三 ノ 塔
1,205m 神奈川県
蓑毛(8:45)→(9:55)ヤビツ峠(10:00)→(10:20)富士見橋 →(12:10)三ノ塔(13:30)→(三ノ塔尾根)→(14:25)表丹沢林道(14:30)→(山道経由)→(15:50)戸沢入口バス停
【歩行時間 5時間35分】
大倉のビジターセンター側から三ノ塔
秦野駅からヤビツ峠まで神奈川中央交通のバスに乗る予定でしたが、秦野駅のバス停の券売の方からあいにくヤビツ峠行きは運休で手前の蓑毛までしか行かないとのアナウンスがありました。仕方がないので蓑毛行きのバスに乗車します。
蓑毛からヤビツ峠まで約1時間余分に歩かなければなりません。蓑毛からは、大山へ登る時に歩いた春岳沢沿いの道を行きます。直ぐに大山への分岐を右に見て左側の舗装された柏木林道を行きます。
左側が春岳沢、右側が杉林のやや急な舗装路を登ると、15分ほどで沢を渡る木橋に着きます。全国名水百選の「秦野盆地湧水群湧水地」で、何人かの登山者が水を飲んでいました。水飲みの順番待ちをするでもなく、さっさと木橋で沢を渡り、杉林の中に入っていきます。直ぐに右に「髭僧の滝」への分岐がありましたが、今日は予定外に余分な歩きを強いられていますので、寄り道はしないで真っすぐ進みます。杉の植林地を歩く緩やかな登りです。
杉の木立の間から、秦野市の街が見えたので記録のためと三脚を立ててまでして写真を撮りました。(現像したら露出不良でダメでした。写真)三脚を片付けていると、60代後半と思える単独行の男性に追い抜かれました。今日、歩いている登山者の中では、とてもリズミカルに歩かれていて、真似してみようと後ろを付いて行くことにしました。まるで背後霊のように歩いていると、何だか自分も歩き方が上手になったような気がしてきます。ザッザッと一定のテンポでリズミカルに歩を進めていて行進のような感じです。前方の人に追いついてしまっても、横を上手くすり抜けてリズムを崩しません。
私も少し息は弾んでいますが苦しいほどではありません。周りを見る余裕まではありませんが、杉の植林と雑木林の中の道なので眺望も無く丁度良いのかもしれません。ヤビツ山荘の近くまで後ろに付いて歩きましたが、その男性は、大山方面へ右折して行ってしまいました。蓑毛からヤビツ峠まで1時間10分ほどで登りました。ヤビツ峠からは丹沢林道を富士見橋へ向けて下ります。丹沢林道は完全舗装された車道で、比較的多くの車が通行します。富士見橋の袂にある富士見山荘の前を左折して舗装された林道を登ります。
林道を100mほど登った右に登山口がありここからが本番です。ここから二ノ塔までが表尾根で一番辛い登りだとガイドブックにありました。灌木帯の中の階段気味の道を登ると林道に出るので、左へ折れて直ぐ右の登り口に入ります。しばらくは眺望もない灌木帯の登りで息が上がります。蓑毛からヤビツ峠まで小父さんの後を追って調子に乗って歩いたためかとても疲れています。普通の人は登山口から二ノ塔まで標準で1時間くらいなので休憩なしで登るのでしょうが、休まずにはいられません。体力が無いことを思い知らされます。
登山道が少し広がった草地にどっかと腰を下ろして、おむすびを食べることにしました。何人もの登山者が前を通り過ぎていきます。20分くらい休んでまた登り始めます。10月だというのにとても蒸し暑く、辛い登りになりました。林が切れて開けたガレ場に出ると後ろに大山が見えてきます。息が上がるたびに振り返って大山を眺めます。更にガレ場を15分くらい頑張ると二ノ塔の山頂に到着します。山頂にはベンチが置かれ何人かの登山者が休憩しています。正面には富士山、右にはこれから登る三ノ塔が見えます。
三ノ塔へ向かう登山者
三ノ塔へ登る登山者が豆粒のように見え何だか大変そうです。ここでも水をガブ飲みし、鼓動が落ち着いてから三ノ塔へ向かいます。三ノ塔へは一旦下ってから登り返します。下り始めて直ぐにガイドブックにあった写真の場所で同じような構図で撮影しました。(現像したらガッカリでした)
灌木の登りのあとに少しのガレ場を越えて三ノ塔へ登りつきました。二ノ塔からは想像していたほどは辛くありませんでした。
頑丈そうな非難小屋がある三ノ塔の山頂は南北に広く360度が見渡せます。富士山、箱根の山、伊豆の山、山の名前は分かりませんが南アルプスの山々も望めます。烏尾山から塔の岳への表尾根の山並みもはっきり見えます。私にとってこのような景色を見るのは初めてでとても感動し、大きな達成感を味わえました。富士山をバックに立派な山名標柱の前で記念撮影をします。山頂で休んでいると男性登山者から「これから塔の岳まで行くのですか」と声を掛けられました。「とても登れない」と言うのも格好がつかないので「今日は行きません」と返事しました。
山頂でたっぷり休憩してから三ノ塔尾根を下ることにします。三ノ塔尾根は杉の植林地の中の急坂をひたすら下ります。ここを登りにとるとかなり疲れそうです。登ってくる人とは誰ともすれ違いませんでした。杉の木の間を1時間ほど下り、林道に出たところに牛首という表示板がありました。ここからは林道歩きと思っていましたが平行して山道がありましたので、舗装道路を歩くより山道のほうが楽しいと思い迷わず山道に入りました。僅かに上り下りを繰り返しながら下っていきます。踏み跡はしっかりしていて迷うことはないのですが、あまり多くの人は歩かないようで道幅は狭いです。
ガサガサと草藪で音がしたかと思うと、2mくらいの蛇が道を横断していきました。蛇と遭遇するのは大山以来です。林の中の山道は眺望もなく薄暗くてイメージはあまり良くありませんでした。地図では大した距離ではなさそうに思えたのですが、ずいぶん長く歩かされた感じで、戸川公園まで下るのに林道歩きよりも余分に時間がかかったみたいです。戸川公園は未だ整備中で、工事関係の車両もあちこちに駐車していました。立派な吊橋が見えましたが、見に行く気もなかったので戸沢入口のバス停へ向けてひたすら歩きました。
左から烏尾山、三ノ塔、二ノ塔
振り返って今日登った夕陽の当たる三ノ塔を写真に収めました。戸沢のバス停でかなり待たされ渋沢駅へ向かいました。とても疲れました。 後でわかったことですが吊橋を渡ったところがバスの本数も多い「大倉」のバス停で、わざわざ遠い戸沢入口バス停まで長い距離を歩いていたのでした。地図情報などは最新でないと役に立たないことと、下調べの重要性を認識させられた山行でした。