荒川中岳(東岳) 【3,084m】

悪沢岳との稜線から望む荒川中岳です


荒川三山は、西から東へ前岳(3068m)、中岳(3083m)、悪沢岳(または東岳: 3141m)からなり、主稜線から分離した千枚岳(2880m)へと延びる東西方向の稜線上にあります。
この稜線は展望がきわめて良好で、とくに悪沢岳山頂からは360度の大展望が得られます。悪沢岳北東側には「万の助カール」が存在し、その下の蛇抜沢の上流部はU字谷の形態を有しています。
中岳南面には、小規模ですが3つのカール群が存在し、そのうち西側のカールが最も形態が保存されています。西側カールと荒川小屋の間の岩塊斜面は、南アルプス最大のお花畑です。
前岳西斜面は、南アルプス最大級の荒川大崩壊地となり、前岳山頂には線状凹地が認められ、山頂部は西側に崩壊しかかっています。悪沢岳山頂付近は緑色岩の岩塊を主体として赤色チャートの岩塊も混在しています。中岳、前岳山頂付近は赤石帯に属する砂岩岩塊によって構成されています。
椹島から千枚岳、荒川三山を経て赤石岳に至るルートは、南アルプス南部を代表的する登山道であり、登山者も多いです。登山道は整備されていますが、千枚岳西側斜面の岩壁の昇降には注意が必要です。氷河地形はこの登山道から見下ろすことになります。 (出典:静岡市ホームページ)