に飛ばします。大岳山直下の分岐まで誰一人登山者は見かけませんでした。落葉樹と杉林の中を名前のとおりアップダウンのある鋸尾根を歩きます。
しばらく行くと御前山の分岐があり右に急坂を喘ぐと鋸山に着きます。眺望も無い山頂ですがここで少し休みます。ガイドブックを読んで受ける感覚以上に辛い道のりです。ここから未だ1時間40分の下りが待ち受けています。

ジグザグの急坂を忍の一文字で下り、林道と出会う登計峠に着いたときには正直ホッとしました。少し息を整え、愛宕神社へ最後の登りです。神社の裏手の五重塔の脇で汗でビッショリになった下着を着替え、足のサイズより踏面が狭くて急な階段を手摺に摑まりながら下り、杉林を過ぎて車道に出ます。降り立った広場にはベンチがあり、どなたかが忘れたストックが立てかけてありました。ご主人様に忘れられて何か寂しそうに見えます。

右前方に立ち寄り湯の誘惑看板が目に入りましたが、予定以上に時間がかかってしまっていたのでこのまま帰宅することにします。
車道を左に進み多摩川に架かる立派な昭和橋を渡ると奥多摩駅に着きます。久々の長丁場の山歩きでヘトヘトになりました。
それでも駅前の商店でビールを買うことだけは忘れませんでした。